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事後報告レポート(前編)/まち+Co MEETUP!中学校は区立?私立?現役保護者から学ぶ進路選択について

こんにちは、神薗まちこです。ずっとやりたかった企画で、ようやく実現しました。

渋谷区は、本当にたくさんの「選択肢」がある。その選択をするときに、自分の価値観を問われるんですよね。自分のことであれば、自分の人生なので責任もって、自信もって選べるんでしょうけれども。どうにも、子どものこととなると、みんな不安になる。だって、自分の選択によって、子どもに大きなマイナスを背負わせたくないって思うから。

だから、子どもの環境を選ぶときに親は相当悩むんだと思います。

その不安が目の前に現れると、本来ならば冷静に判断できることが出来なくなってしまう。そんな状況を、前職で幾度となく見てきました。そんな時に、子どもはそっちのけになってしまっていて、子どもの人生なはずなのに、なぜか大人たちだけが必死になっていて、当の本人は死んだ魚の目のようになっている・・・そんな状況を見てきたからこそ、今まさに「中学受験どうする??」という当事者でもある目の前にある課題に対して、何か情報を提供したく思い、今回ゲストのお二人に協力してもらいました。

それぞれ、公立・私立を選ばれてお子さんを進学させてらっしゃいますが、お二人に共通しているのはたくさんのご家庭を俯瞰した視点で見て、支えていらっしゃるということ。だからこそ、ご自身たちの体験談も俯瞰して振り返り、お伝えいただける、他のご家庭の事例も踏まえながら愛のあるメッセージを送っていただけると判断したからです。

お伝えしたかったメッセージはこれ。

中学校はしょせん、人生の通過点でしかないです。だからこそ、そこに至るまでの経過をどうとらえるかが大事ですし、その経過に子ども自身がちゃんと自信をもって次の環境につなげていけるようにフォローアップすることが保護者の役目であると認識しています。

以下、大学生インターンのねもとまほさんがまとめてくれたレポート(神薗発信部分)です。ぜひ、ご覧ください。


1:はじめに

渋谷区は私立、都立、区立、国立、インターナショナルスクールなど、さまざまな選択肢が用意されているからこそ進路についてよく考える必要がある。議員自身も娘さんが小4なので、中学校選択はまさに関心のあるトピックである。
 
議員の前職は教育に関係の深いベネッセコーポレーションであり、現在も新渡戸文化学園フューチャーパートナーを務めるなど、教育に深い関わりを持ち続けている。
 
議員は政策目標の一つとして「共育」のシブヤを目指している。
今は子どもに一方的に教える時代ではない。時代がどう動くか予測不可能で目まぐるしく変化していく社会となっている。だからこそ、大人も子どもも共に育ち合う必要があると考えている。
 
「学びの場、リデザイン」という教育現場においても、「まちづくりデザイン」という地域の設備や環境、魅力ある人材がつながることで学校現場に寄与できるのではないか、そう思って議員をやっている。
 
「学びの場、リデザイン」というコンセプトにおいては、学校のみならず地域とともに、「共」に「育」っていきたい。

今回は、センシティブとも言える話題を扱っていく。
選択肢があるのは良いことであり、充実した環境を選択できるというのは都心のメリットではある。
ただし、そういった環境に置かれているからこそ周囲と比較したり、たくさんの選択肢を前に色々悩んだり、時には苦しんだりもしやすい側面がある。
だからこそ、子供の特性を考えて親が一方的に進学先を決めるのではなく「子どもが主人公である」という考えの元、子どもと一緒に考えるという意識をぜひ持ってもらえたら。
結果論で言ってしまえば、子どもたちはどこの学校に進んでも、ある程度楽しくはやっていける。
だからこそ、過程を大事にしていく必要がある。
「子どもが将来的に社会で自立して幸せに生きる」という最終目標がぶれないようにしていきたい。方法を過度に目的化してしまわないように。
 
また、教育産業については不安を煽る側面があり、例えば塾なども受験に関して誰もが抱えるであろう不安に強くアプローチしている部分がある。それが悪いということではないが、あえて煽るような情報等も世の中にはある、ということを頭に入れておくのも大切である。


 

2:日本における教育について

新時代の到来

Society5.0という新時代の到来が予想されていくる。その鍵は、デジタル革命(AIやIoT)であり、実際に渋谷区においてもタブレット学習などを広く導入している。シンギュラリティ(AIが人間を超えること)が、ちょうど今の子ども達が働き盛りの大人になる2045年頃に起こると言われていて、そうなった時に人間はどう生きていくのか等、根本的なことが問われる可能性もある。

VUCAな時代という、環境問題やAI等さまざまに複雑な要素が絡まり合って、未来がどうなっていくか予測不可能な時代に突入している。そして、社会の変容にあわせて求められる資質や能力も変化していると言える。変化している社会に生きているからこそ、その変化に対応し、主体的・能動的に「生涯学び続けられる人」が求められている。


世界から見る日本教育

・強み
OECD加盟国で3年に1回実施される調査によると、さまざまなリテラシーを総合的に見ても世界の中でトップレベルに学力レベルは高い。

ではなぜ、日本人は教育に対してこんなに不安なのか?

・弱み
テストで点数的に測られる学力が非常に高い一方、「幸福感を感じる」や「困難な状況で解決を考えられる」は最下位となっている。日本財団の調査を参照しても、日本人が自分にいかに自信を持てない国民なのかがわかる。加えて、将来への希望や期待もあまり持てない状況である。つまり、日本の教育においては、単純な学力レベルは高いのに、意識面に課題が多い状況であると言える。


Well-beingを目指す

国の豊かさの基準が経済的な水準であるGDPから、GDW(Gross Domestic Well-being):国内総充実という新たな基準への移行が、経済界でも図られている。

 「若年社会人でWell-beingな人たちはどんなひとか?」という、パーソル総合研究所・ベネッセ教育総合研究所・中原淳 (ハタチからの「学びと幸せ」探究ラボの調査によると、学びや学習に前向きに取り組んでいる人がWell-beingな人である場合が非常に多いという結果が得られた。まさにそれらを体現している人たちが、結果的には人生が非常に幸せな状態にあると言える。特にその中でも「ソーシャルラーニング」:人を巻き込みながら学ぶことができる人たちこそ学びが幸せにつながっているようである。

3:渋谷区立中学校について

全体的な特徴

渋谷区内の公立進学率は61.1%である。過去6年で緩やかに落ちてきているものの、もっと過去には大体50%とかだったので進学率は全体的に「上がった」というのが実際の感覚。


強みは、「地域力を存分に使える」こと

人もそうだし、税金という財源もそうだが、地域にある潤沢なリソースを使えるのは利点として大きい。渋谷区にいる大人は面白い人が多いし、さまざまにある企業も面白い。財源もあるし、地域力はかなりあると言える。
例えば、全国トップのIT環境もそうだ。渋谷区では政府のGIGAスクールより3年早く始まっていた。大人顔負けの端末(surface Go2)とハイブリット通信(wifi, LTE)を使用している。私立でもここまで整備された環境はなかなかない。

シブヤが目指す「ミライの学校」について

さまざまな空間活用、地域と一体化した公共の場としての学校の創造、アクティブな学びを促す工夫された建物構造など、発展的な未来の学校のアイディアが渋谷区から先日発表された。

▽概要▽
渋谷区『新しい学校づくり』整備方針(PDF 7,353KB)

 そろそろ老朽化に伴う学校建て替えの時期であり、これは全国的な話である。既存の学校をただ綺麗に新しく作り替えるだけでは足りないよね、未来の学校のあり方について考えなければいけないよね、という考えから出来上がった構想である。議員自身も「自立・自律的に学んでいく子どもたちをどう育てていくか」という観点での環境整備を念頭に置いていた。自分たちで問いを立てて自分たちで考えて答えを導いていくという「探究」活動もまた求められている状況では新しい学び方がやはり必要である。

 実際は本や教科書の中だけでなく、社会の中に学びや課題がある。子どものころから、学校と社会がシームレスにつながって、学ぶ場所を作ることが出来る。もちろん子どもたちのための場の確保と、セキュリティは徹底していかなければいけない部分として捉えている。

すでに布石を打っている渋谷区立の教育

・地域総力戦で学校を魅力化できる
ーコミュニティスクール…地域と連携した学校
ーシブヤユナイテッド…部活動を渋谷区全体でやろうという活動。先生の働き方改革の流れの文脈も組みつつ、渋谷区の豊富なリソースを割いて充実した部活動、課外活動、ゆくゆくは地域活動に繋げられたら。
ーシブヤ科…渋谷をテーマに探究、協働していく

・特色ある学校
ー学校選択制(中学校に関しては絶対にやめない方針!!)
ー学校長寿命化計画
ーICT環境整備
ー英語教育の機会
ー渋谷ワンダフル給食

・学費が安い
・距離が近い

 私立は公立の8倍の費用がかかる上に、塾代等もかかる。また、公立だからといって、高校、大学受験にハンデを負うということはない。最近では、通信制高校の人気が高まっている。短い時間で必要最低限の単位が取れて、が残りの時間を好きなことに費やせるというメリットから人気が出ている。通信制は不登校やその他の特殊な事情で学校に通えない人だけが通う学校という実情ではなくなってきた。

今の時代は子どもの特性に合わせ、様々な学校選択をできる。

文責:ねもとまほ(神薗事務所大学生インターン)

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