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【ほぼ全文※ぶっちゃけあり】山田貴宏さん(ビオフォルム環境デザイン室)×齊藤志野歩(まち暮らし不動産)【intervew】

2月に公開したこちらの記事、

山田さんにインタビューさせいただいて、再構成した記事だったのですが、テープ起こし原稿(なんと約2.6万字!)もずいぶんと面白いため、臨場感を残しつつ多少の手を加えたほぼ全文を公開いたします。かなりぶっちゃけた内容となっておりますため、取り扱い注意です!w

<2023.2.3 @ビオフォルム環境デザイン室の事務所>
山田貴宏さん(建築家・株式会社ビオフォルム環境デザイン室 代表取締役)
齊藤志野歩(株式会社エヌキューテンゴ/まち暮らし不動産 代表取締役)
インタビュー構成・聞き手/玉木裕希(まち暮らし不動産)

パーマカルチャーとの出会い

玉木:まずは、「関係性のデザイン」とはどういうことなのか。どう、OMOYA(八王子天神町OMOYA)の空間に反映されているのかなど、うかがえたら。

山田:どこから話そうかな。僕は、もともとゼネコンの環境設備にいたんですよ。

玉木:清水建設時代ですか?

山田:そうそう。僕が学生の頃はポストモダン全盛期だったんだけど、なかなか自分は良いと思えなくて。風や光、音などが建築の原点なんじゃないかなと、数ある研究室の中から、意匠系ではなく環境系の研究室に行ったんです。僕は環境系を学んだけど、当時はそんなに世の中全部が環境に目を向けていたわけじゃなかった。
大学院を出て、会社に入って清水建設で環境設備系の部署にいったわけです。僕は建築をやってきたから機械設計ではない。でも会社に入ったらそういうこともやらなきゃいけないわけです。ポンプがどうとかさ。そういう話ばっかりで、やっぱり建築やりたいなと思って清水建設をやめて、長谷川アトリエという僕の師匠のところに入ったんですね。
そういう思いを持ってたもんだから、環境ってなんだろうということを漠然と考えていた。しかも設備から考える環境ではなくて。設備というのはなんというのかな、建築ありきなんですよね。建築の中の精度をどうするのか。結局それはエネルギーを使わないと維持できないじゃないですか。
そうではなくて、建築の外側をどうにかする。建築の外側をどうにかすることで、設備とかそういうことに頼らなくても建築の内部環境が維持できる。まあそこそこ快適になるとかね。そんなことをぼんやり考えてる時にパーマカルチャーに出会ったの。それが1994年とか95年とかだったかな。

玉木:独立されてからですか?

山田:いやあ、就職して2、3年の頃ですよね。大学院でたのが92年、就職が92年。 清水建設をやめたのが99年で、長谷川アトリエに99年に入った。その少し前ですよね。
もう清水建設を辞めようかなと思った時に、パーマカルチャーの本に出会った。僕がぼんやり考えていた建築と環境の全体性ということについて、書いてある本があったから。「あー、もうこういうことをちゃんと考えている人がいるんだ」とびっくりして。で、本を読んだんですよ。そうこうしているうちに日本にもパーマセンターカルチャージャパンができたという話を聞いて。問い合わせをしたんだけど、まぁまだ立ち上がったばっかりだから電話に出る人もいなかったな。(笑)
その後、長谷川アトリエに転職した。そしたら長谷川さんに「君、パーマカルチャーって知ってるか?」という話をされて「ああ知ってます」と。(笑)
長谷川さんがパーマカルチャーの講座の第1期目で、建築の先生として呼ばれていて、「君も来るか」と言われてついていった。次の年から僕は講座を受講して。それ以来パーマカルチャーと付き合っています。
だから関係性のデザインと言うと、まずは物理的な意味での関係性というのが僕の頭の中にあって。要は生態系を構成するいろんな要素が関係性を持っていて安定しているから、維持できている。 というのがパーマカルチャーをひとことで言うとそういう事。だから建築単体で頑張るんじゃないんですよね。

今の世の中は「高気密高断熱」ばかりじゃない。それはそれで省エネを測る技術としてはいいんだけれども。技術って気をつけて使わないと、両刃の剣じゃないですか。 発電効率とか、CO2出さないとか、その視点だけで突っ走っちゃうことになるわけですよね。技術って部分最適にはいいんだけれども、全体最適にはなり難い。

玉木:全体を考えるのが建築の設計なんですね。

山田:もちろん、断熱をしっかりして遮断すれば、中で暖房冷房のエネルギーが少なくて済む。それは当たり前なんですよ。足し算引き算の世界だから。断熱を大きくすれば必要なエネルギーは減る。でも今は何が起きているかというと、ちょっと本末転倒で。建物から一番熱が逃げるのは窓なんですけど、ガラスから、半分くらい逃げちゃってるんですよ。じゃあガラスの断熱を強化すればいい。厚くすると高いから、もっとちっちゃくすればいいと、 窓が小さくなる。窓がどんどん小さくなってるんですよ、今。

齊藤:住まいというより、牢獄みたいですよね・・・

山田:そうそう。この数年で、ある学者さんが統計を取ったら、1割ぐらい減っちゃったんだって。窓の大きさ。それは例えば北ヨーロッパとか、非常に気候の厳しいところでは正解なんですよ。まず箱として閉じて、必要なところだけ穴を開けるみたいな。 風が通る道「ウィンドウ」だから。
だけど日本はどちらかというと南方系の建築なんですよね。 まずフレームがあってその間を埋める。発想が逆なんですよね。 北方系の建築の発想と。

窓ということだけ見ると同じ言葉だけど、発想が逆なんです。でも日本でも北海道など厳しいところでは閉じて中を守るというのがいいかもしれないけど。東京から南くらいは開放的な建築でいいはずなんです。

和辻哲郎の『風土』でも、世界中を三つのパターンに類型化している。草原型と砂漠型とモンスーン型。日本はモンスーン型だから、言ってみれば自然との調和性だとか、そういうことを大事にする文化だよねということになってくる。建築もそうで、とにかく閉じるんじゃなくて開く。開いて建築の周りとどう繋がるか。それがこの場所に住んでいる建築の作り方としては、本流だと思うんですよね。でも今は閉じているから。閉じて屋根に太陽光発電を載せます。で 、AI やITで制御しますとかね。どんどんどんどん面白くない方向に行っちゃっているんだけど、それに対してパーマカルチャー は全然違ったベクトルの文明観を示しているんです。部分最適じゃなくて全体最適。生態系がそうだから。

玉木: パーマカルチャーってオーストラリア発祥ですよね。

山田:そう。ビル・モリソンという生態学者が「言いだしっぺ」ですね。

玉木:そこで構築された考え方というのは日本でも通じるものだったんですか。

山田:そうそう。その辺の批判はあるんですよ。オーストラリアは東海岸は緑が多い。南の方とか赤道に近い方だけど、オーストラリア大陸の大部分は砂漠だったりする。だから、そういう場所で考え出されたアイデアあるいはセオリーと言うか、それが日本にフィットするのかみたいな話はある。
確かに、パーマカルチャーの視点は生存戦略なんですよね。入り口はそういう厳しい環境の中でどう生き残っていくのか。そのためには生態系や自然と仲良くしなければダメと。その点では確かに日本みたいに緑があって自然がたっぷり、黙ってても草が生えてくるみたいな所とはちょっと違うんですよね。日本人って平気でゴミを捨てるじゃないですか。それは自然が豊かだからだと思う。捨てても見えなくなっちゃうし。自然や生態系のキャパシティが大きくて、そのマインドでずっと来てるから。田舎に行くと車とかも捨ててるよね。もちろん、良いことではないと思うんだけど。

そういう意識だから、生存とか生存戦略のためのパーマカルチャーという意識ではないけど。でも、そのエッセンスは世界中通じるわけで。ビル・モリソンはオーストラリアの自然環境だけ見てパーマカルチャーという着想を得た訳じゃなくて、世界中で土着的に生きている人たちの生活を取材している。パーマカルチャーという新しい概念を「生み出した」わけではなくて、たぶん「編集しなおした」というのがあっているんじゃないかと思うんですね。世界中の土着的な方々の暮らし、それを編集してデザインのセオリーを抽出し、パーマカルチャーという名前をつけた。今まであったものを編集しなおしたということだと思うんです。だから必ずしもオーストラリアだけじゃなくて、パーマカルチャーの教科書を見ると、ベトナムとか亜熱帯の地域も随所に出てくる。世界中どこでも応用が利くセオリーかなと思います。おおもとのコンセプトは世界中どこでも一緒だと思うので。だからそういう意味では生態系のしくみ。繰り返しになるけれども、全体であるが故に最適化されている。その状況をそこからは学べると思うんですよね。

でも、いまの(日本の)建築のトレンドは、先ほど話したように、高気密高断熱に遮断して、その中だけを部分最適する。そのために窓は小さくなってるし、壁は厚くなるし。そこでせめて「断熱材は自然素材の断熱材を使いましょう」と言えばいいと思うんだけれども、それもしない。石油製品を使ってしまう。あるいは窓がちっちゃくなって、外壁はプラスチック使っているとか。だからとてもバランスが悪いですね。

これまでは、小規模な建築は特例があって、建築士に設計の判断の結構大きな部分が任されていたんですよね。それがもうすぐ廃止になっちゃうんです。それはなぜかと言うと、窓が小さく壁が大きくなるということは、建物の重量が大きくなる。あるいは上に太陽光発電が載る。そしたら建築士の判断に任さないで、ちゃんと構造計算しなさいという流れに今なってきちゃっている 。

住宅のマッチョ化は、実は効果が少ない?

齊藤:建築がどんどん、マッチョになってますよね。

山田:そう。どんどんどんどんマッチョに、ヘビーになっていく。日本に古来からある「環境と関係しあっていきましょう」というような、そういう開いた関係じゃなくなっちゃっている。お金もヘビーになってるし。たとえば、今までは断熱等級4というところまでだったけど、いきなり5、6が出てきちゃったわけ。断熱等級7までやろうとすると一件あたりに300万コストが上がっちゃう。この時代誰がやるかってね。そういうことだから政府も何か考えてるのか考えてないのかよくわからない。

いや、それはそれで、正義なんですよ。だって断熱すれば冷暖房エネルギー減るから。2050年のカーボン削減目標に達しないと、エネルギーを少なくしなきゃというのもあるんだけど、住宅から出てる CO2は日本全国の大体2割くらいしかないんですよ。冷暖房というのは住宅で使われているエネルギーの2割なんです。2割の2割だから4%なんです。それを断熱を強化して、たとえば半分になったとしても、全体の2%が減るだけ。もちろん、2%が多いか少ないかという議論はありますよ。チリも積もればだから。
そんなの2%削減するなら自販機やめろよという感じ。だってあれ一台分で家庭の半分くらいの電気を消費してますからね。

齊藤:たしかに、断熱効率良さそうにはみえないですよね。

山田:いっときよりは効率は大分良くなってるけれども、それでも電気をたくさん使っている。ちょっと歩けばコンビニあるんだから自販機やめろよっという感じ。

玉木:部分最適ではなく全体を考えるべきと。

山田:そうですね。その中で、住宅は住宅でやれることを考えましょうと。

齊藤:もちろん、今後の新築というより、既存は、ひどいものもありますしね。それをどうするかという課題はあります。

山田:そうそう。でもそれだって2050年に間に合うかわからないんですよ。今ね、全国で住宅着工は、マンション含めて80万戸くらいですね、日本全国で住宅がどれくらいあるかと言うと6千数百万戸。だけど人が住んでいるのは5千数百万戸。800万戸くらい余ってるので。既存住宅は5千万戸として、それを年間80万戸で更新していたとしても、えーっと、2050年まであと30年でしょ。30年×80万戸で2400万戸じゃないですか。さっき2%と言ったけど、既存更新できるのは更にその半分。つまり、改善できるのはせいぜい1%。

玉木:でも住宅だと多くの人が実感を持ちやすい。やった気になりますよね。

山田:東京都の小池知事が人気取りで、太陽光発電義務化とかね。ひどい話です。マッチョにする話なんです。

シェアハウス?コモンスペースのある暮らし?

玉木:山田さんの根底にはずっと、パーマカルチャーの考え方があるのですね。

山田:そうそう。だから関係性をデザインするというのは実はパーマカルチャーからのパクリ。パクリと言うとちょっと語弊があるかもしれないけど(笑)。パーマカルチャーの教科書は関係性をデザインするとズバリとは書いてないけれど、言っていることはそういうことなんですね。ペンそのものをデザインするということに加えて、じゃこのペンが多機能な機能を持つにはどうしたらいいか。とか、このペンを作ることで周りの状況とどういう関係を結ぶか。とか、そういうことに着目しているということなんです。これは木でつくりましょう。木はどこかの山の地域の産業になって助かるよねいいよねとか。そういうところまでアイデアを拡散と言うか飛ばして、これをデザインしましょうよということなんです。単純に言えばね。デザイン手法のことです。

玉木:長谷川さんの事務所に勤めて、その後に独立されてからは、個人の住宅設計が多いんですか?

山田:多いですね。半分以上は個人の住宅でしたね。ここ数年は商業施設とか、そういうものもやらせていただけるようになりましたけど。それまでは住宅を年間6〜7件という感じ。その中でも集合住宅・・・と言ってもたった4世帯とかだけど、エコアパートだったり、里山長屋だったりやらせていただいたけど。

齊藤:じゃあシェアハウスはレアなんですね。

山田:そう。シェアハウスはないんですよ。シェアハウスはokatteが初めてでした。

玉木:個人住宅だと使う人が見えてるじゃないですか。使う人とやり取りしながら設計すると思うんですけれども、シェアハウスやコモンスペースとなると見えない使い手を考えて設計しなければいけない気がしていて。そうなった時に、何を見据えてどうやって想像して設計しているのでしょうか。もしかしたらそこをまち暮らし不動産がサポートしているのかもしれないのですけれども。

山田:この辺は2月17日の齊藤さんとのトークテーマになるかもしれないけれども。(笑)

齊藤:続きはこちらって書いておきましょうか。(笑)

山田:里山長屋でもそうだったんですけど、里山長屋はオーナーが4人いたから顔は見えてたということもある。コーポラティブだからね。足立のエコアパートの時は、あの時向き合ってたのはやっぱりオーナーさんかな。Hさんと言う名物オーナーがいて、彼が人がどう動くかみたいなことに長けていたから。あの時は彼におんぶにだっこだったということはありますよね。ただエコアパートと里山長屋を通じて僕が学んだことは、あまり作り込まないということ。僕ら住宅建築の設計をやる時は「融通無碍」というキーワードがあるんです。いかようにも使えるという。日本の伝統的な家屋は融通無碍なんです。田の字型の間取りに建具や窓が入り、その開け閉めをして用途に応じてその空間を使いこなすじゃないですか。逆に言うとそれを使いこなす力量というのは、住まい手側に委ねられているんじゃないかと思うんですよね、全てがお膳立てされていて、その中で暮らしてくださいということを作り手側が指示するというか。そういうのはなんか違うなとモヤモヤした感じがあって。だからそうではなくてまずは、こう言うとちょっと語弊があるかもしれないけども、がらんとした空間だけど使い勝手が悪くないという感じ。使い勝手悪いなというのはだめだから建築の設計としてはね。それはないけども、特別な仕立てもない というぐらいがちょうどいいのじゃないかと思う。あと空間のムダがあっちゃいけないね。即コストに跳ね返ってくるから。動線がうまくできてるとか、それは当然建築の技術としてやるんですけど。特別に、その空間が誰をイメージしてとかじゃなくて。誰でも使いこなせる融通無碍な空間というのは意識しています。

玉木:使い勝手が悪くないってというのは、誰が使っても使い勝手が悪くないということですか?

山田:難しい話じゃないんだけれども、収納があってこんな風に開けなければ収納できないとか、廊下が狭いとか、意味不明な細い引っ込みがあるとか。それだけで本になってますけれどもね。

齊藤:賃貸住宅でも分譲でも、トンチンカンなプランありますね。ネタとしては面白いのですが。設計者の力量が足りない、あるいは土地の特殊事情で結果的にそうなっちゃうこともあるのかなあとは思いますが。使いにくいのもあるけど、あのー、使う人を迷わせちゃう?というか。どう使ったらいいのかなと戸惑うプラン?間取り?に出会うと「惜しいな・・・ここをこうすればよかったのに・・・」と思います。

山田:そういう意味ではむしろ素直に作っていれば、皆さん誰でも使いこなせるんです。一方で、何の変哲もない四角い箱を作っておけばいいかというとそれは違って。エコアパートは玄関は北側ではなく南側につけた。そこを毎日通って家に入ってくるという。動線の計画アイデアを作ったりとか。あとは菜園と繋がる土間があって、そこを土足で使ってもいいし。農的な暮らしをバックアップするような空間を用意したりとか。そういう工夫はしますよね。okatteにしおぎは最たるもので、「シェアハウスだから」と、その建物の特別な設えというものはあんまり意識してないですね。そういう意味では現代の時流から外れてるのかもしれないけれども。今すべて「付加価値」と言われるじゃないですか。これやったら付加価値があるとか、付加価値がないと売れないとか。

齊藤:環境性能もオプションみたいな感じになっていて。パーマカルチャー的な考え方からいくと、オプションで取り外しできるようなものではないんですけどね。

山田:そうそう。世の中全部がヘビーになっていて。逆に言うと僕は人間力の方に期待したいんですよ。どんな空間が来ても住みこなせるようになってほしい。その点、シェアハウスがいいなと思うのは、仲間がすぐ近くにいるというのはいいよね。どんな空間でも住みこなせるんだけど、その仲間がすぐ近くにいるということがシェアハウスの特徴ではあるかな。

玉木:人が暮らす空間ということで個人住宅も集合住宅もシェアハウスも違いはないということなんですね。

山田:そういう事だと思います。ただ防音などは大事ですよ。もちろんそれは気を遣うし技術的にもね、多少は何とかなるから。そういうことはやりますけど。

玉木:OMOYAは 山田さんにとってまち暮らし不動産とご一緒した2軒目ですか?

山田:2軒目です。

玉木:シェアハウスとしても、2軒目ですか。

山田:エコアパートは、建築としてはシェアではないんです。長屋住宅だから。鎌倉でやったコーポラティブ住宅も長屋住宅だからシェアではないですね。
ただ、建築的に別れてるか別れてないかはあるけれども、皆さん同じ場所に暮らしているわけで。出入りするコモンスペースがついている。それこそ里山長屋もそうだし、それこそ神山町だってそう。入会地がちょっとついているということで、近いかもしれない。

今だから言えるOMOYAのアレコレ

玉木:集合住宅orシェアハウスというよりもコモンスペースのある建築という風に捉えたほうがいいかもしれないですね。
ここからは、八王子天神町OMOYAについて伺えますか。これも「コモンスペースのある建築」です。最初のきっかけは?

山田:齊藤さんと篠原さんからお声掛け頂いて。お寺が持っている土地建物の相談があるということで、建物を見に行った。

齊藤:ボロボロですねとか言いながら。(笑)

山田:最初見たときは「うっ!」てなったよね。(笑)

玉木:私もビフォーの写真を見て結構びっくりしました。(笑)

山田:物理的にはもちろん、なんとでもできるんだけれども、最後はコストの問題ですね。やろうと思えば「家上げ」をして、基礎を直してとかね、できるわけですよね。物理的には。だけど賃貸物件だから、お金がたくさんあったとしてもちゃんと回っていくコストにしなければいけない。事業として考えて、できることできないこと。

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