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【採択団体インタビュー】NPO法人happiness

まちとしごと総合研究所(以下当研究所)は2023年度、休眠預金を活用し、「京都の若者へ寄り添うアプローチによる生きる基盤支援事業」を実施し、事業資金の助成ならびに団体への伴走支援を実施しました。

採択団体の活動や事業についてインタビュー動画を作成しています。今回の動画の内容について、一部を記事として発信します。ぜひ本編もご覧くだださい。


Q,happinessを立ち上げた経緯について教えてください。

理事長の宇野です。NPO法人happinessはこども達がSOSを出せるような場所を作りたいという思いから2016年にこども食堂をスタートしたことをきっかけに始まりました。現在はカフェ、シェルター事業、お祭りなども運営しています。

核家族化や共働き世帯も増え、そのしわ寄せが子どもにいっていないだろうかという思いがあり、いじめや不登校など、子どもをめぐる社会問題においても、寂しさが根本にあるのではないかと思います。みんなで一緒に楽しくご飯を食べれたらいいという思いで始めたら、今では約60人が来てしまう場になりました。

Q,子ども食堂から居住支援がスタートしたのはどのような思いからですか?

居住支援は子ども食堂で出会った子がきっかけでした。背景があり公的支援が受けられず、安心して寝られる場所がない。健康状態も悪化し、学校にも行けない現状を目の当たりにして、スタッフともhappinessに何かできることがあるのではないか、一時的に対応するのではなく、団体としてハウスを構えられたら、受け入れもできるのではないかという問題意識から始めた事業です。

Q,休眠預金活用事業はこの事業の実施に活用されたのですね。

はい。シェルター用の物件購入が主になります。

前年度からシェルター事業は賃貸物件で実施しましたが。家賃や固定費の支出が課題でした。入居者から家賃を頂くことは難しく、今後継続した運営を考えても団体にとって大きなことでした。

実際に預かる少女たちも心身の安定が必要で、医療につなげることからのスタートです。未成年だと生活保護等の支援もハードルが高く、団体で支える必要がありました。

Q,この事業を行っていく上で支援の苦労などはありましたか?

彼女たちに届けている支援として、例えば自分の状態を医者に伝える事が難しい子たちの診察に同行します。また、行政手続きや警察への相談が必要なケースへの同行。金銭トラブルを抱えている場合は弁護士相談を一緒にしたり、ハローワークへの同行などもします。

複雑な状況では相談先窓口の担当者も知らない制度があるので、こちらが説明をして調べてもらうと話がスムーズになります。手続きは煩雑なので、彼女たちだけで相談をしても進まないことが多いですね。

また、未成年の子を預かることの団体としてリスクはあります。最初は既存の宿泊ができる社会資源を頼ろうと相談しましたが、法的なリスクから受け入れにつながらないケースが多々ありました。サポートしてくださる弁護士、専門家の協力を得ることも大変でした。

Q,その他、団体の主な活動内容について教えてください。

子ども食堂の啓発を目的として、南区の子ども食堂があつまるお祭りを去年からやってます。飲食店さんや企業さんも応援してくれ30店舗ぐらいが集まります。南区の資源がhappinessだけでなく各地の子ども食堂とつながり、継続して活動できるようにと思っています。

happinessにお米が100kgが届いたことがあるのですが、さすがに食べきれなくて他の団体にシェアしたことがあります。そのような連携が生まれていくといいと思います。

撮影をしているこの場所は、まちライブラリーを兼ねたカフェです。地域の方々が本を通じて出会う場をテーマにしています。子ども食堂も行っています。乳幼児のお母さんたちが保健師さん助産師さんに育児相談ができる場や、高齢者向けの教室などもしています。

ここは元々京都市の八条団地があった場所で、事業者さんが地域交流の事業を含めてまちライブラリーをやると企画して開発されたんです。ここを運営する事業者を探されており、すぐ近くでこども食堂をやっていた私達に「新しい建物の中でカフェとこども食堂やりませんか?」と声がかかりスタートしました。

Q,今後の展望について教えてください。

居住支援をしてみたことで、「もっと早く支援の手を届けられたら」と思うことは多くあります。傷ついてしまった心は回復するために時間もかかります。未然に防ぐためにも、原点としての子ども食堂の重要性に気づきました。

また、一般的にいう自立は、「自分でお金を稼ぎ、家賃や生活費を払い、1人で生きていく」ことかもしれませんが、「生きててよかった」が第一歩です。そこから生活保護を受けてでも暮らせるようになれば立派な自立だと感じています。彼女たちを仕事で受け入れてくれる企業さんとのつながりが今後必要だと思っています。

Q,happinessの活動を応援したい人はどのような関わり方ができますか?

happinessは多様な事業があるので、できる範囲で関心があるところに関わってもらいたいです。どんな形で関われるかはその都度相談しています。

子どもから高齢者まで、いろんな人たちの居場所となれるような活動を目指して運営をしています。皆さんからの応援が温かい社会を作っていけると思うので、引き続きよろしくお願いします。


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