水野 隆

1900年創業の老舗和食店を事業承継し長年培ってきた商店街やまちづくりの知見をまとめる…

水野 隆

1900年創業の老舗和食店を事業承継し長年培ってきた商店街やまちづくりの知見をまとめるため「合同会社まちエン」を設立。大学と商店街の連携による持続可能なまちづくりの共同研究にも参加。(株)まちづくり勝川/勝川商業開発㈱代表取締役/(株)勝川エリアアセットマネジメント取締役

最近の記事

持続可能なまちづくりとは「商店街とSDGsの関係性を考えるVOL.7(#8)

シリーズ最終回です。 今回のSDGs国際関係論は中部大学国際関係学部の講義で、担当教授に加え6名の行政、産業界の講師が、それぞれの立場で講義を行いますが、最終回には講師全員が集まり、事前に受講生から提出された課題レポートの感想や質問に答えます。 これまでのおさらいですが、VOL.1では、明治から戦後まで商店街を取り巻く環境について VOL.2では、戦後の商業に関する法整備について VOL.3では、地域を支えてきた勝川駅周辺まちづくり協議会の役割と仕組みについて VOL.4で

    • 持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGsの関係性を考えるVOL.6(#7)

      勝川駅周辺の開発は、昭和63年春日井市が勝川駅周辺総合整備計画を策定し始まります。翌年に、区画整理事業を始めとする7つの大枠の事業が計画されましたが、他にも勝川駅前地区商業活性化モデル事業(通称:コミュニティマート構想)など、全体で15事業が同時に行われました。 ①と④⑤の区画整理事業他は市施行で、⑦は⑥の中央線と国道302号線・東名阪(現:名2環)の立体交差事業のため県施行で行われています。特に①と③で行われた事業には、立体換地制度が採用されています。 立体換地とは 要

      • 持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGsの関係性を考えるVOL.5(#6)

        さて、複雑な権利関係を解消する方法のひとつとして「都市再開発事業」があります。戦後復興で高度経済成長をしていく中、都市部の人口の過密化や都市環境の悪化などを解消するため、昭和44年都市再開発法が施行され、比較的大きなエリアを再生する方法として行われてきた手法です。しかし、木下君が墓標シリーズというタイトルで紹介しているように、失敗事例も数多く存在しています。https://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%A

        • 持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGsの関係性を考えるVOL.4(#5)

          さて、ここでは、商店街とSDGsの関係は、商店街の持つ「場所性」「地域愛」などをベースにした「コミュニティ」を意識することが、今後の持続可能な商店街を考えるうえで大切という部分を考えていきます。 戦後から昭和の時代、商店街は、消費の場として機能してきました。しかし、消費者の購買変化や自らの商業機能の低下でその役割を果たすことが出来なくなってきます。これは、もちろん、事業承継など個店の問題が大前提ですが、特に、国の施策が、経済の活性化つまり売り上げ、来街者数に力点が置かれ、変

        持続可能なまちづくりとは「商店街とSDGsの関係性を考えるVOL.7(#8)

          持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGsの関係性を考えるVOL.3(#4)

          ここまで商店街を取り巻く法整備の経緯を説明してきましたが、それでは「持続可能なまちづくり」とは、どういう意味なんでしょうか。一般には「人が住み続けられるような、環境に配慮した都市開発」と言われていますが、SDGsの11番目の目標「住み続けられるまちづくり」にも10個のターゲットが設定され、スラムの解消、女性、子供、障碍者・高齢者に配慮した安全な交通システムの構築、災害に強いまちをつくる他が定義されています。 さらに商店街との関係では、商店街の持つ「場所性」「地域愛」などをベ

          持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGsの関係性を考えるVOL.3(#4)

          持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGs」の関係性を考える VOL.2(#3)

          写真は平成4年(1992年)1月トイザらスの国内2号店となった橿原店(奈良県)の開店に、当時のブッシュ米国大統領が視察に訪れた写真です。同年11月には、全世界のトイザらス店舗の中で、1日および年間の売上最高記録を樹立をしたことでも話題にもなりました。平成4年と言えば大規模小売店舗法(大店法)施行中ですが、折しも日米貿易摩擦の最中で、非関税障壁打破の目玉的存在とみなされ、大統領自らが、ヘリコプターで直接乗り込むという分かりやすい外圧でした。これを機に規制緩和が進み、平成10年大

          持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGs」の関係性を考える VOL.2(#3)

          持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGs」の関係性を考えるVOL.1(#2)

          はじめに 先日、中部大学のSDGs国際関係論の連続講座で「商店街とSDGs」というテーマで講義をさせてもらいました。この講座は、中部大学教授の他、行政や企業の関係者がそれぞれの専門分野で講義を行います。この時の講義録を中心に商店街とSDGsの関係性を紐解いていこうと思います。 さて、商店街というと、かつてはイベントや売り出しなどの事業を行うことで来街者を増やせば個店の売り上げも維持できると考え、ごみ減量などの環境問題には「商店街が繁盛すればゴミが増えるのは当たり前」と冷やや

          持続可能なまちづくりとは・「商店街とSDGs」の関係性を考えるVOL.1(#2)

          自分で自分の首を絞めるw

          10月17日(火)大安・天赦日だったそうです。そもそも「大安」はともかく「天赦日」とか「一粒万倍日」とか、まったく知らずに生きてきましたが、「起業するよ」と知人に話したら「この日で」と教えてもらいました。天赦日とは「天がすべてを赦す日」いや別に悪いことをする積りはないので、赦していただかなくても良いのですが、何事も始めるにはこの上ない日とのこと。この日にジャニーズ事務所がスマイルアップに社名を変更したのは分かる気がします。ただ、たまたま同じ日になったことで、一瞬自分で自分の首

          自分で自分の首を絞めるw