大パルコ人④マジロックオペラ「愛が地球を救います(ただし屁が出ます)」、東京千秋楽を観劇。宮藤官九郎の舞台は、去年10月同じくパルコ劇場で行われた、ねずみの三銃士 第4回企画公演「獣道一直線!!!」以来。(こちらはPARCO劇場オープニング・シリーズだった、そうねもうPARCO劇場ができてから1年経つのね) そもそも演劇の感想書く人って少なくないですか私は一人で観劇することが多いので、観劇後はなんとなく気持ちを分かち合いたくなってSNS に書き込まれる感想を探すのだけど、だ
結構期待して観に行ったのだけど、あーこれは合わないやつだと感じて、終盤のファンタジー描写の頃にはもう、魂が抜けかけていた。集中力ゼロ。もちろん涙も出なかった。 「ホモソーシャル礼賛」にもう浸れない おそらく、私は男性ホモソーシャルを礼賛するように描かれる作品には、もう浸れない身体になったからだろう。私だって「青春の馬鹿騒ぎ」自体は好きだし、そもそもホモソーシャル本来の意味で言うと、私は青春時代を女子校で過ごした女性ホモソーシャル出身なので、同性同士のつながりにはノスタルジー
ヒットしているという「ミッドナイトスワン」を見たけど、なんだかモヤモヤする。 試しにTwitterで検索しても、絶賛の声しか出てこない。 私ももちろん、これがデビューだという新人2人の瑞々しさ溢れる演技力とか、バレエの美しさを味わえると同時に圧倒的な練習に裏打ちされていると感じるところとか、柔らかくムードを作る音楽とか、凪沙と一果の思わず笑顔になるやり取りとか…すてきだと思うところもあったんだけど…脚本がとにかく気になる…!!! 別に、感動した人を否定したいんじゃない、あな
会社の人に貸してもらって読んだ。 「連続射殺魔」と呼ばれた永山則夫の死刑判決から、のちに「永山基準」と呼ばれる死刑の基準とは何なのかを問う本。 2009年に裁判員裁判が始まる前、その前年にあった山口県光氏母子殺害事件の裁判を巡って過熱した報道や世論に筆者が疑問を持ったことを機に書かれている。 犯罪に至った人物の生い立ちに迫る本はたくさんあるし、私は凶悪犯罪と言われるものに興味があるので色んな本をミーハー的に読んでいるのだけど、この本はそれだけではなかった。 判決を待つ間の被
アメリカの保守系テレビ局FOXで、ベテラン女性キャスターが業界の帝王と呼ばれるCEOを訴えるという前代未聞の騒動の映画化。世代も立場も違う女性キャスターたちによる権力者への戦いを、鮮やかに描く。 一応マスコミ業界に身を置いているので、この作品は観るしかないと思っていたら同じく近い業界にいる友人に誘われて早速観てきた!これを映画にできるアメリカが羨ましい。日本ではこんなこと起こりえない。そもそも日本ではセクハラの程度もここまでひどくないとも思いたいけれど、裁判に持ち込まれるこ
最近読んだ本で、一番衝撃を受けた「聖なるズー」。2019年 第17回 開高健ノンフィクション賞を受賞した、動物性愛者「ズー」について書かれたノンフィクションで、主にドイツの動物性愛者の団体に属する人たちへの取材で構成されている。筆者自身の性暴力の経験から、人間にとってセックスとは何なのかという問いを、多くの人にとってアブノーマルに見える動物性愛という指向の持ち主から分析していく本。言葉の通じない、知能も違う存在である動物と人間がセックスをするにあたり同意を得られるわけがない、
2017年のソール・ライター展がよかったから今度も行きたい、と誘われて行ってきた。 ライターの作品を私はほぼ初見、名前を聞いても「ソウル・イーター?」(※大久保篤による日本の漫画作品)と思ったくらい。 Bunkamuraザ・ミュージアムにも、最近いつ行ったか思い出せないほど久しぶり。 で、すごくよかった。 帰り際に、会場の外に掲示してあるポスターをライター風に撮ってみようとしてみた。 上りのエスカレーターに乗りながら撮ったので全然イケてるのは撮れなかった。あたりまえだけ
最近バレエ映画づいている。それぞれ毛色は違うものだけれど、美しい肢体は芸術であると強く感じる今日この頃。今自分の身体を鍛えたいと思っているタイミングなのも、この映画を選ぶのに一役買ったのかもしれない。 20世紀を代表する伝説のバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフの成長や亡命劇を描いた映画。主演はタタール劇場の現役プリンシパル、オレグ・イヴェンコ。バレエに明るくないのでヌレエフについてそんなに詳しく知らないけど、イヴェンコはヌレエフと容姿が少し似ているらしい。体格は違うし踊りの
成田凌はとても良い役者だと思う。とんでもなく端正というよりは愛嬌のある顔立ちなところも、背は高いのにひょろっひょろで肩幅も広くなくてちょっと猫背なところも(もちろんモデルなので猫背に"なれる"というのが正しいかもしれない)、かわいい表情も色っぽい表情もできるところも、そしてクズ男をやらせたら天下一品なところも。 もちろん彼の人となりの多くを知っているわけではないけど、まぁ、いい意味で本人にクズなところがあるんじゃないか、だからこそクズの演技が光るんじゃないか、などと思う。勝
TBSドラマの「カルテット」がとても好き。過去形じゃなくずっとたいせつに好き。放送していたその頃久しぶりに日本のドラマのために次週を待ち遠しく感じていたし、リアルタイム鑑賞もしていた。友人たちと一気見の会を主催したり、最終回はまた別の友人の家でから揚げを用意してもらって全裸待機した。(嘘です服は着てました) 当時の私は私生活が順風満帆とは行かず、表向きは幸せな状況であるはずが精神が非常に荒んでおり、ひとを好きになるってなんだろうとか結婚ってなんだろうとか色々に迷っていたこと
試写で観てしまったのだけど、このような大作こそ、IMAXで大画面で、映画を「体験」するのが適していると思う。 デイミアン・チャゼル監督&主演ライアン・ゴズリングの再びのタッグにより、1969年アポロ11号で世界初・人類初の月面着陸に成功した宇宙飛行士、ニール・アームストロングの生涯を描いた映画。一人の人間、そして国家プロジェクトの成功を追いかける内容だけれど、いわゆる、多くの困難を乗り越えて目標を達成したぞ!オオー!…みたいなものとは、大きく異なるトーンを持っている。映像の
主演は柳楽優弥、メガホンを取るのは、是枝裕和監督の愛弟子だという広瀬奈々子監督。柳楽優弥と"疑似親子"として共演するのは、小林薫。これは観たい、と思わされる顔ぶれ。キービジュアルも派手さのあるものではなくて、ひっそり書かれた「その他人が、昨日を消してくれるはずだった。」というコピーは多くを語らずも惹かれる雰囲気をまとっていて、良い。 ある日、ある田舎の町で、一人の青年が河原に倒れていた。偶然見つけた初老の男・哲郎が彼を助け出し、世話することに。何か秘密を抱えている様子の「シ
ベン・ウィショー…38歳…ひげが生えていても少年のようにかわいい…。 と、思わず、ただのつぶやきが口から零れ落ちてしまった。 「メリー・ポピンズ リターンズ」試写で観た。今回はリターンズ、およそ半世紀ぶりとなる続編。前作から約20年後の大恐慌時代のロンドンで、バンクス家は母親を病気で亡くし、父親と子ども3人、ときどき様子を見に来てくれる父親の姉と助け合って暮らしているが、不況の折、家を失う危機に追い込まれる。そんな中再び現れたメリー・ポピンズによって困難を乗り越えていく、と
公開前から、「ムーンライト」や「レディ・バード」などを配給してきた映画会社「A24」の新作と知って気になっていた。あらすじを読んでも、ホラー…では、ないね?というようなくらいしかわからなかったけれど。気づいたら公開されてて、しまったもう1ヶ月経って終わってしまう!と焦って師走のうちに観ました。 夫Cと妻Mが、田舎にぽつんと建つ静かな家に住んでいる。でもある日、不慮の事故でCが亡くなる。そこから、幽霊になったCの「人生」が始まる。 台詞はほとんど、ない。こういう作品の脚本に
今の子どもたちにとって、インターネットはあたりまえのもので、わざわざ水が蛇口から出るまでにどこからどういう仕組みで流れてくるなんて考えないようなもの。まぁ、大人だって「インターネットってどこからどう来るの?」と言われても、答えられないけど。まだギリギリWi-Fiルーターの概念があってよかった。そうでなければ電源タップからみんなが移動できないもんね。 というわけで、前作は観ていないけど、友人家族に誘われて行ってきた。5歳前後の子どもたちと観たという人が周りに多いけれど、これは
東京湾からバラバラ死体で見つかった被害者の身元が判明した。でもそれが、あの“チワワちゃん”だったなんて、最初は気づかなかった。たくさんの友達に囲まれてみんなのアイコンだったチワワちゃんのこと、本当は誰も、本名ですら、知らなかったのだーーー 試写で観てきました。爆発しそうな気持ちをそのまま書く。1月18日公開。 難しいことはよくわかんないし考えるの面倒臭いしそもそも考える必要もなくない?だって毎日楽しくカンパイして酔っ払って音で頭の中ガンガンに満たしてさ、でろでろに酔って吐