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[002]このまま、このまま


私には、新年になってから、ひそかに続いていることがある。
「まだ半月じゃないの」という心無い声は私には全くもって聞こえないので、悪しからず。


ところで、みなさんにおいては、正月早々に気勢よく「新年の抱負~!」とか言ってしまった手前、「続けることの苦しさ」を一年ぶりに思い出している頃ではないだろうか。
「この感覚ッ、憶えている…!」と感じてしまった人は、今から2021年の目標を立て始めたほうがいいかもしれない。

なんにせよ、正月なんてものがもはや遠い過去のものであるかのように、早くも2020年は1か月が過ぎようとしていて、たくさんの人が、あらゆることで、既に「挫折」っているのが目に浮かぶようである。


そんな意志薄弱な人たちと一線を画しているこの私が、新年早々続けることができているものがある。

それは「通勤」である。


「いいだけ煽っておいて、ひどいネタツイートやな」

みたいな声はさておき、この「通勤」、ただの通勤ではない。
なにをかくそう、「徒歩での通勤」である。


「それって、電車やバスを乗り継いだりしていくほど遠い所に住んでいるのに、徒歩で行っているから大変だってこと?」

という、期待通りの声を退けるようで申し訳ないが、自宅から職場までは車だと5分もかからない。非常にアクセスに優れた環境で仕事をさせていただいている。




私が住んでいる地域は雪国である。

日によっては、通勤時間帯に雪が深々と降り、午前中に使うはずだった体力と、終日使う予定だった靴下を犠牲にして職場へたどり着かなくてはならない、まさに峻厳たる状況は、雪国出身者ないし雪国在住者であれば、おおよそ想像に難くないはずだ。

実は昨冬においても、今回同様「徒歩通勤」を試みたものの、初雪が降った11月下旬から12月上旬あたりで即挫折に踏み切った(英断)。

雪国に住むというのに覚悟のないやつだ、というご指摘もあろうが、ここでその声を受け流すかのように、今回に至っては、昨冬できなかったその「徒歩通勤」がなんとか続いているのである。


年末にかけて雪という雪が降らず、いわゆる”マジな雪”が年始から営業開始したことも後押ししているが、そんな小さいことは抜きにして、この、昨年できなかったことが今年できている事案は、ちょっとだけと言わず、かなり嬉しいことだった。
(たったこれだけの記事ですスミマセン)


ただそこには必ず、”負けが勝ちに転じた”理由がある。

そうして即挫折した昨冬を思い起こすと、今回は昨冬に比べて「①職場の業務量を減らした」、「②課内の人的リソースが増えた」、「③今回にかける意志が強い」の3つが挙げられた。
③は測るべくもなく勝手にしてくれといった感じだが、①、②はやはり大きかったのでは、と現在進行形で思う。


「武士は食わねど高楊枝」ということわざを知っているが、近頃の私はどちらかと言えば、「腹が減っては戦はできぬ」派になりつつある。

だから人間はやっぱり、お腹いっぱい食べて、十分に寝て、休みの日には好きなことをして、そうやってはじめて、「忍耐」とか「継続」といった言葉に本来的な意味が色を伴って生まれてくるんだろうし、挫折したからといってそれは弱気でもなんでもなく、揃えるべき装備をきちんと揃えてはじめて目標にアタックする準備ができる、という意外とカンタンな話だと思う。


このあたりの観念に関しては、肌感覚でいうところの世代間格差を感じる部分でもあったりして個人的な興味がそそられる分野でもあるが、生まれも、育ちも、時代も、なにもかもが異なるそんな人たちと、そこらへんの哲学の折り合いをつけながら一緒にやっていくっていうのは、なんともはや難しい道程だな、という勝手に予想外の着地点に落ち着いてしまったが、「昨年できなかった」を「今年できている」に変えられる2020年にできればと、思う。

そのためにも、noteは続けていきたいと思っているし、いま、このnoteがイイ感じのルーティーンになり始めているのが、今年ふたつめの「今年できている」なのかもしれない。





(実は雪国出身者でもあるんです、とか、昨年の冬は初雪から春先までの半年は毎朝タクシー使ってました、とか中盤あたりで言ったら怒られるかなと思ったのでここまで言いませんでした)

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