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公立小学校の「トンデモ」見聞録(1)

(2012年5月15日「松ちゃんの教室」ブログ記事再掲)

久々の長期出張先からまとめて更新…

まずは、この4月に入学した長男ザウルスを通して、久々に向き合うことになった公立小学校のちょっと笑える、でも実はあんまり笑えない現状について。

4月26日付「朝日新聞」の論壇時評で、作家の高橋源一郎氏がこんなことを書いていた。

 最初に、校長先生が、舞台中央の演壇に向かって深くお辞儀をした。でも、演壇にはなにもない。「はて?」と思って、よく見ると、左奥に日の丸の旗がある。誰に向かって、何のためにお辞儀をしているんだろう。まるでわからない。ぼくには常識がないからなのかな。しばらくして、「国歌斉唱」の番になった。そしたら、ぼくは、なんだか憂鬱になった。誰がこんなやり方を決めたんだろう。半月前の保育園の卒園式には、あんなに感動したのに。……「小学校の入学式は、たぶん、キョウイクイインカイとかそれを指導しているエラい人のための式なんだ。だから、イヤになっちゃうんだ。現場の先生に任せたら、もっと嬉しいものになったのになあ」って。

親の立場で初めて出た入学式の感想は、まったく同じだった。

自分もずっと公立で育ったし、大学も国立だったからある程度覚悟はしていたが、やはり保育園とのあまりのギャップにひるんでしまった。

実は僕自身、小学生のころに同じ疑問を抱いていた。「壇上に上がるときにお辞儀をしている先生は、いったい何に向かってしているのだろう」
ない頭で考えた揚句、たどり着いた答えは……

マイク🎤

そうだ。いつも先生たちの声を大きく伝えてくれているマイクに感謝を表しているんだ。これしかない! そう思い込んでいた。だって、壇上にはそれ以外ないんだから。

不覚にもひるんだ僕に、さらに追い打ちをかけたのはこの式次第

「三」の「国歌斉唱」はおいておくとして、注目は「一」「一四」

け、「敬礼」って……!?

何をやるのかと思えば、単に司会者が掛け声をかけて全員で一礼するだけというものだったのだが、わざわざ項目を立てるほどのことか。
そもそも、誰に向かって、何のためにお辞儀するの?

もはやマンガ。そう、僕も大好きだった「男塾」の世界

いや、あれは完全なエンターテインメントとして面白いが、現実であれば話は別。

やおら江田島塾長が出てくるんじゃないかと、本気で思った。高橋氏も指摘するように、これは「入学式」ではなく「入隊式」だ。

しかし、こんな「トンデモ」はまだほんの序の口に過ぎなかった。

(つづく)

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