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母がドーナッツを買ってくる。それが好き。

母がたまにミスドを買ってくる。
私は昔からそれが好きだ。

好きな理由はいくつかあって、買ってくるのが不定期であること(本当にいつも突然)や、甘い物好きな母なのですごく嬉しそうであること、どのドーナッツを買ってきたんだろうというワクワク、などである。

母は生クリームが大好きだから、いつも決まって「エンゼルクリーム」というドーナッツを買ってくる。生クリームが入っていて、穴が空いていないドーナッツだ。(ドーナッツ屋で一番好きなのが穴の空いていないタイプなところも母らしくて好きだ。)食べるドーナッツをどれにするか家族で悩むとき、エンゼルクリームは暗黙の了解で母の手に渡る。

母のドーナッツセレクトはなかなか面白い。
エンゼルクリームの他に、期間限定の商品で箱が埋め尽くされているときもあれば、全てが定番商品の時もある。ミスドに入って、その日母がどんな風にドーナッツを選んできたのかなんとなくわかるところが、また良いのだ。

それと、私のお気に入りのドーナッツはしっかり把握されていて、黄色の粒々がついた「ゴールデンチョコレート」や、「オールドファッション」といった王道ドーナッツたちである。これらも、「エンゼルクリーム」と同様必ず買ってきてくれる。(私の姉は「ポンデリング」一択の人なので、これもまた必ず買ってきてくれる。ちなみに父はドーナッツが嫌い。)

しかし、買ってきた日に「食べちゃおっか!」と食べることはあまりなく、我が家では次の日の朝ごはんになる。それもなんか面白い。おやつ感覚ではなく、本気でドーナッツに向き合おうとする、そんな感じなのだ。

朝起きると、「よし!今日はミスドだよー!」みたいな感じで母に声を掛けられる。それが昔からたまにおとずれる我が家の“ふつう”であるということが、なにかすごく愛おしくて面白くてにっこりしてしまう日常であることに最近気づいたのだ。その気づきが小さいけど大きなことのような気がして、文章にした。次のミスドデイはいつだろうか。

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