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日本語の難しさ

歌う上で欠かせない「腹式呼吸」
みなさんは、どんなイメージをもっていますでしょうか?

多くの人が
「おなかを膨らませる」
「おなかに息を入れる」

というようなイメージがあるようです。
実際に、大学生ですら「腹式呼吸はどこに息入れるの?」の質問に「おなか!」と答える人がいるほどです。

「腹式呼吸」の定義は確実にこれ!と言われていることはないかもしれません。それが故に、字面だけで「おなかに息を入れる」というイメージが生まれます。

同じように「休符」もです。
休むという感じで書かれているがゆえに、本当に「休む」人が多いこと多いこと。
でも、音楽はスタートしてから(或いはもっと前から)音が鳴り終えるまで「休む」場所はどこにもありません。

このように、いつもレッスンでは「言葉選び」を1つ間違えるだけで違った印象をもってしまい、それが声の硬さ体の硬さに繋がることが多々あります。

更にやっかいなのが・・・
言葉のイメージは「1人ひとり違う」ということです。

簡単に言いますと「りんご」と言われて
赤いりんごをイメージする人もいれば、青いりんごをイメージする人もいる。カットされたリンゴをいめーじする人もいれば、もしかしたら、ハイヒールのりんごさんをイメージする人もいるかもしれません。

言葉は、その人の人生の中で培われたものです。
なので、指導する時に「こうイメージするだろう」と思ってお伝えすると、行き違いがおこることが多いのです。

私はせっかちなので、つい「最短」の言葉選びをしてしまう傾向があります。自分のイメージだけで発してしまったり、主語を抜いてしまったり。

それは、特に大勢に向けてのレッスンの際には支障をきたします。

(大いに反省しているのに一向に改善していない・・・)

歌うということは、体を使うことです。
しかし、見えるものばかりではありません。というか、殆どが見えません。

ですので、間違ったイメージを持ってもらわない為にも、画像をお見せしたり、イメージの共有をしたりしながら、進めるようにしています。
そのイメージがしっくりきた時だけ、声は変わります。

「自分がこう思っている」ことが「相手がそう思っている」とは限らない。寧ろ、違うことの方が多い・・・という前提で言葉で伝える時は丁寧に選び、イメージを共有します。

これは日常会話でも同じですね。
特に家族との会話は気を付けないといけませんし、私は傲慢になってしまいます・・・・

「いや、わかるやろ!これ位!」

と、つい言ってしまいますし、思ってしまいます。

反省しております(笑)

言葉は「その人の人生の中で生まれたもの」であること。
そして「時代と共に変化するもの」であること。

を忘れずに、これからも伝える時は慎重に!行おうと思います。

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