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走れ!沖縄ならではの過酷バイト

10年以上経った今でも友人が「あれはきつかった」と語る過酷バイト。
それは………

海にいる熱帯魚を手ですくって、生きたまま水槽に運ぶバイト。

沖縄っぽい。
熱帯魚をネット販売しているお店だったそうです。

沖縄にはイノーと呼ばれる岩場があります。
月世界のようにゴツゴツして歩きづらい上、海藻がちまちま表面に生えていて滑りやすいのですが、潮が引くとあちこちに小さな潮溜まりができ、魚が泳いでいたり、カニを見つけることができます。

イノー遊びは泳ぎが苦手な方や小さなお子さんが、安心して魚観察をできるもってこいの場所です。

友人のバイト先は正に、イノーでした。
お仕事は、潮溜まりにいる熱帯魚をそーっと手ですくい、捕まえたらダッシュで車に置かれた水槽に運んで入れる。
ひたすらこの繰り返し。

網を使うと魚の身体を傷つけてしまうからダメ、バケツに移している暇があれば弱らせる前に走れ!というのが社長命令だったそうです。もろ、体育会系ですね。

友人は熱帯魚を両手ですくい、ゴツゴツとした岩場を転ばぬよう、すくった水を溢さぬよう、ひた走ったそうです。
何度も、何度も。

イノーは転んだら全身傷だらけになる事必至です。
それほどゴツゴツしているのです。
荒削りな剣山をご想像頂ければと思います。

イノーを両手固定で(魚をすくっているので)走る、ハードです。気を張っていないと転ぶ!張っていても滑る、スリル満点です。

両手ですくって捕まえる技法がなんというか、原始的です。魚体を傷つけず、弱らせないための最善方法なのだとか。

友人は過酷過ぎて、すぐさまやめたそうです。

実はこの話、何度も聞いているのです。
友人にとって苦労したバイトランキングの上位に君臨し続けているんですね。
現在も、あれはキツかったと語られています。

友人が話すと毎回、やめて正解だったよとみんなで労っています。ここまでがこのお話のお決まりパターン。

岩場を走るなんて想像しただけでハラハラドキドキです。元気で柔軟な子どもだったらおもしろがってやってくれそうな気もしますが。

いろんなお仕事があるものですね。

さ い ご に ……
熱帯魚捕獲バイトは危険過ぎてオススメできませんが、イノー遊びはオススメです。
岩場で熱帯魚を見つける、沖縄ならではの楽しさがありますよ。
バケツを持って行くとじっくり観察できてかなり楽しめます。
厚底のマリンシューズを履いてお楽しみください。

岩場はこんな感じです。(手前)走ってみませんか?



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