見出し画像

そしてノノンもいなくなった!マカピーの日々 #1355

マカピーです。
レストランで働く唯一の女性スタッフのノノンが辞めました。

理由は彼女の国籍にありました。

ノノンはサバ州で生まれていますが、両親がフィリピン国籍なので滞在許可を更新しながら住んでいるのです。

一方レストランで働くスタッフは市の保健課に名前を登録し、更に腸チフスの注射を受けた証明書を店に提示する必要があるのでその準備を進めていました。

ところが、ノノンはいよいよ今日登録手続きに行こうとしていたその矢先に「辞めます」と言ってきたのです。

え、どういう事?

夕べまでパスポートコピーを預かるなど準備をしていた矢先のことなので、マカピーもビックリしました。

これって粘菌らしい!

ハナさんは「辞めるって言っている人を止められないわ」と案外さばさばしています。

マカピーはハナさんに「どうして、何があったの?」と尋ねると「今回の市役所への登録が彼女の不利になると思ったらしいわ」というではないですか。

じゃあその不利って何なの?

つまりはマレイシアが外国籍労働者を排除している事にあります。

違法滞在者を取り締まる入国管理局と警察による「オペレーション」が、各地で実施されています。

その結果大きな警察のトラックで連行される人たちをマカピーも幾度も見ています。

それは米国における隣国メキシコからの違法移民に似ています。

彼らは大っぴらに働けないので社会の底辺で働く事になります。

キッチンはいつも清潔に!

それが長らく常態化してしまうと、社会も彼らなくして上手く回らない事になってしまうのでした。

実は過去に幾度か国籍を取得する機会があったようなのですが、そのチャンスを活かせなかった人も沢山いるようです。

それはサバ州自体がかつてはスルー王国(現在のフィリピン領)の領土だったことから民族が入り混じって共存していたんですね。

だから以前は国籍を気にすることなく勝手に行き来していた名残と思われます。

ただ、段々世の中が世知辛くなりマレイシアの方が経済的に豊かになると周辺国からの越境が増えたという事になります。

ノノンはその「負い目」である滞在許可が今回の申請で何らかの形で不利になると思ったので「諦め」退職することになったようです。

短尾だ!

それから、もう一つ重要な事がありました。

それは、ノノン自身の健康状態なのです。

見た目はぽっちゃり健康体に見えたのですが、喀血しているらしいのです。

それって・・・結核?

咳き込んではいないけど・・・。

ハナさんは医者だけあって、開放性でない結核の罹患を疑いました。

そこでハナさんは手持ちの薬で幾度か抗生物質注射を試みたのですが、その痛みからノノンが拒否するようになりました。

そこでハナさんは病院で結核の検査を受けるべきだと強く勧めたのですが、ノノンはそれにも従いませんでした。

ハナさんは結核だと診断されても、抗結核薬投与が始まれば仕事をしながら治癒できるものと思っていましたが、彼女がアドバイスを聞かないので諦めていたのです。

今回のノノンの退職を素直に受け入れたのは「トイレでの吐血が多くなったら他の人への影響が心配」だったからだそうです。

安心しきってるね(笑)

レストラン経営という事、そして他の従業員がいる事からの判断なんです。

経営って難しい判断が求められますね。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。ノノン元気でね!





もしもサポートいただければとても嬉しいです。そのサポートは感謝のバトンタッチとして使わせていただきます!