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テロの記憶 in New York (3): ボランティア

テロの記憶 in New York (1): 始まり
https://note.com/maca39inches/n/n37d2051568e3
テロの記憶 in New York (2): ツインタワー崩壊
https://note.com/maca39inches/n/ne37820aa0cb5


ニューヨークのシンボルだったツインタワーが、こんな短時間で、跡形もなくなってしまった・・・ ビルの中はどうだったんだろう、たくさんの人たち、脱出できただろうか・・・

この時もすぐに粉塵が迫ってきました。 サウスタワーよりノースのほうが位置的に近いので、さっきよりも粉塵が真っすぐに向かってきて、反射的にまた全力で走りました。

先ほどと同じぐらい走ったあと、もうこれ以上何も考えられない、という気持ちになっていました。 ショックが続きすぎて、心が麻痺したようで、涙も出てきません。 そのまましばらく動くことができずにいました。 周りの人たちも、少しずついなくなって減ってはいましたが、ほとんどの人は同じように、呆然としてそこに残っていました。

私が動けずにいたその時、こんなに必死で粉塵から逃げてきたというのに、一緒にいたBさんが 「もっと近くに行って見よう」 と言うのです・・・ 正直言って、アホか、と思いました。 行きたければどうぞ、と返したような気がしますが、正確には覚えていません。 彼女は結局そのままそこにいました。

どれぐらい経った時だったか、突然、前の方から、”Run!” “Gas!” と声がしました。 ガスだって!?

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