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ワット・マハータート(前編)/ガジュマルに抱かれた奇跡の仏頭


〇ワット・マハータート (AYUTTHAYA)

世界文化遺産アユタヤ遺跡群の中で、今回はワット・マハータートを紹介させて頂きます。

 

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ワット・マハタートは、14世紀に建てられた寺院でアユタヤの中でも重要な寺院の一つでしたが、ビルマとの長きに渡る戦争に敗れた際に、ビルマ軍によりアユタヤの街が徹底的に破壊され略奪され廃墟とされた歴史を有する寺院で、戦争の恐ろしさ、悲惨さ、無意味さを世界に知らしめるための遺産でもあります。また、この寺院の中には、アユタヤを世界的に知らしめた、あの有名な、木の根に取り込まれた仏頭があることでも知られています。



★ ガジュマルの木に抱かれた仏頭

ワット・マハタートの中に入ると先ず初めに目にするのが人だかり、そこが皆さんご存知の木の根に抱かれた仏頭がある場所でした。常に大勢の観光客が集まりその仏頭と記念撮影をしております。

 

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仏頭の廻りは、ロープで立ち入り制限されていましたが、撮影される方のためのスペース、板が敷かれてました。撮影した時に仏頭よりも自分が低くなるように写すためで、ロープ内に侵入したり、間違った撮り方をしないように監視されていますので注意して下さい。

 

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木の根に優しく抱かれているような気がします。偶然とは言え、ビルマとの戦争で破壊された仏像がこのような姿で蘇ってくるのは偶然とは思えない神秘的な力を感じます。

ここで観られるガジュマルの木に抱かれた仏頭は、ビルマ軍がたまたま奇跡的に置き忘れていったもので、その時からこの仏頭の奇跡は既に始まっていたのかも知れません。

 

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それにしてもこの木、ガジュマルと言う木ですが、何とも不思議な木です。後ろにある遺跡、壁ごと丸呑みしてしまうような力強さを感じます。これも仏頭のパワーなのでしょうか。

 


★戦争により破壊された仏像の数々

アユタヤ王朝は、1351年から約400年続きましたが、最後はミャンマー軍の執拗な攻撃により1767年ついに陥落したそうです。その際にミャンマー軍は略奪の限りを尽くしてアユタヤの街を徹底的に破壊していったそうである。今現在は、その名残をこのようにして観ることができます。

 

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頭部がない仏像、崩れ落ちたレンガの壁や礼拝堂の土台、遺跡中央部にあったであろう巨大な黄金に輝く仏塔の跡等惨状の数々を今この時代に居ながら確認することが出来る遺跡だと思います。


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戦争の恐ろしさ、人間の愚かさを後世に残す、負の遺産を引き継ぐと言う意味でも世界文化遺産にふさわしいところだと思いました。


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皆さんはどのようにお感じになるのでしょうか。


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壊された仏像のパーツが一カ所に集められていましたが、胴体部分の物ばかりです。仏像の頭部は高値で取引されたようで、ビルマ軍により持っていかれたそうです。日本の戦国時代でも負かした相手の武具や金目のものを奪うことは行われていたので、時代や場所が違えど同じことをする、戦争の悲惨な行動、状況を後世に伝える意味のある負の遺産だと思いました。

 

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それにしても、ビルマとの戦争で奪われた仏頭や黄金の財宝、装飾品などはいまどこにあるのでしょうか。貴重な文化財なので返還若しくは公開していただきたいと思いました。



〇タイ国政府観光庁案内サイト(参考資料)

タイ国政府観光庁によるタイ観光案内サイトを以下に添付します。各地の観光案内からグルメやホテル等タイに関する様々な情報が発信されていますので、旅行の前に一度確認してみることをお勧めします。


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