夏の日常が、日本横断の一部。 【きっぷ1枚で日本横断:#4】
日本横断4日目前夜、八戸港フェリーターミナルから。
お久しぶりです。
1週間ほど前に日本横断を中断した後、諸々の用事を済ませてまいりました。いよいよ、日本横断を再開します。今は、中断した北海道の南千歳駅にむけて、北上している真っ最中。また新たな、日本横断の旅路が始まることにワクワクしています。
そういえば、何してたっけ
これまでを振り返ろう
さて、1週間ほど前の僕は日本横断を進めていたのですが、日が開いたおかげでこれからの針路がピンと来なくなってしまいました。振り返りましょう。下の図をご覧ください(路線図はJR北海道の公式HPより引用、以下同様)。
1日目、2日目、3日目とたどってきた経路をまとめてみました。こうしてみると、もう既になかなかの距離を旅してきていたことがわかります。
《参考》
これまでの日本横断の旅路はこちらから。
#2については寄り道(往復12時間)なので青春18きっぷをフルに活用していますが、それ以外の旅程についてはタイトルにもある通りきっぷ(乗車券)1枚で旅をしています。きっぷを消費した区間だけ抜き出してみると、こんな感じです。
抜き出してみると、確かに片道きっぷで来ていることが改めてよくわかります。ここからの旅路は、途中下車の形で中断している地点の南千歳駅まで戻り、根室駅から佐世保駅までの日本横断片道きっぷの使用を再開するための旅路ということになる訳です。
最安値での復帰を目指す
というわけで、さっそく飛行機に乗り込んで新千歳空港へ…と行きたいところですが、話はそう簡単ではありません。
何を隠そう今はお盆前、夏の北海道に向かう飛行機はどれも非常に高いのです。日本横断旅をしている学生では、とても手が出そうにありません。ですので今回は、1週間前に日本横断を中断して一時帰宅した時の逆をたどり、青春18きっぷとフェリーを使い倒し、旅情を思い出しながら最安値で北海道への上陸を目指そうと決めたのです。早朝、眠い目を擦りながら青春18きっぷにはんこを押していただき、ひたすらに北を目指します。
東北通り抜けは容易くなかった
まずは盛岡まで
さて、朝なのですがあまりにも眠かったのと、今回は同行してくださる方がいた関係で話が盛り上がってしまったので、気づいたら宇都宮駅に到着しておりました。
本日最初の行程は、東北本線を普通列車だけでひたすらに北上し、東京からおよそ12時間かけて(狂気)盛岡駅を目指します。良くも悪くも乗り継ぎのテンポが非常に良いので、福島駅でお昼休憩した以外はずーーーっと電車に揺られていた感じです。
しかし、今回は大学のプロジェクトでご一緒させていただいている先輩と同期が同行してくださっています。車窓を見ながら他愛のない話をしたり、時々寝こけてたりしていたら、12時間は思ったよりもあっという間でしたね。東北の夏、景色が美しいので車窓を見ながらずっと語り合っていられました。ダイジェストでお届けします。
福島駅では、以前訪れた時からずっとまた食べたいと思っていたつけ麺をいただきました。炎天下の中そこそこ駅から歩きましたが、わざわざ行った甲斐が十二分にあるおいしさでした。
1時間ほどの休憩を経て、再び列車に乗り込みます。
仙台駅ではそこそこ乗り換え時間があったので、いつも通りスタバへ立ち寄ることに。この旅は、全国のスタバ巡りを兼ねているのです。立ち寄れる隙間を見つけたら、抜かりなく立ち寄っていきます。宝探しのようで楽しい時間です。
ただ、乗り換え時間があると思ってゆっくりしていたら、乗り継ぎの普通列車が結構混んでいて座れませんでした。まぁ、スタバに立ち寄れたのでよしとしましょう。コーヒー片手に、先へ進みます。
18時過ぎ、列車は少し遅れて盛岡駅に到着しました。結果的に、東北本線の全区間、東京駅から盛岡駅までの535.3kmを普通列車のみを使い1日で制覇したことになります。日本横断の復帰ついでにしれっと、制覇してました。
何度目かのピンチ
盛岡駅からは高速路線バスの八盛号(はっせいごう)に乗って、八戸港のフェリーターミナルを目指します。
まず盛岡駅では、フェリーの船内で食べるための簡単な夕食を調達する予定でした。しかし、駅ナカのNewDaysを見てみると、よりにもよって惣菜パンやおにぎりのコーナーに全然商品が並んでいないのです。ほとんど売れてしまったのでしょうか、これではどうしようもありません。
駅構内のお弁当屋さんもラインナップが相当に乏しくなっており、高速バスの発車時刻が迫る中、どうしようと結構慌てました。結果的には駅地下で見つけたファミマに駆け込み、何とか一通りの食材は調達できましたので、セーフです。急いでバス乗り場に向かいます。
とここで、新たな山場が訪れます。これから乗ろうとしていた高速バスに団体のお客さんが並んでおり、長蛇の列になっているのです。バスは僕たちのだいぶ前で満員になってしまいました。このままではフェリーに間に合いません。あぁ、どうしましょう…
新幹線に乗れば何とか間に合うか…などと考えていたところ、運転手さんから増便を手配しますとのお知らせが。ただ、増便の到着を待っていてはフェリーに乗り遅れてしまいます。大丈夫かなと思っていると、フェリーターミナルへ行く人は優先乗車できることになりました。それ以外に行く人に増便バスへ回ってもらうことに。押し退けて乗るような形になり少し居た堪れなかったですが、フェリーに間に合わなくなってしまっては元も子もありませんので、ここは優しさに感謝しながら高速バスに乗車し、先へ進みます。
バスは途中休憩を挟み、2時間半ほどで八戸港フェリーターミナルに到着です。この旅では何度目かのピンチでしたが、色々な人の優しさのもとに乗り切ることが出来ていると改めて気付かされます。文字通りの「有り難み」とはまさにこのことかと思うばかりです。
フェリーに乗り込んだら、8時間ほどで再び北の大地へ上陸です。
ゆっっっくりと復帰
隙あらばスタバとセコマ
久しぶりに北海道へ戻ってきました。現在時刻は朝6時過ぎ、6:30に出る路線バスに乗って、苫小牧駅へ向かいます。しかし、今日は時間の決まっているメインイベントがあるため、先を急いでも暇なのです。下調べのときの記憶を頼りに路線バスの経路を調べたところ、途中の総合体育館前というバス停で降りると開店直前のスタバの近くに辿り着けることが判明しました。これを逃す手はありませんので、苫小牧駅へ向かう前にまずはスタバでコーヒーを飲むことにいたしましょう。
バスは10分弱で総合体育館前に到着しました。他の人が計画した普通の旅行でここに降り立つことは無いだろうな、と思うと良い旅が出来ていると感じます。さっそくスタバに向かいましょう。
こちらのお店、店員さんが朝イチに車で来ていたお客さんと仲良さそうに談笑していました。地域に溶け込んでいるような空気感があって、とても良かったです。
コーヒーを飲んで目を覚ましたら、再びバスに乗り込み苫小牧駅を目指します。
バスに乗って数分と経たないうちに苫小牧駅には到着できるのですが、駅到着を目前にして車内からセイコーマートが見えました。まだ朝ごはんを食べていませんでしたので、少し手前のバス停で急遽下車し、セイコーマートで食事を調達することにいたします。
ここまで来たら苫小牧駅は目前です。3度目の正直で、苫小牧駅へ歩いて向かいます。
新千歳空港マスターを目指して
実は本日から、新たに飛行機でやってくる3人が同行人として加わってくださることになっています。3人を迎えに行きがてら、日本横断の旅路に復活すべく、普通列車に乗り込んで新千歳空港駅へ向かいましょう。
20分ほど揺られ、南千歳駅についたら快速エアポートに乗り換えて、3分ほどで新千歳空港駅に到着です。
新千歳空港駅に着いた時点で、現在時刻は午前9時前。同行人は14時頃に着く予定でしたので、相当に暇していました。
早く来すぎたかな、と思っていましたが、ちょうど到着したころにたまたま北海道へ家族で来ていた同じ学科の同期が着陸したとのことで飛行機の到着ゲートへ(勝手に)迎えに行ったり、空港内にあるお店でジンギスカンやソフトクリームを食べたり、さらにはスタンプラリーを回ったりと、色々なことをやっていたら、何だかんだで5時間強の待ち時間はあっという間でした。新千歳空港、見どころに溢れた素晴らしい空港だと思います。まぁ、流石に終盤は飽きてきた感が否めませんでしたが。
同行人の到着を出迎えたら、本日のメインイベントに向け、いよいよ日本横断の旅路を再開します。まぁ、正確に言えば日本横断はお隣の南千歳駅から再開ということになりますが、細かいことは気にしないことにします。
日本横断に熱気を吹き込む
メインイベント前の一息
さて、本日のメインイベントですが、それは「エスコンフィールドで野球観戦をすること」です。およそ日本横断の旅路でやることではありませんが、それが良いのです。さっそく新千歳空港駅から快速エアポートに乗り込み、エスコンフィールドの最寄駅である北広島駅を目指しましょう。
とここで、おもむろに北広島駅の1つ手前の快速停車駅である恵庭駅で降り、7分後にやってくる普通列車に乗り換えます(何事?)。
普通列車に揺られることわずか2分、恵み野駅で途中下車します。
さて、なぜ北広島駅に行かず手前の恵み野駅で途中下車したかというと、試合開始までまだだいぶ時間があるので、暇つぶしのため恵み野駅から歩いて10分ほどのところにあるスタバに行くためです。同行人の皆さんを完全に巻き込んでしまっていますが、優しさに甘えて貪欲にスタバを巡っていきます。
いざ、球宴だ!
スタバでゆっくりしてもよかったのですが、そろそろエスコンが見たくなったので、恵み野駅に戻って、普通列車で北広島駅まで向かうことにします。おそらく球場は混んでるでしょうから、早めにいくに越したことはないのです。
恵み野駅から揺られること8分で、北広島駅に到着です。駅に着いた時点で、かなり人がたくさんいましたね。長旅ゆえ荷物も多いので、同行人とともにタクシーに乗ってエスコンフィールドへ向かいます。ちなみに、同行人の中にはファイターズファンの同期がいまして、彼は先輩1人を引き連れて徒歩でエスコンに向かっていました。すでにファン特有のアドレナリンを感じます。普段は彼、おとなしいんですがね。タクシーに乗ること10分弱、いよいよエスコンフィールドに到着です。
いやはや、規模感と綺麗さに圧倒されましたね。この日はたまたま雨がちで涼しかったこともあり、1試合通じてかなり過ごしやすい環境でした。これで駅から近ければ、完璧に近い球場かと思わせるほどです。
あまりの規模感に自分の居場所を見失いそうになりますが、ありがたいことに同行してくださっているホークスファンの先輩がちゃんとチケットを取ってくださっていますので、その座席へ向かうことにいたしましょう。
外野席でしたが、ホークスファンの先輩曰く外野席にしては低めの位置だとのことで、かなりお値打ちに良いところから観戦できる予感です。
試合開始まで時間があるようでしたので、球場で夜ご飯をいただきます。球場のごはんはお祭り的な雰囲気もあり何でも美味しそうに見えましたが、「豪快に食えそうなものを食いたい!」と言う後輩に着いていく形で、手羽先をいただくことにしました。
手羽先を食べ終わったら、ポテトとソフトドリンクを手に、プレーボールを待ちます。今日は、ファイターズ対ライオンズの連戦1戦目。ちなみに僕はバファローズのにわかファンで、一緒にいるプロジェクトの同期はファイターズファン、今朝空港で出迎え(?)た学部の同期はライオンズファンということで、なんとも言えない気持ちですが、元バファローズの伏見捕手をこっそり応援しつつ、純粋に試合を楽しもうと思います。
試合内容はプロ野球のサイトでも見れば分かる話ですのでここでは敢えて書きませんが、初回から激しい試合で、なかなか見応えのある試合でした。普段はおとなしいのに聞いたことないくらい声を張って応援しているファイターズファンの同期、お酒が入って普段からよく喋るのにマシンガントークが止まらなくなっているホークスファンの先輩、お酒が進んで茹ダコの如く真っ赤になって声を張っている後輩…お祭りの雰囲気は、人をどこか明るくしてくれるような気がします。僕も明るい気分になって、とても楽しい時間でした。列車旅ということで、みんな互いに気を遣うことなくお酒が飲めるのも功を奏したようでした。
ちなみに試合は6-3でライオンズの勝利。ファイターズファンの同期が横で相当にどんよりしている一方、学科の同期からはSNSのDMで「ライオンズ勝った!!! 楽しかった!!」とテンション高めの連絡が。…僕にこの状況をどうしろというのでしょうか。何はともあれ、もう夜も遅いですから、北広島駅まで歩いて戻り、列車で本日の最終目的地へ向かいましょう。
祭りのその後
北広島駅までは、エスコンフィールドから歩いて20分ほど。いや、なかなか遠かったですね。北広島駅からは、始発の臨時快速に乗り込み、札幌駅を目指します。
快速列車も20分ほど走って、終着の札幌駅に到着です。本日の日本横断の行程は、一旦ここまで。
札幌駅周辺で時間を潰したら、本日の宿であるネットカフェに向かいます。途中、ライトアップされているテレビ塔が綺麗に見えました。
というわけで、本日はここまで。かなり長い旅行記になってしまいました。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
この日たどってきた光景を振り返れば、前半のとんでもない北海道上陸記はともかくとして、空港からスタバに寄りつつエスコンフィールドで野球観戦をしただけ。こう書くとなんて事ない夏休みの1コマですが、それが僕にとっては壮大な日本横断の一部になっていて、一見なんて事ない娯楽の日常が合わさって壮大な挑戦を作り上げているという事実にワクワクします。何より、夏の熱気を浴びる瞬間を、日本横断中に同行してくれた人たちと共有できたのが嬉しかったです。
余韻はつきませんが、明日に備えて休むことにします。ネットカフェ泊も、我ながらかなり慣れてきました。
テンションMAXの同行人の一部は夜ラーメンを食べにいったようですが、僕は流石に寝ます。それでは、おやすみなさい。
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