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社会的影響

人は普段から社会の中で他者と関わりながら生活しています。では、他者からはどのような影響を受けているのでしょうか。

1. 他者の存在と遂行

作業の能率は、他者がいるかどうかによって変化することがよくあります。
他者の存在によって遂行能力が高まる現象を社会的促進といいます。誰かと一緒に同じ課題を遂行していても、誰かに見られていても、この現象は起きます。
一方で、他者の存在によって個々人の作業能力が低下することもあり、これは社会的手抜きといいます。他の誰かがやってくれるから自分は少しくらい手を抜いても構わないだろうと考えるものです。

似たようなものに傍観者効果があります。DarleyとLataneによって提唱されました。周りに多くの人がいると、一人の時にはとるはずの行動が抑制されます。実際、アメリカのキティ・ジュノビーズ事件では、路上で女性が刺されて悲鳴をあげても、近隣住民は気付いていたのに誰も警察に通報したり助けに行ったりしませんでした。


2. 同調と服従

人の行動は、周囲と同調したり、周囲に服従したりするものです。

同調の実験で有名なのはAschによるものではないでしょうか。1本の線分が見本として見せられるので、それと同じ長さの線分を選択肢から選ばせます。先に回答するサクラが延々と誤答し続けると、被検者の多くがサクラの回答に合わせてしまうのです。
英語ですが動画を見てください。


また、人は権力が自分より上の人には安易に服従します。Milgramは次のような実験をしました。
まず、研究者から、壁の向こう側にいる人(サクラです)に暗記学習課題を出すように指示されます。そして誤答した場合は電気ショックを与えるようにと言われます。電気ショックの電圧は誤答を繰り返す度に高くなっていき、壁の向こう側にいる人が苦しそうな悲鳴を上げます。(サクラの演技であり、実際に電気ショックはなされていません) 大抵の実験参加者は、その苦しがる声であったり機械につけられた「この電圧は危険域です」のラベルを見たりして、研究者に「これは本当にやってもいいのですか?」というようなことを尋ねますが、研究者は断固として電気ショックを遂行するよう命じます。結果、過半数の実験参加者が研究者に服従して「危険域」の電気ショックを与えました。
こちらも英語ですが動画があります。見た方がわかりやすいと思います。


あまりにも基本的なことをだらだらと書きすぎたかもしれません…でも基礎だからこそおさえておきたいものです。

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