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ヒューリスティックス

人間は、認知資源を節約するために思考をショートカットして、複雑な課題をより扱いやすい単純なものへと変換する傾向にあります。これをヒューリスティックスといい、いくつか種類があります。Tversky & Kahnemanが提唱した4つを挙げます。

代表性ヒューリスティックスは、AさんがBという集団に所属する確率は、AさんがB集団を代表している程度に基づいて判断するものです。
例えば、Aさんの風貌や振る舞いが自分の芸術家ステレオタイプにぴったりだと、Aさんのことを芸術家に違いないと判断します。時に正しい判断ですが、Aさんは本当は医師かもしれません。間違った結論に導かれてしまうこともあります。

利用可能性ヒューリスティックスは、ある事象の頻度や生起確率は、該当する事例の利用しやすさに基づいて判断されるものです。
例えば、離婚率を推定する時に、離婚した事例をどのくらい思いつくかを利用します。知人友人に離婚した経験を持つ人がたくさんいれば、世の中の離婚率が高いと判断します。

シミュレーションヒューリスティックスは、ある事象に関するシナリオを心の中でシミュレーションできる程度に応じて、判断や印象が決定されるものです。
例えば、宝くじの当選番号が完全に違う時よりも1つ違いで外れた時の方が、当選していた可能性が高かった気がするので、より悔しくなります。

調整と係留ヒューリスティックスは、ある事象の推定に、なんらかの初期値を設定してそれを係留点として新たな事例について調整を行なうものです。
例えばある人の貯蓄額を判断するのに、自分の預金残高を基準にして推定します。

短い記事ですが、他の記事に追記するような内容ではなかったので、取り敢えずメモとして残します。

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