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東京大学教育学研究科臨床心理学コース合格ルート

臨床心理士、公認心理師を目指しているみなさんこんにちは!
今日は、東大でこの資格を取るために入る臨床心理学コースの院試に合格するためのコツを書きます。この学科は倍率が10倍との噂なので難関です。

1. 英語

1日目の午前中に行なわれるのが英語の試験です。冒頭に倍率が10倍だと書きましたが、この英語の点数によって倍率が5倍ほどまでに下げられます。(2日目の専門科目を採点してもらえなくなるので要は不合格です。)

僕の主観ですが、東大学部入試の0.4倍くらいのものでしかありません。英文を2,3個出されるのでそれを全文日本語訳にするだけです。
辞書は持ち込めないので、英単語がどれだけ頭に入っているかと、英文構造がちゃんと理解できているかどうかが問われます。でも本当にそれだけです。日本語を英文にしろという問題も無いし、簡単。
心理学の単語もあまり多くは出てきません。その辺にある簡単めな新聞記事を読むのとほぼ同質です。

でも、これをクリアしないと絶対に不合格なんですよね…僕の英語力は英検準1級をやや下げたくらい(準1は持っているけれどその頃より学力は落ちていました)なので、受験生のみなさんは英検2級レベルまで持っていけばいいと思います。



2. 専門科目

専門科目の試験は2日目に行なわれます。問われるのは臨床心理学に関する知識諸々と統計の学力です。

臨床心理学の方は、歴史、研究法、主要な理論に関する問題が出ます。理論はものすごく広範囲から出ます。(過去問を解いていたらめちゃくちゃいろいろなトピックからランダムに出題されていたので本当に広範囲です。なお、過去問は販売・頒布されていません。)
これを攻略するのに欠かせないのが『よくわかる臨床心理学』という本です。この参考書を丸暗記すればギリギリなんとかなります。もちろん、学部で心理学を専攻していなかった人はこの本だけではとうてい足りないので、注意が必要です。


統計はとても苦労しました。学部でも勉強してきたのですが、結構な学力を要求されます。計算だけでなく、理論もしっかり頭に入れておかなくてはなりません。
まずは『心理統計学の基礎』を何周もして完璧に頭に叩き込んでください。叩き込むには読むだけでは足りないので、準拠問題集である『心理統計学ワークブック』を並行して解きましょう。


僕は統計が本当に苦手で、これら2冊の本に加えて『統計学がわかる』シリーズを読んでいました。『心理統計学の基礎』よりも初学者向けで言葉もわかりやすく、とても丁寧にゆっくりと進んでいくので助かりました。割とおススメです。でも統計が得意な人や、元々数理をやっていた人には不要。



3. 面接

3日目の朝、1~2日目の筆記試験の合否が貼り紙で発表されます。合格者はそのまま面接試験に挑みます。本当に一旦帰宅する間も無いので、スーツで合否を見に行ってください。
面接試験での最終倍率は約2倍です。

問われることは主に2つ。

1つ目は、心理士の素質について。なぜ臨床心理学コースを志望したのか、この学科は心理士の資格を得ることを主目的として開設されているが、あなたは心理士となった時に何ができるのか、どのような姿勢で人と関わるのかなどを問われます。事前に準備しておき、そつ無く答えましょう。

2つ目は、研究内容です。出願時に研究計画書を出すのですが、そこに書いた研究について、なぜその研究をしようと思ったか、その研究に何の意義があるのか、自分がそのテーマを扱うことにふさわしいのか/耐えられるのかなど問われます。「耐えられるのか」というのは、まあ例えばなんらかの精神疾患を対象に研究していきたいと言った人たちに、そのような症状を持った人と密接な関わりをすることになるがあなたの健康は損なわれませんか?という問いです。
僕はその意味で「耐えられるのか」と聞かれたのですが、自分にはそれなりのレジリエンスがあるし、東大には学生相談所、保健センター精神科、コミュニケーション・サポート・ルーム、なんでも相談コーナーといった支援の場があるし、友人や親を頼ることもできると答えたら「ふ~ん」という感じで終わりました。

面接試験の時点で倍率は2倍だと書きましたが、どうして半分の人が落ちるのか、僕にはその基準がわかりませんでした。志望理由はみんな当然考えてきているだろうから、おそらく心理士になった時の姿勢と、大学院での研究内容について上手く答えられるかどうかを見ているんだと思います。
僕は内部生だったので教授陣の性格がわかっていて、こういうことを言うと正解と捉えられるんだろうなということも含めて話をしましたが、さすがにnoteにその情報は書けません。内部機密。

ちなみに、一緒に勉強していて筆記がとても上手かった人は、声が小さすぎて落ちました…



僕が言えるのはこんな感じです。受験生のみなさんが上手くいくことをお祈りしておきます!

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