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正月はホテル暮らしというか監禁2/4  〜コロナカクリの実態:入所と退所〜

監禁暮らしの生活環境

バスはホテルの前に着いたものの、まだ易々と中には入れてもらえません。「2名ずつです」と言われ、おとなしく順番を待ちます。数分待って自分の順番が来てホテルの中に入っていくと、中もまたものものしい感じで結構な人数の係の方がいらっしゃいます。

普通のチェックインよろしく係の方の間に座り、奥さんも一緒だったので二人部屋とか一人部屋とか選べるのかとも思ったのですが、一言も聞かれることもありません。にこやかにカードキーと体温計が渡され「お部屋はこちらになります。滞在のしおりはこちらです。お弁当あるので持って行ってください」と、説明らしい説明もなく高速チェックイン完了。なぜかバスに降りてからお部屋まで他の係の方が荷物は運んでくれます。

ここまで、到着してから4時間。

やっとトイレにいけます。

「いやにさっぱりとした説明だったな」と思いながらベッドの上でダラダラしていると突然に電話がなりました。するとコールセンターさんからの電話で、そこであらためて滞在期間中の過ごし方、やらなくてはいけない「おつとめ」についての説明がなされます。隔離者である我々とは徹底的に接触を少なくするということなのでしょう。

部屋については当たり前ですが普通のあのホテルです。普通と違う点としては空気清浄機が使用禁止になっていること(これは今時分、普通のところでもそうかも)、あとタオル類が追加捨てのものになっていることくらいです。あと、もちろん部屋の外に出ることはゆるされていません。

ひとりで広々

ベッドが広くて非常に快適ではあるものの、その分、室内スペースをとっていて動く場所を作ることも難しいのは残念です。いや、ベッドが広いのは素晴らしいです。結局、3泊4日のほとんどをベッドの上で過ごしていたように思います。

食事に関しては「ひどい」といった噂を聞いていたのですが、どれもおいしく「ただ飯」であることを差し引いても不満はなくとてもありがたかったです。どうしても冷たいご飯になってしまうことはいたしかたなく、いよいよ温かいモノが食べたいときには持ち込んだカップラーメンやカップスープで補っていました。(お弁当はうしろのほうでまとめてあげます)

さらにデリバリーや差し入れの引き取りも可能と言うことで、その気になれば豪華な食事をとることもできます。ただし、係の方を介してのデリバリーとなるため、温かいモノ、あるいは冷蔵、冷凍のものはNGなのと、アルコールや危険物が入ってかを係の方がチェックと言うことなので、一時的に没収されるということかと思います。

また、時間は昼食830頃、昼食1200頃、夕食1800頃となっており、それまでに外側のドアノブにお弁当とお茶(朝は水も)をかけておいてくれます。都合10回ご用意いただいたのですが1度として遅れるようなことはありませんでした。(そのお弁当をとるために一瞬ドアをあけるときすら「マスクをしてください」と言われるのはさすがにやりすぎかと思いましたが、どうなんでしょう。)

あとネットに関してはこれも通常のあのホテルと変わらず、見てはいないですがテレビのオンデマンド動画とかも見られるようです。幸い、今回はバラエティ番組が一番充実している時期だったので、ひたすらバラエティ番組を見て時間をつぶすことができました。

監禁暮らしのおつとめ

そしてこの暮らしのメインイベントとも言うべき、監禁の「おつとめ」です。

健康の報告はおそらくホテル滞在期間のみと思われる「新型コロナウィルス健康観察チャットサービス」というものと、おそらくあと11日間もやることになる「MySOS」というアプリによる報告があります。

前者については毎朝1回体温と体調について報告することになっており、初日に報告を忘れたらしっかりコールセンターから報告するよう連絡をいただきました。

後者については体調の報告(1日1回)と、GPSによる現在地の確認(1日1回)、そして本人がそこにいることを確認するAI(たまに人間らしい)とのビデオ通話(1日2回)をします。ビデオ通話は時間がランダムなのですが、1度や2度とれないくらいでは問題は無いようです。

めんどくさいっちゃめんどくさいのですが、それぞれかかる時間は5〜30秒くらいなので1日のなかで要する時間は90秒くらいじゃないでしょうか。

退所

隔離ホテルでの滞在は快適ではありますが、やることはPC類と戯れることしかなく、きままに寝て、食べて、あとはひたすら動画を見て、たまにストレッチやスクワットをやる感じ。「真性寝正月」でした。

4日目の退所日ですが、朝一番7時頃に検体採取用の試験管が渡され、30分後にお渡し。もともと「14時〜18時は退所者対応のため、デリバリー品の配達は遅れます」とのアナウンスがあったため、おそらく「14時〜18時が退所の予定時刻なのだろう」と予測はしましたが、具体的な時間のアナウンスはナシ。結局のところ、予想はズバリで14時前に「結果は陰性でしたのでそろそろ出る準備をしてください」との連絡、14時半くらいに退所と相成りました。

入所のときもそうだったのですが、荷物を運んだりするのは係の方々がやってくれます。今回、スーツケース+段ボール一つだったのですが、段ボールは係の方がバスから部屋までの間、運んでくれるのです。このサービスはうれしくはあるのですが「そこまでやってくれなくてもいいのに」とも思いました。まぁ、荷物の移動で帰国者たちが密になったり、ロビーと部屋の間を往復することを減らすということなのでしょうか。

入所のときの無防備なバスと違って退所のバスは結構な防護がされたバス。首都高に乗ることもなく45分ほどで羽田空港に到着です。

羽田空港で解散なのですが、エレベータが1機しか動いておらずに外とはいえ「密」。人数もホテルでは一人ずつだったのにここでは「乗れるだけ乗る」でした。(個人的に密でも「黙ってれば大丈夫」と思ってます)

家までの移動


そして空港から家までの移動は「専用のバスか、専用のハイヤー、レンタカー、マイカーのみ。交通機関厳禁(国内線、国際線間のシャトルバスもNG)。」とのこと。ただレンタカーは空港から営業所までレンタカー屋のバスになるわけで「それっていいのかよ?」って思いましたが、特におとがめもなく。空港の窓口の方とのやりとり、レンタカー屋さんのバスのおじさんとのやりとり、レンタカー屋さんの窓口の方とのやりとり、返却先の窓口の方とのやりとり。ということからしたら、近場まで行くバスに無言で乗り、無言で降り、歩いて家に帰る方がよっぽど危険がないなと思いましたが、それは私が特別な環境ということなのでしょう。(羽田直行バスの停留所が家から5分くらいのところにある)

そんなこんなで11泊+3泊の旅行は終わり、あと11日の自宅隔離に移行するのでした。

思うこと

  • 紙と人海戦術。

    アンケートはWebからの入力だったり、健康確認がアプリだったりするのは進化している感を感じました。ただ、いまだ紙での手続が混在していて、「誓約含め、ぜんぶWebから入力させてその画面で一気に確認すれば一発で済むのに。(で、デジタルが使えない人だけ紙)」とは思いました。デジタル庁に期待です。

    また、正月の朝から感染の危険を冒してご対応をいただいたすべての方には感謝しかありません。紙のチェックから、空港内のアテンド、荷物の上げ下ろしなどなど。空港からホテルを通じて若い外国の方が多かったのですが、日本語+各国語対応が必須だとおもいますので、日本人よりも海外の方の方が条件を満たしやすいということなのかと思いました。あるいは就学ビザでも働けるとか?(外国の方の搾取ではないと思いたい)

  • すべてがミステリーツアーである。

    たぶん「目処の時間、場所」を言っちゃうとその通りに動けなかったときに文句を言われるということだと思うのですが、次に起こることの情報が「ホテルに行く」「4日目に解放される」ということのみなのは辛かったです。「なんか不安みたいな」気持ち面はともかくとして、「ホテルまでどれくらい時間がかかるか分からなかったので、便意が高まったらどうしようという恐怖)」「『羽田からの帰りはハイヤーかレンタカーかマイカー』とあるが、時間が分からないので予約も取れない」

  • 気づいちゃったことは細かく、気づかないことは放置。という印象。

    「公共交通機関はだめだけど、レンタカーまでのバスはOK」とか、「空港からホテルまでは「密を絶対阻止」といった体制(ゆえに時間も手間もかかる)なのに、空港で解散した瞬間のエレベーターから密」とか、もう少しバランスはとれないものかなぁ。とは思いました。

とはいえ、関連のすべての方には感謝したいと思います。

「膨大なキャンセル代は払いたくない」ということで行ってしまった今回の旅行でしたが、これだけの方のお世話になるとは。そして、国費をつかわせてしまうとは。

ということでつらつら書きましたが、どこかのだれかの海外からの帰国される方のご参考になれば幸いです。


しがない(ほぼ)無職の中年ですが、サポートしていただけたら喜びます。