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子連れ移住先を、たった1回の現地訪問で決めた理由

前回、「子連れ移住」を考えたきっかけについて投稿しました。

どこに潜んでいるかわからない「怒る人」に怯える都会の生活。そのせいで「○○しちゃダメ」を連呼していた私たち夫婦。

でも心の底では「子どもたちの自由な発想や行動を見守りたい」、そんな親としての思いがある。自分たちがいつか「あの時子どもにはかわいそうなことをした」と振り返りたくないと思ったのです。

変わるなら今しかない。今回は、実際に私たちがどのように移住先を選んだのかについてお話しします。

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移住先選びの王道

移住先選びって「時間かけてじっくり、何度も現地に行く」が王道です。人生の大きな進路変更ですもんね。「こんなはずじゃなかった」がなるべくないよう、現地にも何度も足を運び、慎重に決断する・・・

でも私たちの今回の岡山移住。現地には1回しか行っていません(というか、妻の私は行ってませんw )

私たちは思ったんです。「住んでみなくちゃわからない」「失敗したらまた自分たちに合う場所を探せばいい」って。何千、何万もある地域からいきなり正解を選び出すなんて至難の技。どんな決断も「正解」を探そうとするとしんどくなる。これまでの人生の岐路で学んだことです。

だから私たちは、フラッと移住してみました、ってテンションを大切にしようと思っていましたし、今もそう。子どもは転校によって友達と離れるわけなのでもちろん真剣に考えますが、親が人生を楽しんでる姿、人生の手綱を引く姿を見せたいとも思っています。

華々しく送り出されたにも関わらず、数年後には東京に戻ってきてるかもしれない。でもそれをどうこう言うような友達は私にはいないし、友達でもない他人にどう思われても全然気にならない。人生はいつも自分のものですよね。

とはいえどうやって候補地を絞り込んだのか

「地方移住 おすすめ」で検索しない、これ大事です。情報の沼から上がって来れなくなるから。

まず最初は自分や夫婦の内側に目を向けることにしました。

育った環境や、これまで旅行した中で好きだなあと思える場所を思い返してみる。特定のエリアが浮かばなければ、好きだと思える場所の共通点でもいい。

私たち夫婦は関西出身だったので西日本の気候あたたかい地域、海の中でも特にのんびりした瀬戸内海が好きでした。

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夫婦で大枠の共通点は見出せたら、次はお互い譲れないポイントを話し合います。

大事なのは、地方といっても地方都市もあれば山間の集落もあるので、暮らしのイメージをすり合わせること。東京とほとんど変わらない生活から、自給自足的な暮らしまで、候補地が全然違ってきます。

話し合いの結果、私たちの場合はいわゆる「とかいなか」を探しているんだなと気付きました。かつ「東京までのアクセスが良いこと」「子どもの進路(特に高校)の選択肢が限定的でないこと」も妻である私の譲れないポイント。そこから岡山・広島のいくつかの地域に絞られました。

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絞ったはずなのに・・・情報は膨大。

この時点で候補に残る自治体は10~20ぐらいでしょうか。突如「九州もええな〜」「札幌も楽しそう〜」とか軸ブレブレの邪念が生まれますので注意が必要です。

情報に溺れて、自分のしがみつく藁がどれかもわからず力尽きる・・・となる前に、3つぐらいの自治体に目星をつけて現地に行きます。

現地に行くといいのは、感覚が研ぎ澄まされていくこと。「自分をどんな場所に置くと心地よいのか」がなんとなくわかってくる。

「海が好きだと思っていたけど、山が見えると安心する」とか、「この景色、ずっと見ていられるな」とか、そういう心の動きに気づく。移住先探しの旅は、なんだかよくわからないけど好き、を見つけられたら大成功です。

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そのために色んな地域を自分の足で見て回る。私たちも実は上の子が生まれたすぐから四国を中心に度々見て回っていました。でもその時決められなかったのは絶対的な正解を求めていたから。失敗しちゃいけない。失敗したらこれまで築き上げた人生が崩れていく。そんな風に気負っていました。

でも今ならわかります。地方移住は、頭で考えると決められない。心の機微を拾って、軽いテンションで。大事なのは実験してみる気持ち。きっとどこにも桃源郷はないから、自分が選んだ場所で楽しんでいこうという姿勢だけは持っていたい。

その場所を選んだ自分を信じて、選択を正解にする努力をしつつも、固執はしない。どうしてもうまくいかなければまた考えればいい。そんな風に考えています。

今夜は、移住2日前。もうすぐ、しばらくさようなら、18年間住んだ東京。

注)文中写真は数年前のものです。

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