子連れ移住を決めた。子どもに「〇〇しちゃダメ」ってもう言いたくない。
「今月末、岡山へ引っ越します」そう報告するとたいていの人が驚いてくれる。続くのは質問の嵐だ。仕事はどうするの?どうやってエリア決めたの?大抵の人が「いいなあ」と言いながら応援してくれる。
今日から少しずつ、その質問たちにnoteで答えていきたいと思う。初回の今日は「移住を考えるようになったきっかけ」です。
赤ちゃんのハイハイに対するクレーム。
ある日ポストにお知らせが入っていた。「騒音にお気をつけください」という内容。全戸向けの内容だったがピンと来た。「うちだ・・・」
下の子が産まれてハイハイを始めた時期。膝で床をコツコツする音だろうと、常駐する管理人さんに聞いたところ、案の定、下の住人から「子どもの足音がうるさい」というクレームが来ているとのこと。
私たちが住み出した後に入居してきたくせに・・・と思いながらも謝りに行こうと思った。が、管理人さんが止めた。
「どんな人かもわからないし、今の時代ほら怖いからさ。こちらが下手に出るとエスカレートすることもあるから」
思えばこの言葉に、嫌な意味での東京らしさがある。
傷つけてくる人がすぐそばに潜んでいるかもしれない。常に気をつけておきましょう。
そういうことを示唆していた気がする。
都内で育児をすること。それは「どこに潜んでいるかわからないクレーマーに怯え、結果全員に気を使い、迷惑を少しでもかけないようになるべく片隅でこっそりと暮らすこと、だと思った。
交通機関の中で、生後数ヶ月の我が子が泣いて「静かにさせろ!」と怒鳴られたこともある。手を繋ぐのを嫌がる我が子がヨチヨチ歩いていたら「邪魔なんだよ!」と言われたこともある。
温かい声をかけてくれた人もいた。だけど「怒る人」の言葉はいつだって私たち親を滅多刺しにしてきた。
リラックスできて、自由に走り回れる場所
子どもが成長し今や3歳目前。下の階からのクレームは定期的にある。管理人さんからその度にラインが来る。先方のメッセージをコピペして送ってくれるのだ。
連絡が来なくても、少しでも足音を立てたら「コラ!どしどししちゃダメ!」と子どもに言うのが癖になった。言うことを聞かない子どもにイライラして、頭を引っ叩いたこともある。
これおかしいな。子どもは悪くないよな、って思い続けてきた。
育児したことのない人はこう思っているだろう。「親が躾ければ子どもはいうことを聞く。いうことを聞かないのは甘いから」
けれど育児した人はわかってくれると思う。落ち着きがなくて、年がら年中ハイテンションで喜怒哀楽の激しい子ども。コントロールなんてできない。
むしろ親が必死になって止めようとするほど面白がって足踏みするのだ。直接ピンポンされた時には、「すみませんすみません」と頭を下げたがうちもやるべきことはやっている。何十万もする静音マットを敷き詰め、21時には寝かしつける。なぜ私たちばかりが加害者扱いなのかと悶々として寝れない夜もあった。
ついに警察まで呼ばれた。家にいながらリラックスできない日々が続く。自分自身が攻撃的になっていくのも嫌だった。
どうすれば家族4人が幸せに暮らせるんだろう
私たちにとって唯一の解決方法は、部屋を出ることだ。しかし次に行くマンションでも同じことが起こったら?そう思うと一軒家が候補になる。
都内で一軒家・・・高い。無理だ。じゃあ郊外?・・・地方に行けばもっと家賃は安いし、子どもにものびのびさせてあげられるかも。
それで地方移住、と言うか私たちにとっては「引越し」を意識するようになった。「とはいえ、よく縁もゆかりもない田舎への引越しを決断できたよね」という言葉が聞こえてきそう。
私たち夫婦は「子育てしながら人生を楽しむこと」を実現させたいと思ったんですね。親である自分たちを、肩身の狭い思いをする生活から解放しようと。イライラを子どもにぶつけるのはやめよう、子育てを理由にやりたいことを諦めるのはやめよう、と。
子どもに「〇〇しちゃダメ!」ということに疲れたことをきっかけに、どうすれば夫婦と子どもの4人が幸せに暮らせるんだろう、そのために場所を変えることは必要不可欠かもしれない、と思うようになりました。
次回の投稿では、その思いをもう少し詳しく、そして引越し先をどう探したのか決め手はなんだったのかを書こうと思います。
ではでは。
(注: 文中写真は数年前のものです)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?