創業者佐藤と田中が語るノートブックの魅力とは?
最近ペンを手に取りノートを開いて「字を書く時間」を過ごしたのはいつですか?人生を豊かに過ごす上で自分を見つめる時間は大切ですが、そもそも見つめる時間をどのように過ごしたらいいかわからない人も多いのではないでしょうか。
「ノートブックで自分を育てることができる」と語ってくれたのは、今回お話を伺ったノートブックブランドuseless創業者の2人。20代という若さで起業した佐藤と田中は、デジタル社会の現代だからこそアナログなツールが必要と考えuselessを生み出す。
ノートブック販売開始からわずか3ヶ月後には2022年2月にPOPUP初開催。そして4大都市でのPOPUPを開催スタート。創業者2人の出会いとこれからについて。そしてuselessの届けたい想いについて語っていただきました。
ー useless | ユースレス ー
ープロフィールー
人生に余白をデザインしたい。創業者2人の出会い
(ディレクター佐藤竜也(以下佐藤、敬称略))
uselessのディレクターを担当している佐藤竜也と申します。
uselessは令和の時代に創業したノートブックブランドです。最初の商品として2021年11月にノートブックの販売をスタートしました。
(デザイナー田中健介(以下田中、敬称略))
uselessブランドデザイナーの田中健介と申します。ロゴデザインや写真撮影などを担当しています。
(佐藤)
uselessは自分を知るためだったり、誰かと考えや想いを共有したりするための「空間の提供」を重視したブランドです。最初のプロダクトであるノートブックは自分のための空間づくりにおいて重要な役割を担えると考えています。
(佐藤)
自分のことを見つめるための空間や思考を膨らませる空間として使えると考えています。1つの物を丁寧に使うことや自分の声に耳を向ける時間はデジタルデバイスが普及した現代ではなかなかできてないと感じていて。
何でも簡単に手に入り、情報がいつでも入ってくる時代だからこそ、空間になるツールが必要との考えからノートブックブランドを立ち上げました。
(田中)
アルバイトが同じだったのが1番最初の出会いですね。先輩後輩でお互いにリスペクトがある関係。この適度な距離感が安心感に繋がって一緒にブランドを立ち上げられたのかなと思います。
(佐藤)
僕が就活生のタイミングでビジネスや世の中の動きに敏感になっていた時期にアウトプットできる場所が欲しいと思って、ケンさんに少し話したことがあったんですがすごい楽しそうに聞いてくれて(笑)
そのときから、ビジネスの話をよくする仲になっていきました。
(田中)
当時の僕は、高校時代のいろんな体験から人生を諦めない大切さやもっと野心を持ちながら生きてもいいと考えるようになっていました。
高校時代には初心者でテニスを始めて多くの大会で優勝したり、商業科の検定試験で1級を3つ以上合格したりと野心を持ってチャレンジした3年間でした。
リュウさんの話はそんな僕の想いに油を注いでくれた感じです!リュウさんが社会人になってからも、2人で話したことをスケールアップさせていきたいと思いながら大学時代を過ごしていました。
(佐藤)
2人とも、みんながやらないことを普段からヒントにしているからだと思います。みんなが選ばない選択やキャリアというのは「みんなが挑戦できなかった」「失敗するだけだからやらなかった」の2種類に分けられると思っていて。
ただ、挑戦できなかったとか面倒くさかっただけなら、その挑戦から得られるものは多くあるはずです。気づきや学びが得られるかどうかを軸に考えていますね。
(佐藤)
そうですね。あとは社会人になってからも2人で何かしたいと思った出来事がありました。ケンさんが新卒1年目のときに僕から連絡して、当時住んでいた大阪に遊びに来てもらったことがあったんです。
夜に僕が時々行ってた近くの河川敷に行って現状に対して「何かモヤモヤするよね」と話をする中で、「2人なら一緒に何かできるんじゃないか」と感じた瞬間がありました。学生時代と社会人になってから河川敷で話したあの時間があったから、今があると思っています。
ノートブックに注目したのは原体験から
(佐藤)
2人でブランドを作ろうと具体的に話を膨らませ始めたのは2020年の11月。実はさらに1年前の2019年から「2人でなにかしたいよね」と語っている時期がありました。
当時僕は新卒2年目。ある人との出会いがいい影響を与えてくれました。その人に「何かしたいと悩んでる」と話をしたら「新卒2年目だったら何でもできるじゃん」とポジティブワードをもらったんです。その言葉が自分の腑におちて実際に自分で事業を1個考えてみようと行動に移すことができました。
ケンさんに考えた事業について話をしたら「それ面白そうですね」って言ってくれて。そこから事業のアイディアを2人で話すようになりました。はじめは今とは全く別の事業なんですがその話をしたときが1番最初です。
そこから2、3個アイディアを出して、2人が納得できたのが「ノートブック」でした。
(田中)
当時はいつか起業したいと考えている時期でした。背景としては父親が個人事業をしていたので、自分もやりたいなって思うようになって。学生時代のときに知り合いから起業してみないかとありがたいことに声をかけてもらう機会もあったんですが一度大企業へ入社。
入社後も起業したい気持ちは変わらなかったけれど、1人で起業する勇気も正直なかったんです。起業するならと考えたときに思い浮かんだのはリュウさんだった。そんなタイミングで連絡をもらったので、一緒にやりましょうとすぐ言いました。
(佐藤)
ノートブックに注目したきっかけは僕らが日常生活で課題に感じることは何かを話していたときです。話の中で出た課題のひとつが「自分に合った手帳やノートブックの使い方がわからないこと」でした。自分たちが感じる課題について語る中でケンさんからはブランドを作ってみたいとの話もあり、現代社会の課題を解決ができるブランドを作ろうとスタートさせました。
uselessは手帳やノートブックに対する悩みという原体験とやってみたいことがマッチして誕生した。想いが重なって「ノートブックのブランドを作ってみるのはどうか」という話からuselessを立ち上げたという経緯があります。
(佐藤)
最初はそれぞれ本業の仕事をしていたので、合間を見つけてブランドの下準備をする日々。具体的には毎日朝7時からと、夜の10時から1〜2時間ほど時間をかけてzoomで打ち合わせをしていました。
打ち合わせを始めて1ヶ月くらいの期間はGoogleドキュメントに自分たちが作りたいブランドのイメージを書き出し続けていました。先日当時のドキュメントを見たときには、2万字ぐらいにまで膨らんでいて。はじめの1ヶ月間はどんな言葉ならブランドイメージが湧くかを考え書き出して、2人でブランドイメージをすり合わせする期間っていうのはちゃんと作ってましたね。
すり合わせの期間があったから、創業当初から明確なブランドイメージを持つことができたのかもしれません。当時書き出したブランドイメージから現在のuselessミッションビジョンバリューも誕生しました。
(田中)
僕が音声配信アプリ「stand.fm」でもともと発信をしていました。自分は「何かいいかも、気になる」と思ったらとりあえずやってみるタイプ。
音声配信の活用とまではいきませんが、当時していた営業の仕事をもとに「営業の仕事で大切な3つのこと」といった営業トークについて主に発信していましたね。
(佐藤)
ケンさんと話す中で、「stand.fm」がこれから来るんじゃないかと感じ、僕も発信を始めました。最初は各々の活動について話していましたが、2人で統一感のある発信方法を考えた結果、それぞれが「ノートブックについて発信」「ブランドを作る1人の人間として発信する」と方向転換していきました。
まずはブランドを立ち上げる僕たち2人のことを知ってもらうのは大事だとの考えから音声配信での発信をした感じですね。
uselessの発信から書くきっかけを作りたい
(田中)
表裏を作らないことが僕のSNSのルールとしてあります。
僕自身自己表現欲とか自由欲が高い人間なので、表裏を作ってしまうと続かない。等身大の発信という点は最近の発信でも特に意識しているところです。
(佐藤)
YouTubeは2人の私生活でカメラを回してまさに等身大の僕たちを発信しています。ブランドを立ち上げた2人がどんな人なのかが届けられればと考えています。
日常生活を送る中で「これYouTubeに使える!」と思ったら撮影していて。YouTubeで公開している動画は撮影している中のほんの一部で、実際は3割程度しか使ってないんです。(笑)
(田中)
僕個人としても今年は何か1つのプロを作りたいという目標があります。uselessの動画制作も力を注いでいきたいコンテンツです!
(佐藤)
最近は、「書く力」や「自分のことを見つめる力」を身につけるきっかけになれるような発信を心がけています。そもそもノートブックを使うにあたって、最初に必要なものは書く力だなと思っていて。
書く力は必要だけど誰かに教えてもらう機会はなかなかないもの。これから手帳を持ちたい人だったり手帳で悩んだりしている人にこそ「書く力」を知るのは重要だと思っています。uselessの投稿がきっかけになれれば嬉しいです!
(佐藤)
そうですね!僕は『メモの魔力』の著者である前田裕二さんの話を聞いたときに「この書き方を真似してみよう」と思って行動できました。真似しようと思えたのは「この書き方なら自分でもできるかも」と感じられたのが大きな要因だと思います。
ただ真似するだけでなく、自分の知識として落とし込むことができるかどうかが書く力を身につける上で重要ではないかと考えています。投稿の内容も前向きになれる言葉だったり、外見の褒め方だったり……。uselessの投稿を見た人がちょっとメモしてみようと思えるかどうかは意識していますね。
販売から3ヶ月後にPOPUP初開催。4大都市でも開催決定!
(田中)
1番は開催できたことに嬉しさを感じています。僕自身直接人と話すのが好きなので、ブランドを立ち上げた当初からポップアップをやりたいと思っていました。直接お客さんの声を聞く中で多かったのは「人のノートブックの中身を見るのが実は好き」という声でした。
今回uselessノートブックの利用者の方のノートブックをお借りして展示していました。POPUPに立ち寄ったお客さまが実際に使っているノートの中身にも関心を持ってくださり、リアルなお客さまの声を知れたのが1番の喜びです。あとはやっぱり悔しさも感じましたね。
(田中)
たくさんあります。単純にもっと多くの人に知ってもらいたいっていうのもありますし、そもそもノートブックの魅力をわかってもらった上で購入していただけただろうかと感じるところもまだまだあって。
ノートブックは「シンプルな思考」をするときに、本来の魅力を最大限に発揮できるというところまで感じて購入していただくというのが理想の届け方です。ノートブックの使い道は自由度が高い分、購入者に委ねる部分が大きいので、ノートブックの必要性を感じて購入いただけるとよりいいのではないかと思っています。
購入していただく嬉しさを感じる一方で、理想のノートブックの届け方には遠いかなっていうのはすごく感じていますね。
(佐藤)
人に会う中で気付かされることが非常に多いPOPUPでした。今回のPOPUPではノートブックを何冊売るという目標よりも、実験に近い感じで捉えていました。
来てくれたお客さまにとって、どんな要素が欲しくなるきっかけになるのかとか、ノートブックを見たときにどこが一番気になるのかとか、そういった点をある程度仮説を立てて知りたいと考えていました。
例えば、今回ノートブック利用者の方からお借りしたのも、「実際のノートブックがあればきっと見たくなる」とか「人が書いてるノートブックの中身って参考になって始めようと思うきっかけになる」とかですね。試し書きも最初は何も書かず無地のままで出して、後でちょっと僕が付け足したり、ノートブックを並べる配置も開催期間内で何度も検討してみたりしていました。
(佐藤)
蔦屋書店さんとはとても相性がいいと僕が思っていたことがきっかけです。
POPUPの開催にあたって重視したのは、買いたいなと思う人たちが集まる場所を選ぶことでした。蔦屋書店さんに足を運ぶ客層とuselessが合う共通点を4大都市開催のPOPUPで見つけたいと思っています!
(佐藤)
uselessのノートブックを届けたい人とは、自分のことを考えようとしてる人や自分と向き合う力を持ってる人です。「これから」を自分で作っていくという意識を持った人がuselessノートブックに関心を寄せてくれると考えています。そういった人がどんな場所にいるのかを探れるようなPOPUPにしていきたいと思います。
あとはどういう言葉でぐっとくるのか、写真ならどんな色だも目にとまるのかとか。来てくださる皆さんの反応にも意識を向けていきたいなと考えています。
(田中)
一人ひとり目の前のお客さまを幸せにしていきたいです。4大都市のPOPUPでも、僕らなりの仮説を立てて検証し、ニーズや課題を明確にすることを意識していきたいと考えています。
店頭でお客さまに納得して購入していただけるよう丁寧に接客する基本的な部分も大切にしていきます。
uselessが考えるノートブックだからできることとは
(佐藤)
uselessではノートブックを「人生を変えるチケット」と表現しています。チケットだけ持っていても何も変わらないんだけど、自分がチケットを活用して行動することで人生を豊かにすることへ繋がっていくはずです。
ノートブックがあるだけでは人生は変えられないけど、uselessノートブックを使う中で、自分を育てることができれば人生は変えていくことができるのではないかと考えています!
(田中)
僕は「本当に大切なものが見えるもの」と考えています。本当に大事なことは手紙で書きたいとか、ノートブックに書きたいとか。uselessノートブックは本当にシンプルでロゴ裏表紙に入れています。
思考の邪魔になる要素は全て排除して、世の中って案外シンプルなんだよという部分をuselessのノートブックで表現していけたらと思っています。
「人生の大切なことはこのノートブックに全部詰まってる」みたいな。それぐらいシンプルな解像度で世の中を捉えてもらえればすごくハッピーな人も増えるんじゃないかと思います。
これからノートブックとして独自のポジションを築いていきたいです!
(田中)
まずはここ3年ぐらいで「国内のノートブックブランドといえば」「ジャーナリングといえば」といったときuselessを第1想起に上げてもらえるところまでいきたいです。
あとは海外展開も創業当初からずっとしたいと考えていて。5年以内には実現していきたいと考えています。
こうやって数年後と言葉にすると「スピード感が早すぎて時間的に間に合うのか」と思う自分もいる。
でも、ある臨界点を超えた先に理想の実現は急にやってくるのかなと考えているんです。これからも挑戦し続けたいですね!
最後は自分のエゴが出るんですけど、半年ぐらいメルボルンで働きたいなっていうのもあります。(笑)
(佐藤)
ブランドを展開していく中で「自分のための空間の提供」という軸をぶらさずに走っていきたいです。
それこそuseless最初のプロダクトであるノートブックは2次元の物である一方で、捉え方次第では四次元空間にも見える。過去を振り返ることも、今の自分を見つめることも、そして未来を考えることもできると思っています。
ブランド立ち上げたときにミッションビジョンバリューっていうのを考えて、25年後にはこういうことをやりたいと目標を掲げて大まかな計画を立てました。
25年先までのビジョンを考えたから迷いなくチャレンジしたり、ノートブック事業に注力したりできている。
まずは最初のプロダクトであるノートブックを通じて「空間を持つことの大切さ」を広げていきたいと思ってます。
story more…
2人の起業家の話を聞く中で心踊る時間を過ごすことができたのは、こちらが簡単に想像できてしまうほどの明確なビジョンと揺るがない信念があったからかもしれません。
uselessが展開していくプロダクトは「空間づくり」のためのツール。2人が最初に生み出したのはシンプルな思考を追求した1冊のノートブックだった。自分の思考をアウトプットする「空間」はノートブックを開けばすぐ目の前に広がっていくのだと教えてくれました。
自分と向き合う時間づくり、自分のためだけの空間を日常に取り入れてみるのはいかがでしょうか。きっとペンを手に取りノートブックに思考を書き出すことで、あなた自身のこれからのビジョンも2人のように具体的に、そして洗練されたものになっていくはずです。
これから先を思い描くときの相棒に1冊のノートを。
uselessノートブックの詳細はこちらから
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