見出し画像

歯並びが悪かった私が矯正を始めるまで

歯の矯正を始めて、1年半になる。
それまでの葛藤の歴史。



歯並びが気になり始めたのは、小学校高学年のときの歯科検診で矯正を考える必要があると言われてからだったと思う。
口と顎が小さくて、歯が並びきっていなかった。
犬歯が八重歯になっていて、前歯は内側に傾いていた。
叢生という歯並びだった。

周りからは歯並びについて揶揄されたことは記憶には無くて、八重歯が特徴だねと言われたことがあったくらい。
それでもコンプレックスに思っていた。

中学校に上がると、周りで矯正を始める人が数人居た。

「矯正したい?」と母に聞かれた。
私は歯医者がとても苦手だった。
通いたくない、痛いのが怖い、矯正装置を付けて目立つのが嫌だという理由で母の提案を断った。
母から相談された父は「こまちの歯並びは全然悪くない。そのままで可愛い」と言った。

当時の私にとっては、歯並びが悪いことより、痛みや見た目を我慢することの方が嫌だった。
一番は、とにかく目立つことが苦手だったので、「矯正をしている子」というある意味目立つステータスを持つことが嫌だったのだ。

私は後になってこの選択を何度も後悔した。


いつの間にか口を隠して笑うようになっていたと思う。
小学校と中学校の全開笑顔(カメラマンさんが笑わせてからシャッターを切る)の卒業アルバムは、歯並びが目立つから見たくないものだった。

口を開けて笑う自分の写真が嫌いだった。
そのうち、口を開けずに笑顔をつくることを覚えた。



はじめましての人の歯並びが気になるので、相手も同じように私の歯を見て「歯並び悪いな」と思っているのではと考えてしまい、「はじめまして」が少し怖かった。


20代前半の頃、2年付き合った彼氏がいた。
お世辞にも良い恋愛だったは言えなくて、たくさん傷ついた。
その人に「歯並び、うわぁ」と言われてそれ以降益々コンプレックスになった。
他人に歯並びの悪さを指摘されたのは初めてだったから。


その人と別れて、生まれ変わりたいような気持ちだった。

働いて少し貯金も増えていたので、自分のお金で矯正したいと考え歯医者に行ってカウンセリングを受けて両親に話した。

歯医者を紹介してくれたのは母で、母はずっと矯正してあげられなかったことが気になっていたと応援してくれた。
でも父には反対されてしまった。

当時の私はとにかくこの歯並びが嫌で整えたいという審美目的が全てで、ろくに知識もなかったから父を説得できなかった。
それに父の言うことには逆らえなくて諦めた。


その後も何度も歯並びが良ければいいのにという思いに駆られたけど、諦めと同時にだんだん受け入れることができていた。

一番の要因は、夫と付き合い始めて、私の全てを肯定してくれる存在が出来たからだと思う。

それでも一番のコンプレックスだったから、そう思うことと過去に矯正のチャンスがあったけど、2度諦めたことを夫に話した。

「したかったらいつでも矯正を始めたら良いと思うよ。今の歯並びじゃなくなるのは少し寂しいけどね。」
と夫は言ってくれた。

その言葉を聞いて、もうこのままでいいやと思った。
コンプレックスを受け入れた瞬間だったのかもしれない。

次回へつづく。


こまち

応援を励みに努めてまいります。