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「場」を創る旅路:co-ba、カウカモ、そしてemochanへ

はじめに

こんにちは(はじめまして)、中村真広です。
今回このnoteを通じて、私がなぜ現在の活動を行っているのか、自己紹介とともにその背景を書いてみたいと思います。私の経歴やこれまでの経験は、一見すると異なる方向に進んでいるかもしれません。しかし、すべてが一つの共通のテーマ、すなわち「場を作ること」に結びついています。

私が信じて止まないのは、「人生を肯定する場の力」です。私自身が直接、「場」を作ることもありますが、それだけではありません。世の中の多くの人々が自分の周りで、周囲の人々の人生を肯定する「場」を作ることを応援したいのです。そして、その想いが更に広がっていくことを願っています。今回の記事を通じて、私の経歴、ビジョン、そして現在の活動がどのように連動しているのかをご理解いただければ幸いです。

ツクルバ創業と初期のビジョン

学生時代、私は建築を専攻しており、当初の夢は建築家になることでした。しかし、徐々に、建築物が生まれる背景、その社会的な枠組みが設計されるプロセスに魅了されていきました。そこから、不動産デベロッパーへ就職し、さらにはミュージアムデザインの業界を経験したことで、建築とその背後にある事業的な枠組み、そしてそこでの人々の振る舞いの間にある関係性に関心を持つようになりました。そして、共同創業者である村上とともに、2011年に「株式会社ツクルバ」を創業しました。

当時、私たちは「場」というキーワードを社名に入れました。当時はまだ「場」の持つ力を完全に言語化することはできませんでしたが、私たちは空間と人々の想いと振る舞いが絡み合い、新たな「場」を創出することに大きな可能性を感じていました。その「場」こそが、私たちが創りたかったものでした。

ツクルバを創業して最初に作った「co-ba shibuya」(当時の写真)

最初の事業として取り組んだのは、当時まだ日本では馴染みの少なかったコワーキングスペース「co-ba」の設立でした。このco-baでは、新しい挑戦をしたい人々が集まり、互いに切磋琢磨できるような環境を提供することを目指していました。起業家や新しい挑戦をする人々は、周りから見れば異彩を放つ存在かもしれません。しかし、co-baが提供したのは、同じ挑戦者が集まり、互いに刺激し合える環境でした。私たちは、そうした環境がチャレンジをしたいと思う人々を支え、彼らが社会を変えるイノベーションを生み出す「場」になりえると信じていました。

空間プロデュース会社からスタートアップへ

co-baをつくった頃はコワーキングスペースがまだ新鮮なコンセプトであった時期であり、そこからツクルバは、コワーキングのように創発を志向するオフィスデザインや空間プロデュースといった、時代に求められる働く場の提供で、一躍その分野の注目ルーキーとなりました。注目の企業やデベロッパーからの案件を受け、メルカリや日本交通などのオフィスデザインを担当し、また都心のビル全体をリノベーションしてシェアオフィスに生まれ変わるプロジェクトも手がけるなど、さまざまなクライアントワークを通じて、ツクルバは着実に成長していきました。

しかし、我々は同時にco-baに集まるスタートアップチームからも多くを学びました。彼らが自社サービスを成長させ、社会に価値を提供していく様子を目の当たりにすると、私たちも自社から価値を生み出すための事業を模索するようになりました。

中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」

そこで生まれたのが、中古住宅の流通プラットフォーム「カウカモ」です。当時、我々が手がけていたリノベーションと住宅流通の社会背景の変化、すなわち新築の供給から既存ストックの活用へと重心が移行していく動きを掛け合わせ、リノベーション住宅に特化した流通プラットフォームとしてカウカモを立ち上げました。カウカモを開発し成長させるプロセスを通じて、ツクルバは外部資金を調達し、よりスタートアップ的な企業へと変化していきました。

スムーズではない成長ストーリー、そして上場

カウカモの成長は、中古リノベーションマンションという選択肢が主流となる新しい時代の波に乗り、事業と組織は急速に拡大しました。私たちのチームはエンジニア、デザイナー、不動産エージェントなど、かつてツクルバには存在しなかった多種多様な職種のメンバーと共に成長し、組織としての形を整えていきました。しかし、初めての創業である私にとっては、組織や事業が拡大していく中で何を大切にすべきかを学ぶ過程でもありました。

私たちが直面したのは、組織の成長に伴うさまざまな「壁」でした。30人、50人、100人という人数の増加に伴う節目は、その度に新たな課題と向き合う必要がありました。また、事業としても、さまざまな要素を型化し、再現可能性を高めるというプロセスも見よう見まねで進めていきました。組織も事業も、成長ストーリーは決してスムーズなものではありませんでした。

しかし、そんな困難を乗り越え、ツクルバは2019年に東証マザーズ(現グロース)に上場。この上場は、私たちの新たな一歩とも言える出来事でした。

組織内対話ツール「emochan」という新たな挑戦

事業や組織の成長を経験する中で、私は組織運営におけるミドルマネジメントの重要性を強く感じるようになりました。トップが属人的に組織全体を引っ張っていくことができる規模感には限界があり、結局は組織的にいかになめらかに動いていくかが成長の 鍵になると思います。 メンバーの視点からしても、代表が語るミッションやビジョンももちろん大事ですが、日々一緒に仕事に向き合うチームのメンバーやそのマネージャーとの関係性の方が日々の仕事のコンディションには深く影響します。大きな組織であっても分解していけば個々の関係性の集合体であり、その構成単位である「チーム」がいかに良い場になっているか?は経営目線でも、メンバー目線でもとても重要だと認識しました。

組織内の対話を促進する1on1支援ツール「emochan」

2011年の創業から10年を経て、 私はツクルバの代表を降り、 次のチャレンジへと向かっていくことにしました。その後ツクルバとは別会社の株式会社KOUの代表として取り組んできているのが、チームづくりを組織内の対話で支援するツール「emochan」の開発です。

世の中のチームを「人生を肯定する場」にしたい

「建築」から「不動産ベンチャー」へ、そして「組織内のチームづくり」へと私が取り組む対象が変わる過程は、一見飛躍があるように見えるかもしれません。しかし、全ての活動は、一貫して「人生を肯定する場を作りたい」という私の願いに基づいています。

私がツクルバでやってきた、様々なチャレンジを応援するco-ba、そして個々人にとって自分らしい住まいとの出会いを提供するカウカモ、これら全ては人生を肯定する場の提供に繋がるものでした。そして、職場という場の最小単位はチームであるというのが私の考えであり、そのチームの作り方次第では「人生を肯定する場」になり得ると信じて、組織内のチームづくりを支援するツール「emochan」の開発にいま取り組んでいます。

emochanはまだまだ始まったばかりのサービスです。 この初期フェーズで使ってくれているユーザの皆さんの声をプロダクトにふんだんに取り入れたり、 昨今のAIの民主化の波の中でAIネイティブなサービスへの進化を仕込んでいたりもします。

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