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『週刊少年ジャンプ』連載作品にみる組織の在り方:DAOとは?


「web3」

マコなり社長のYou Tubeで「大人が2022年に絶対に勉強しておくべきコト TOP3」堂々の1位にランクインしました。

ちなみに3位はお金、2位は文章力です。

web3については、動画の10分~です。
動画の結論としては以下のとおり。

期待されすぎているけれど、未来のための教養として学んだほうがいい


さて、このweb3とあわせて注目されているのがDAOという概念です。

将来的にはDAOで生計を立てていきたいこと、
また、何と言ってもジャンプ作品に登場する組織はDAOを含む組織論と切っても切り離せない関係にあります。

というわけで、「少年ジャンプ連載作品にみる組織 × 組織形態」というテーマでまとめます。

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DAO(自律分散型組織)とは


DAOとは、「自律分散型組織」を意味します。

「Decentralized Autonomous Organization(ディセントラライズド・オートノマス・オーガニゼーション)」の略称。

正直、字面だけ見てもわかりづらいです。
そこで、以下の図が参考になると思います。

参考)ブロックチェーン革命


DAOにおいては、いわゆる代表、トップは存在しません。
一方で、「こんなスキルがあるよ!」「自分はこれができる!やりたい!」といったDAOの理念や活動に共感した人が労働することになります。


「DAOを採用するとなにがいいのか、ダメなのか」、個人の見解もふまえ考えてみます。

DAOのメリット

もちろん他にもありますが、主に以下がメリットだと思います。

  1. トップダウンの指示が存在せず、自らタスクをこなすため、モチベーションが高い人が集まりやすい

  2. ルールや情報が常に公開されており、透明性が高いため不正が起こりづらいだけでなく、組織の状況がつかみやすい

  3. 「スマートコントラクト」の存在、また、運営者が不要なモデルのため継続性が高い


DAOのデメリット

もちろんデメリットもあると思います。

  1. ”鶴の一声”がないため、意思決定に時間がかかりがち

  2. 管理者不在、また法整備が追いついていないため責任の所在が曖昧になりやすい

  3. 1つにまとまることの難しさ


とくに3つ目について、著者は、いくつかのDAO的なコミュニティに参加していますが、例えば、以下のような出来事をしばしば目にしました。

  • DAOの運営側や発起人への人格否定ともとれる多くの批判コメント

  • 致命的なタイミングで担当者が音信不通になる

  • そのプロジェクトとは無関係なアピールや他メンバーへの迷惑行為

※とくに、海外のコミュニティで多い印象を受けています。

管理者がいないからこそ起こる、あるいはより解決が難しくなる問題がありそうです。


DAOの説明だけをするよりも他の組織形態と比べたほうが断然わかりやすくなると思います。

そこで、ビジョンの有無と組織形態を軸とした『週刊少年ジャンプ連載作品にみる組織』の四象限をつくってみました。

組織形態については、完全にその類型にあてはまるわけではないので、”的”としています。

マッピングや登場組織は独断と偏見ですが、ジャンプ愛はホンモノです。

#すべての組織がわかった方とは気が合うかもしれません。
#宜しくお願い致します

今回は、以下の組織形態をそれぞれピックアップし、特徴をみていきます。

  • ヒエラルキー組織

  • ティール組織

  • DAO的な組織


ヒエラルキー組織的なフリーザ軍

まずは、DAOの対極にあるヒエラルキー組織。

経営者(管理者)と労働者がいるピラミッド構造になっているのが特徴です。

言葉で説明するよりも惑星の地上げを生業とする巨大組織「フリーザ軍」を思い浮かべてもらうのがはやいと思います。

こんなプラミッド構造ですね。
一般的な会社と同じです。

代表取締役社長(トップ):フリーザ様
役員:ザーボンさん、ドドリアさん
一般社員:アプール


そういえば、DAOにはその概念すら存在しない「理想の上司」像になっているフリーザさま。
※DAOでは、上司ではなく、”相談役”というイメージに近いそうです。

  • 定量的な説明

  • 部下を呼び捨てにしない

  • 的確な指示

  • 有能とわかれば即スカウト

  • しっかり褒めてしっかり叱る

対極的な存在ですが、DAO内のコミュニケーションにも参考になる部分があるかもしれません。

余談ですが、鳥山明先生が描かなくともドラゴンボールは今なお人気コンテンツです。
もはや主要キャラのポジションを確率したフリーザさまは、永遠の命を手に入れたと言っても過言ではないでしょう。
#第三形態が好き

ティール組織的な幻影旅団

ティール組織」の著者、フレデリック・ラルー氏が提唱したのがティール組織です。

ティール組織的な考え方では、組織を1匹の生命体のように考えます。
『HUNTER×HUNTER』に登場する「幻影旅団」が近しいと思います。

©冨樫義博


オレが頭でお前達は手足、手足は頭の指令に対して忠実に動くのが大原則だ
……がそれは機能としての話で生死での話ではない
例えば頭が死んでも誰かが跡を継げばいい
場合によっては頭より足の方が大事な時もあるだろう
見極めを誤るな
オレの命令は最優先
だが オレを最優先に生かすことはない

#抱かれたい
#死ぬまでに最終巻を読みたい

このクロロ=ルシルフルのセリフに「幻影旅団の組織としての在り方」が集約されていると思います。


以下ように運営を円滑にするための明確なルールがあるなどDAO的な要素も含んでいるのは興味深いです。

  • 団員どうしのマジギレ御法度

  • モメたらコイン(の裏表)で(決める)


ティール組織は、「ホラクラシー組織」と混同されることがあります。

しかし、明確なビジネスモデルがなく、変化に対応することに重点を置いている分、ティール組織のほうがより抽象度が高いと言えます。

ホラクラシー組織は、ティール組織の1つの形態と言えます。

DAO的なグレイス=フィールドハウスの食用児

「週刊少年ジャンプの作品に登場する組織の中でもっともDAOに近いのは?」

こう聞かれたとき、著者なら「『約束のネバーランド(約ネバ)』に登場するグレイス=フィールドハウスの食用児」と答えます。

『約ネバ』は、孤児院「グレイス=フィールドハウス」で暮らす少年少女が人を喰らう鬼の餌(食用児)として育てられていることを知り、人間が平和に暮らせる世界を目指すというストーリー。

食用児たちは、以下のようにDAO的な要素を多くもつ集団です。

  • それぞれの子どもが自分の特技や特性を生かして進んで役割を担う

  • 提案や話し合いの場が多い

  • 比較的情報もはやく、広く共有されており、透明性が高い

  • ビジョンに共感した部外者が入りやすい状態

  • 発起人(エマ)不在でも集団(組織)は存続

これ以上書くとネタバレになってしまうので、未読の方はぜひ。

#表紙の絵に考察要素が盛り込まれている点も見逃せない

まとめ:DAO(自律分散型組織)を実現しようとするプロセスにも価値があるのかもしれない

DAO的な組織運営には、少なからず先に挙げたデメリットなどもあり、現時点では事例も極めて少なく、うまく回していくのは大変かもしれません。

実際、イーサリアムプロジェクトの創業メンバーであるジョセフ・ルービン氏が設立したConsenSys社でもDAO的な組織運営を取り入れているものの、人のマネジメントが一切介入しない、スマートコントラクトが制御する組織になるにはまだ時間がかかるようです。

とはいえ、DAO(的な)組織には旧来型の組織にはない大きな可能性もありそうです。

自身の役割を自発的に見つけて、モチベーション高く活動できる場を創出する過程で多くのことが学べるでしょう。
その学び自体、そしてそれを生かすことにも価値があるように思います。

まずは、DAOに飛び込み、何かしらの貢献をしてみることが第一歩かもしれません。

とくに、海外のDAOは「あなたは何に貢献できるの?」、「どんなスキルがあるの?」というように”貢献力”をまず測られることが多い気がします。

そうしたスタンスやコミュニケーションのとり方もとても勉強になります。

本当は他作品に登場する組織にも言及したいのですが、長くなるのでまた今度にしようと思います。


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