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脱炭素のローカルブランド「SAGA COLLECTIVE」ができるまで

高い志をもつ生産者たちが、自然の声に耳を傾け、地域の力を未来へ伝承する。

SAGA COLLECTIVEは、佐賀県発・CO2ゼロのサステナブル・ブランドを展開しています。
この度、ウェブサイトをリニューアルし、ECサイトを新規オープンしました。
11社が集まり、サステナブル・ブランドを展開するに至った経緯をお話しします。

異業種11社が集まった理由

SAGA COLLECTIVEは、佐賀県の代表的な地場産業や伝統産業の異業種11メーカーからなる協同組合です。

  • 諸富家具:レグナテック株式会社

  • 鍋島緞通:吉島伸一鍋島緞通株式会社

  • 有田焼:有限会社李荘窯業所

  • 肥前名尾和紙:名尾手すき和紙株式会社

  • 日本酒:天山酒造株式会社

  • うれしの茶:株式会社小野原製茶問屋、株式会社徳永製茶

  • 佐賀海苔:三福海苔株式会社

  • 神埼そうめん:有限会社井上製麺

  • 柚子こしょう:川原食品株式会社

  • 醤油・味噌:丸秀醤油株式会社

家具や食品など分野を超え、「輸出拡大、外国人観光客の呼び込みにつなげたい」という同じ志をもつ企業が集まり、2017年に結成し、2021年に協同組合として法人化しました。

以来、佐賀の魅力と確かな品質を持った商品を、グループ一丸となって国内外に広く伝え、体験する機会を提供してきました。

国際ホテルレストランショー
米大手百貨店バイヤーの招へい

佐賀の文化と伝統を紡いでいくために自分たちができることは何か?

私たちは、経営者だけの集まりというわけではありません。
後継者たちも積極的に参加していたり、事務局を務めている私は東京からの脱サラ移住者だったり、境遇もバラバラです。

しかし同じ志を持つもの同士、「もっとお互いを知ろう」と、毎月の理事会では各社を訪問し合い、お互いの会社の中や頭の中を見せ合ってきました。

そこでは各産地や企業の歴史、こだわりなどを学び合い、「SAGA COLLECTIVEができることは何か?」を議論し続けてきました。

その中で掲げたのが、「地域の環境を守り、未来の産業を守る」というビジョンでした。

川原食品で柚子こしょうをつくってみたり
うれしの茶の産地で歴史を学んだり

自然と寄り添いながら紡いできた歴史

産業の垣根を超えた交流を続けるなかで見えたこと。

それは「それぞれが、これまで当たり前のようにエシカル(倫理的)な取り組みをしてきた」ということでした。

例えば、柚子こしょうを製造する川原食品では、半世紀もの時間をかけて自社農園で実生の柚子を自然栽培してきました。

諸富家具を手掛けるレグナテックでは、間伐材で家具を製造したり、製造時に発生する木材を粉砕して牛の寝床として地元の農場に提供したり、廃材でコースターなどの小物を作ったりと、天然資材を無駄なく使う取り組みをしてきました。

名尾手すき和紙では、先祖代々、原料となる梶の木を自家栽培し、さらに製造過程で発生する仕損品は再利用して漉きなおすため、廃棄物が出ません。

佐賀海苔もうれしの茶も原材料を余すことなく加工し、販売しています。

各社では、自然の恵みを大事に使い切る工夫を凝らしています。

手すき和紙の原料となる梶の木

先人たちの感性や伝統を守るには、そもそも地球が存続していなくてはならない。

うれしの茶・有田焼は400年以上、鍋島緞通・名尾和紙・神埼そうめんは300年以上と、私たちの企業や産業には100年以上の歴史があります。

それは、先人たちが時代の移り変わりにあわせて、また、自然とともに地域産業を営み、築いてきたものです。

佐賀が育んだ美しい自然。
佐賀が紡いだ匠たちの技。

これを守るため、私たちは環境保全や地域社会へ配慮する「エシカル」を合言葉に、「地球に優しい」「人に優しい」「社会に優しい」倫理的な活動を推進しています。

その一貫として、環境負荷低減の可視化に着手しました。 

商品はすべて"CO2ゼロ"

「脱炭素」の取り組みは世界共通のテーマで、日本でも2050年のカーボン・ニュートラル実現に向けた動きが活性化しています。

地場企業が単独で取り組むには難しい課題ですが、地場産業の代表的な企業が集まっているSAGA COLLECTIVEだからこそ、このテーマに率先して取り組むことに意味があると考えています。

各社のこれまでのエシカルな取り組みに加え、私たちはCO2 排出量を測定しました。
そして、削減しきれなかったCO2排出量は、佐賀県の森林を守るための支援で補う「カーボン・オフセット(CO2排出量の相殺)」を行いました。

現時点では自社の事業活動に限定していますが、今後は調達や輸送などサプライチェーン全体の測定と削減に取り組んでいく予定です。

佐賀県有林の視察の様子

このようにしてCO2ゼロの商品が生まれました。

いままでの商品と中身は大きく変わりませんが、込めた想いが増えました。
この想いを感じると、不思議とその味わいも変わってくると思います。

SAGA COLLECTIVEの商品を買うことが、地球と地域の未来を守ることにつながります。

地球のために。地域のために。

私たちは今後も、地元で排出したCO2を地元で吸収する地産地消型モデルの実現に向けて取り組みを進めていきます。

他にも、私たちの活動に賛同いただいた教育機関や学生たちと連携して共同研究や職場体験を実施するなど、地域の力を未来へ繋ぐための活動をしていきます。

活動の様子はウェブサイトのNEWSInstagramで発信していきますので、ぜひご覧ください。

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