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黒い花


一年前 背負っていた黒い花は
私の中に入って溶けた
一緒になって私がそれになった

誰でもよくってよ
どんな方でもよくってよ
あなたが脱いでしまう前に
その周波数を映し出すから
無防備に身についた 絡まった
糸が紡がれて布になって
隠しているなんてこと私にはないから

私はあなたが見える その胸の奥を見てる
あなただけを見てる
あなたは私を見てる
私が醸す 繊細な花の
でもただの一片よ
私も好きよ

舐めさせて
あんたの歪んだとこ
ゆがみに溶けて一緒になりましょう
あんたの胸を引いて連れ込んであげる
蓋が開けられないなら開けてあげる
わかってると思うけど
ここには何もないのよ

その赤い輪の繊細さから 私は入っていくから
絶頂があなたをたっぷり喰いつくして
すっかり通り抜けてしまうまで
そんなことも必ず忘れて


靴裏で触れる道路
私は私しか見えない
いつも私だけを見てる
あなたは居ない
再生画面に触れる
張り詰めた薄皮も弛んだ粘膜もない
はじめから存在しない

あなたがときどき起こしてくれないと
消えるかもしれないわよ

温かく濡れて下垂って
私の中で黒い花は
眠り起きつづける

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