「坂口恭平日記」日記(3)
個展「坂口恭平日記」を観る為に、熊本を訪れたときの記録です。
最初の記事を上げてから一月以上経過しまった……
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熊本三日目。
朝食は、ホテル日航熊本で買ったノアフィグ。
せっかくだから観光地っぽいところにも行ってみようと思い、熊本城に向かった。
震災で崩れた石垣や、亀裂が入った城壁が生々しく残っている。あちこちで観光客を案内していたボランティアのガイドの方々は、お城と共に生きている感じがした。
雨の中、踵の高い靴で歩き回るのは応えたが、天守閣の最上まで登って景色を見たときは達成感に満ちていた。
ゆっくりしたかったけど、帰りの時間もあるので次の目的地、橙書店へ。
個人でやっているお店に入るときは緊張する。他に一人お客さんがいたので少しほっとした。こんなところの常連さんになれたら素敵だろうなと思う。
坂口さんの「土になる」があったら買いたかったけど置いてなかったので、一通り見て回って店を出た。
次に向かったのは、「坂口恭平日記」の第二会場、Museum。
小さな部屋の壁に、小さな絵たちが並んでいてかわいい。簡素なようで、丁寧で温かみのある空間を、一歩ずつゆっくり進みながら鑑賞していった。
同ビル内の「FU」にも入ってみた。
実際に見るジュエリーは、写真より一層、しっとりとした重みがあって、こんなものが似合う人になれたらと思った。他のお客様と会話が弾んでいたので、フーさんとお話することはなかったけど、お店を出るときに「ありがとうございました」と言ってくれた声がとてもかわいらしかった。
昼食は、熊本ラーメン。
結構強い味。卵黄と一緒に食べるとマイルドになっておいしかった。
再び現代美術館へ向かう。
お城を背景に、道路を路面電車が走る光景がなんだか奇妙に思えて、シャッターボタンを押す。近くにいたおじさんが、何か変わったものがあったかとでもいうように、その方向に目をやった。
美術館内のフリースペースのようなところで坂口さんの本を読んだ。旅先で図書館のような過ごし方をするのはどうなんだろうと思ったが、熊本と坂口さんの雰囲気を感じに来たのだから良しということにする。
美術館を出て、長崎書店へ。
「土になる」が置いてないなと店内をうろついていたら、入り口近くに平置きされていた。本を買うだけならどこでも良いのだけど、この場所で買って、長崎書店のカバーをつけてもらったことで、特別な意味を持ったような気がした。
帰りの時間が近づいてきたので、名残惜しくも、バスに揺られて空港へ。
目当てにしていたお店が既に閉まっていて残念だった。お土産も空港に来る前にもっと買っておけばよかったかもしれない。中心街と同じ感覚ではダメだなと反省。
歩き疲れた身体を労る為にソフトクリームを、軽い夕飯として馬肉の肉じゃがの万十を食べた。
初めての熊本で過ごした時間は、こんな感じだった。
旅に出ると、自分の至らないところが浮き彫りになって、もっと上手くできたらなと思う。坂口さん風にいうなら、これも「練習」なのだろうか。
もっとレベルアップして、いつかまた、熊本に行きたいな。
「坂口恭平日記」日記 (完)
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