見出し画像

石川 紅奈 “Kurena” Release Tour”

神戸100BANホールで行われた石川 紅奈のライブにいってきました。この会場は神戸らしい雰囲気と歴史を感じさせる趣のある建物です。スタッフの対応も気が利いていて良かったです。

ベース/ボーカル:石川 紅奈
ピアノ:大林武司
ギター: 苗代尚寛 (Taka Nawashiro)

ライブの始まりはスティビーワンダーの「Bird Of Beauty」でした。その後チックコリアの「500 Miles High」をスローな3拍子でアレンジした演奏が始まりました。

1stセットのベストパフォーマンスは「No More Blues /Chega De Saudade」でした。割とスタンダードなアレンジでしたが、トリオとして非常にバランスの取れた演奏だったと感じました、実際お客さんの反応も良かったです。特にギターのTaka Nawashiroは非常に良いソロを聴かせてくれました。常に丁寧な演奏で、勢いで弾いてしまうような、無駄な音が一つもなかったです。粒のそろった音色にユーモアのセンスを織り込みながら聴く人を飽きさせない音作りをしていました。

2ndセットでは、わりとオリジナル曲が中心の演奏でした。演奏自体は熱が帯びてきて、各プレーヤーのソロも適度な自己主張があり熱い演奏を聴くことができました。ラテンリズムがあったりポップな曲があったりして、誰でもが楽しめる演奏でした。

今回のライブでは日本語歌詞のオリジナル曲もあったのですが、これはこれで十分雰囲気のある良いものでした。これがジャズという枠組みに収まるものかは分からないですが、質の高い音楽であることは間違いないです。石川紅奈は「soraya」というポップスユニットでも活動しているのですが、それも十分納得できます。ポップスとジャズのフュージョンと言っても良いかもしれません。

クールで乾いたボーカルと、ベースの確かなテクニックを持った彼女の演奏に惹かれるものはいっぱいあります。一方で若さゆえの“硬さ”の様な物がボーカルにもベースのサウンドにも感じるのも事実です。ですがそれらは決して不快なものではなく、むしろ誠実で”爽やかな風”のようなものを感じてしまいます。ジャズライブは演奏家と聴衆が一緒に作り上げていくものだと思っています。機会があればまた行きます。