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#私の作品紹介
じいさん#5 タクシーな愛車
じいさんは昔のタクシーみたいな黒いクラウンに乗っていた。
じいさんは七三の髪型で太めの黒縁メガネにお気に入りの水色キャップを被って、半袖シャツの裾をスラックスにしまい、革靴を履いている。
さすがに白のグローブははめてなかったけど、タクシードライバーみたいだ。
車内もタクシーみたいで、シートにはヒラヒラの白いカバーがついていて、カーステレオから甲子園のラジオ中継が流れている。
僕は車酔いが酷くて
じいさん#4 早起き
じいさんは早起きで、毎日5時ぐらいには起きているようだった。
生花の卸売市場の仕事だから朝が早くて、僕が起きる頃にはもう帰ってきている。
僕が「おはよう、もう帰ってきたの?」と聞くと、
「おしっこしに行ってきただけだよ。」
と冗談ぽく答える。
本当にそうだったのかもしれない。でもたまに玄関に花束が並んでたりしてたから、ちょっとは何かしてたんだろう。
正月にはじいさんが毎年親戚を温泉旅館に連
じいさん#3 池プール
じいさんは多趣味で、そのひとつは庭いじりだった。
庭に岩を集めて高台を作り、そこに穴を掘ってプールを作るという壮大な計画があって、僕はよくホームセンターに連れて行かれた。
この日は土台を固めるためのセメントとプールに上るための階段の手すりを買って、帰宅するとじいさんはすぐに作業にとりかかった。
僕はじいさんの横に屈んでセメントを流し込む作業を見ている。
「明日にはこれがかちかちに固まるんだ
じいさん#2 血圧測定
じいさんはいつも夕方になると自宅で血圧を測る。じいさんは腕にテープを巻いて血圧計のスイッチを押すと、
「静かに。」
と深刻な感じで孫の僕たちに呼びかけてきて、隣の台所でお菓子を食べながら賑やかだった僕たちは会話をやめる。
なぜ静かにするのか、血圧の数字が何を意味するのかわからなかったけど、独特の緊張感があった。
僕はもし変な数字が出たら、その瞬間じいさんは死ぬかもしれないとか思いながら、結果
じいさん#1 ファミレス
じいさんは5歳の僕を助手席に乗せて、色んなところに出かけるのが好きだった。
と言ってもだいたいコースは決まっていて、おもちゃ屋(僕はこれがあるから付いていく)、ファミレス、ホームセンターぐらいだけど。
じいさんはいつも行くファミレスでメロンクリームソーダを注文して、
「混ぜると美味いんだぞ」
と言って銀色の長いスプーンでぐるぐる混ぜる。
僕はメロンクリームソーダの透き通った緑色がシュワシ