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願いを指針に、生きる。



すれちがっても、ぶつかれたなら、それはチャンスだ。



0.願い


生きる上で指針があることは幸いだ。

意識/無意識を問わず、

僕らが生きるという営みは「選ぶ」ことの連続なのだから。



僕には願いがある。


自分の人生の手綱を、自分で握って生きたい。



連綿と続く時間の最中。”そこ”に留まることも、”そこ”から離れることも、本来的には自身の自由意志に委ねられている。

けれど僕らはしばしば、自身の境遇に不満を漏らす。


願いと願いが身体のどこかで出遭い、ときに火花を散らす。


不満を感じ取っているとき、心の中に澱のように浮かぶ、実態の掴みづらい「何か」は、その火花の残滓なのだろう。



たとえ選ばれた「一側面」の願いは叶おうと、敗れた願いがそこに留まる。伝えたいことを、惜しむように。



この残滓が、心を奪う。思考を奪う。

すなわち、人生を奪う。




「気付かれなかった」「無視された」願いも、

自身の指針となるべく使命を背負って生まれ出でる。


よかれと発されたシグナルは、「よかれ」を信じて疑わぬ故に、声高に居場所を主張するのだ。「聴け」と。



だからところ構わず、僕らの心のドアを叩き続ける。



1.願いを知る


願いを問われるのが苦手だった。

口にするのが憚られた。

それを繰り返すうち、願いが浮かぶことすらなくなった。



「100の願いを書き出そう。」


「・・・。いいよ。」




この「・・・。」に宿る抵抗感の正体。

「願いを知る」ことへの恐怖。




僕はいつしか、自分の人生の「可能」性を諦めていた。


「僕には特にやりたいことがないから、合わせるよ。」



口からはそんな言葉が漏れる。

でも、言行が一致しない。



意識的な面従腹背というわけではない。

「合わせたい」と願うのに、自然、身体がそれを拒むことがある。



結婚して4か月。

コロナが就業環境を塗り替え始めて2か月。



去年の3月。

我が家は、度重なる夫婦げんかに向き合っていた。



自身の生きる意味を、叶えたい夢に託し、そこに繋がるキャリアを追及する妻。

「今」の幸福を享受し、仕事に期待を持たず、子供を欲する僕。



キャリアと、出産年齢。

妻の夢と、僕の願い。




「猫を飼うのじゃ、ダメかな?」

それが以前お付き合いしていた方との、決定的な別れの原因となった。



そんな話を知っていた妻は一人、悶々と悩んでいた。




「結婚する前に、話しておくべきだったんだけどさ。」



そう告げられた僕は、

週末婚でほとんど一緒にいられなかった短い結婚生活の終わりを予感して、表情を失ったのだった。


それが去年の3/23。


コメダ珈琲での6時間に及ぶ家族会議の、始まりの合図だった。




2.願いに、向き合う


言葉を交わした。

聴き、話し、ときたま不機嫌になった。



「子供は持とうと思う。でも時期は選びたい。」



夢への挑戦と、キャリア。

妊娠確率、流産率と、出産年齢。



どのタイミングに子育てがくるのか。



東京に夫婦二人。それぞれの親元は他県。

妻の職場は東京都内で、僕の職場は茨城県。


そんな当時にあって、住まい・お金・仕事・子供の課題は、結婚したが故にでてきた、我が家にとって新しい問題だった。



その日の話し合いをもとに、僕は自分の価値観に向き合いはじめる。

stand.fmで音声配信を始め、すれちがいの理由を言葉にし続けた。



語っていくうち、おぼろげに自分の価値観が見えてきた。


妻のそばに居たい。



往復4時間を要する職場へ赴くことが、非常に苦痛になっていた。

人生で初めての「フルリモートワーク」での仕事。



その前年9月に転職したばかりで、まだ関係性も、自分の立ち位置も、役割も、すべてがぼやけている職場環境下。




いつしか仕事が、うまく手につかなくなっていた。

気付けば常に、誰かへの言い訳を探すようになっていった。



何かを果たしたつもりになり、成果に繋がらないことに対する不満を溜めていった。


「ことに向き合う」ことができず、平日の僕はただ息をするだけの生物になり果てていた。




「子供をもとう」ということに向き合うはずが、今の仕事さえうまく手につかない。妻の不安を募らせたであろうし、変われない自分にも嫌気がさしていた。




そうして僕は、僕を必要としてくれるひとがいる世界へ逃避していくことになる。

そう、stand.fmだ。



9/3に運営からお金をもらえるようになり、僕の依存度は加速度的に高まることになる。一日の大半を音声に費やす日々の到来だ。



そこで関わった方々が、僕に生きる居場所をくれていた。そう。僕は居場所を欲していた。自身が輝ける居場所を。



すっかり現実世界での人との関わりが断たれた中で、僕は仮想世界に生きることを選んでいた。



出会いを通じて、居場所を創り、助言を頂く。

行動を通じて、仕事の風向きが上向くこともあった。



けれど、それは束の間の延命措置に過ぎなかったように思う。





年明けの最初の週末。会社を辞めることになった。



僕にできたことは、自ら退職日を選ぶことだけだった。






3.願いに、出会う


「来年の自分のために、自分を成長させる仕組みをつくろう」

そう決意して始めた対話セッション。


その様子をみていた妻が、「別人のようにイキイキしていたね!」と教えてくれた。



人と向き合い、話すことに没頭できる自分と出会った日だった。




毎月5人の方と話すことを決めて、僕は着実に経験を積んでいた。

ただ、悩みもあった。





価値は相手の変化量。

果たしてセッション後、相手の変化に繋がっているのだろうか?





どう寄与できたのだろうか?

僕には、僕の価値がわからなかった。




そんな悩みを吐露していたら、「コーチングを学ぶこと」を薦めて頂いた。


コーチングは「相手に気付いてもらい、前に進んでもらうことを促す」ことが仕事です

さっきのお話は完全にコーチのノウハウを必要とするし、逆にコーチのノウハウがあればできるようになるのでぜひこれ読んでください。



冬にさしかかるころ、教えて頂いたnoteの著者がコーチングスクールを立ち上げた。すぐさま説明会を申し込んだ。



なまじ対人関係に自信をもっていただけに、

新しいコミュニケーション手法の奥深さに、呆然とした体験だった。




基礎を学び、新しいことができるようになった嬉しさも束の間、どうにも「しっくりこない」感覚に悩まされることになる。


何を目指せばいいのかがよくわからなかった。




そうして新年に時が戻る。


会社をやめることを決めた僕は、その週末にコーチングセッションを立て続けに申し込んだ。



自分の心象風景がつぎつぎと感覚の中で可視化され、言葉になっていく時間は、魔法のようだった。




翌週、スクールの次のカリキュラムが始まった。

その初日、僕は泣いていた。




正直、会社を辞めた後にどうするか自体、何も見えていなかったのだ。

「とにかく将来に繋がる仕事を」と、妻が探してくれた転職先にエントリーをし始めたものの、具体的な青写真は何も描けずにいた。



でも、「鳴り響く未来を知ろう」というテーマで受けたセッションで、僕は自分の願いを知ることになる。



人の物語に触れ、参加し、その足跡を振り返り、関わった方々の活躍に想いを馳せながら、ふかふかのソファに身体を沈めて満足そうにしている自分の青写真を見た。



つくづく、人と話すことが好きなのだということに気付いた。

この未来に辿り着きたいなと、願った。




それを口にしたら、コーチが被せ気味に「できるよ!」と力強く言い切った。

こんなにも人の言葉が、心強く感じるなんて。




月末は有給消化の期間だった。

その頃のLIVEで投げかけられた「大切にしたい5つの時間」という問と、その答えが、ずっと僕とともにあった。


1.妻と過ごす時間
2.LIVE配信を通じて、居場所をつくっている時間
3.人と対話している時間
4.朝日記を通じて、自分の未来を思い描いている時間
5.行動を通じて、学びを得ている時間


カリキュラムの宿題で、「2人以上セッションをしてくること」という課題が課された。



募集をかけたら、20人の応募があった。

心底びっくりした。



時間がたくさん生まれた僕は、大切にしたい時間だけで満たした一週間を過ごすことを選んだ




満ち足りた日々だった。

ずっと、「人生のピークは14歳だった。」と言い続けてきた僕が、「今こそが一番幸せだ、と言い切れる。」と繰り返し口にするようになっていた。




僕は僕の人生の手綱を、取り戻した。




4.願いと繋がって生きる


もうすぐ2か月が経つ。


「自分に還る」「自分の人生を取り戻す」


そんな感覚にあふれた日々を過ごした前半は、熱とエネルギーに溢れていた。

とにかく活動的で、気付きに溢れていた。



セッションにあけくれ、毎朝公園にでかけ、気付いたことを語り続けた。

「宝物をみつけた」と感じて、ライブのアーカイブにそう書いた。




人生の手綱を取り戻した僕は、そんな自分と毎日向き合い続けた。

この幸福を、続けて生きたい。



願いを指針に生きる生活が、始まった。



悩みがなくなったわけではない。


むしろ、会社員の頃にはいかに社会・組織に支えられていたかを痛感するし、先行きを考えて不安に押しつぶされそうになる夜もある。



「生きる」エネルギーに溢れていた前半は事業もとてもうまくいっていたが、「コーチング」に拘泥し始めた後半は途端にスランプに陥った。



セッション自体は毎回学びを得て、どんどん進化している実感がある。

他方、どれだけ発信を増やしても、「コーチング」は売れなくなった。



僕のセッションを通じて僕は売れず、僕が学んだスクールが売れた。




僕が自分の人生の手綱を取り戻したきっかけがコーチングであり、

底抜けに楽しそうにセッションをする僕を見て、

関わる人々は「コーチングをできる未来」に憧れたのだろう。




僕自身そう信じていたし、だからこそ「僕をその状態にした」コーチングスクールに惹かれる人が増えていく。



でも果たして、本当にそれが僕のすべてだったのだろうか?





僕がコーチングと出会い、これを手段として独立したのは、僕の根底に、「人と対話することに夢中でいたい」という願いがあるからだ。





なしたいこと、ありたい姿を見て、自身の価値観を知り、毎日毎日、声に出して自分に向き合い続けてきた結果だ。




学習単体で得られた結果ではないし、コーチング単体で得られた結果でもない。



妻との結婚生活に暗雲が垂れ込めたあの日から、四六時中自分の価値観を問い、妻の価値観に向き合い、人と対話することを数十回繰り返し、毎日毎日言葉にし続けた。その、行動の成果だ。



自分に対して何百・何千と問いかけては、行動を通じて答えてきた結果だ。




そう。

「願いを指針に生きる」ことに挑戦し始めて、1年かけて得られた果実だ。




5.願いを叶えた今


今日から19日後、僕たち夫婦は息子に出会う。



妻は、「子供をもつと決めた。それなら、身体が元気なうちがいい。まーが協力してくれれば、そのあとに仕事と夢に挑戦できる。」と語り、すぐに子供をもつことを選んだ。


あのコメダ会議から、4か月後のことである。



妊娠し、ひどいつわりに苦しみ、落ち込むこともあった。

思い通りにならない身体と、貢献しきれない自身を責めた。



僕にできたことは、励まし、話を聴き、アイスを買いに行くことくらいだったと思う。


たくさん話した。僕らはそのたびに、お互いの価値観や、感情や、喧嘩のスイッチについて学んでいった。


「喧嘩をしたら、もっと互いのことを知れる。だったら喧嘩も悪くない。」



妻は、本当に強い人だなぁとおもう。



たくさんすれちがったけれど、

僕らはぶつかることができた。


互いの願いを知るチャンス、互いの願いを尊重するチャンスに、恵まれてきた。

対話を通じて、僕らはお互いを支え合ってこの1年間を、生きてきた。




僕ら夫婦は互いの願いを知り、互いの願いを叶えようと挑戦してきた。


願いを指針に、これからも、生きていく。



6.そうして息子に出会った【4/6】



息子を抱きかかえて体温と重みを、胸いっぱいに、感じた。


君と過ごす時間を、一番大切にして生きたい。


そう願ってこの一年を生きてきて、君と出会う瞬間を得られたよ。



そしてこんなにもたくさんの人に、君は祝福されている。




願いを指針に生きて得られた、果実だ。



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ここまで読んで頂き、ありがとうございました!






僕は東京に妻と二人で暮らす、32歳の話好きです。

新米夫から、新米父になろうとしています。人生ってめまぐるしいですね。


「自分の人生を大切にすることを決めたあなたを、応援したい」


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そんな居場所を、ご自身の力で創れるようになって頂くためのお手伝いをしています。

対話。文章添削。計画づくり。オーダーメイドであなたと一緒に考えます。

主役は、あなたです。



あくまで僕は、「いきたい場所への中継地」である、という想いをこめて、「とまりぎ」をコンセプトに選びました。



「自分の人生の手綱を自分で握る」=個人で自立して生きること。


「願いを指針に生きる」ことに興味をもたれたら、お気軽に公式LINEやTwitterのDMにてお声かけ下さい。あなたの物語に触れられる日を、楽しみにしています。


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📒言葉を受け取れる準備が整うこと

人の助言って、なかなか聴けないですよね。
「受け取れる自分」に出会った変化をお伝えしています。


📒靴の中の小石。

誰もが人生に、小石を抱えて生きている。
「我慢」で失っていることに向き合っています。


📒感情の、痛み。

感情は「願い」のバロメーター。
願いに出会うための選択肢として、「ともにいる」選択を。

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