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心の行先へ

白樺の木は一度傷をつけると
その傷が消えることはないらしい

心は白樺と同じだ

一度傷ついてしまうと
修復することはできず
上から蓋をすることしかできない

蓋をしていたはずだったのに
傷がじんじんと痛むことがある

心の痛みは紛らわしようがなくて
夜に襲ってこられたりすると
たちまち眠れなくなってしまったりするものだ

いつになっても
癒えることはなくて

身体の傷のように
心の傷も一緒に治ってくれないかと
わずかな希望をかけて
自分を傷つけたくなることもある

でもそんなのは無意味だ

生きていてよかった

やっぱり死にたい
が交互にやってきて
結局どっちが自分の本心なのか
分からなくなる

ただ僕は
幸せに満ちた生活をしたいだけなのに

僕の幸せはどこに行ってしまったんだろう

いつも目前のところで逃してしまうんだ

良いことよりも
悪いことの方が
ずっとずっと心に残ってしまって

もうこれ以上僕は
傷つきたくないと思っているのに

傷つきそうな方向に足が向いて
傷着くのが分かっていながら
僕は歩いてしまって
僕の気持ちが自分で制御できない

僕のものであるはずの心が
勝手に動いていってしまうんだ

願わくば
傷つかない方法で
全てを終わりにできたら良いのに


jun.

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