『お客さまの立場になって考える』ということを本気でやってみる。

カウンターセールスや、ショップスタッフの営業スタイルは、お客さまのご来店をお待ちするというのが一般的かと思います。

販促を打って来店を促すか、どう反響を鳴らして予約を獲得するか。

お客さまを呼び込むための販促活動というのは、会社にとって非常に重要度の高い仕事です。

しかし、そうしてご来店されたお客さまは、どういう気持ちでお店に足を運んでいるか考えたことがあるでしょうか。

来店されてからの接客は色々研修を受けたり、スキルを磨くことは日常的に行っているかもしれませんが、『お客さまがお店に足を運ぶまでのストーリー』や、『何を期待して来店されているか』を考えたことがある方は少ないのではないでしょうか。

外出や対面での接客にナイーブになっている昨今、お客さまの来店の心境をもう一度見直してみたいと思います。

・お客さまは何かを満たしてもらう為にご来店している

まず、お客さまはなんの目的も無くお店に来店することはありません。

ショッピングモール内のお店だと、カップルのデートとしてフラッと立ち寄る程度の人はいるかもしれませんが、基本的には何か目的を持ってご来店しています。

カウンターセールスで、予約来店の方はもちろんほぼ100%目的を持ってご来店されています。

お客さまの目的は、言い換えれば、”何かの欲求を満たしてほしい”という気持ちです。

例えば、アパレルであれば、『今度、〇〇に遊びに行くから、その時に着る服が欲しい』とか、賃貸不動産営業であれば『今の家が狭いから、広いところに引っ越したい』とか、何かしらの欲求や不満を持って来店しています。

お客さまはその欲を解決したくて来店しています。

ごくごく当たり前の話ですが、意外とここを意識せずに営業している方は多いのではないかと思います。

たくさん接客をしていると、『この人は買わない』とか『見に来ているだけだろう』とか考えてしまうことがあると思います。

しかし、そうではなく、お客さまはしっかり目的を持って来店されています。

欲求を満たして欲しくて来店されています。

もし、来店した店で欲求を満たせなければ、他のお店で欲求を満たすのです。

・前日、もしくはずっと前から行くお店のことを考えている

お客さまは、お店に来店する前からそのお店のことを考えています。

知らないところで、お客様に想像されているのです。

『明日、あそこのお店に行ったら〇〇を見てみよう』とか、『来週末あそこのお店に行って、〇〇を聞いてみよう』とか、お客さまの想像が始まった時から、欲求を解決出来るワクワクは始まっています。

お客さまの期待値はそれだけ上がっているのです。

何日も前からそのお店のことを考え、その為に準備しているかもしれません。

もしかしたら、別の予定を断って、来られているかもしれません。

大切な休日に時間を作って、わざわざ来られていると思うと、お客さまへの感謝の気持ちや対応の仕方が変わります。

・自分の為ではなく、大切な人の為に来店している

誰かへのプレゼントや何かのお返し、また、賃貸不動産の場合だと、進学で初めて一人暮らしする子供の為の部屋を探しに来られている方は少なくありません。

それが分かった時、どう対応しますか?

人の喜びには色々な種類がありますが、その中で、”大切な人を褒められる”とか、”大切な人を大切に扱ってくれる”という喜びがあります。

逆にそこを蔑ろにすると、信頼を失うスピードは恐ろしく早いです。

先ほどの例でいうと、親が子供を想う気持ちは非常に強いものがありますので、特に子供の為の部屋探しはその気持ちを十分に察する必要があります。

例えば、大学生から一人暮らしを始める場合、生まれた時から大切に育て上げて、小学校、中学校、高校と18年間ずっと一緒にいた子供が旅立って行く。

初めての一人暮らしで、子供も不安だと思いますが、それ以上に親は心配しているはずです。

その不安な気持ちは決して口には出しませんが、その気持ちを察してくれてる営業はきっと親御様からの信頼を得られるでしょう。

お子様の旅立ちを明るい思い出に出来るよう、誠心誠意対応していきたいものです。

・お客さまに憑依できると、お客さまの気持ちが分かる

予約来店ではない場合、スタッフの対応が始まるのはお客さまが来店されてからですが、お客さまの中での来店準備はずっと前から始まっています。

来店する前から、色々妄想しているお客さまと、その場でしのぎで会話をするスタッフとの間には大きな温度差と価値観の違いがあります。

お客さまはどういう気持ちで来店されているか、どんなバックボーンを持って来店されているか、想像して対応するだけで、もっと楽にコミュニケーションを取ることが出来るようになります。

お客さまの気持ちを想像することは、決して簡単なことではありませんが、それは間違っていても良いのです。

むしろ、想像せずに対応した方が不快な思いをさせる可能性は高くなります。

お客さまに憑依するつもりで想像することが出来たら、お客さまを満足させることが難しいことではなくなるはずです。

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