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観光取材ライターの試練シリーズ「素人モデル」

こんばんは。観光ライターのMasanoriです。

試練シリーズその2として、こちらもあるあるというか、経験しているライターや編集者は多いと思いますが、今回は「素人モデル」です。

連日、FAM関係の話が続いていますが、多数のメディア記者が、主催側とPR会社が決めたほぼ同じ観光コースを巡るため、現地では割と熾烈な素材撮影タイムが繰り広げられます。以前書いたnoteのとおり、観光ライターはカメラの性能と腕はあまり求められないのですが、もしも、そのあたりに気を使わないとどうなるか・・。
※FAMトリップ:観光地の誘致促進に、旅行事業者やメディアの記者に現地を視察してもらうモニターツアー

( ; ・`ω・´)全員同じ感じの画像になっちゃうんです

現地で差別化を図る

それこそ、Getty ImagesやらiStockなんかでDLしたほうがマシとでもいわんばかり。そのため、最低限の差別化を図ります。たとえば、地面スレスレからローアングルでアオるように撮ったり、サイトのマスコット的な人形があればフレームインさせてみたり、F1層向けの女性メディア記者なら、自身の手までは出しているのをよく見かけます。
※F1層:20~34歳の女性

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こんな感じの手とドリンクとちょい背景、みたいなインスタ映えを意識したものは、女性記者ならではです。おじさん記者オンリーの場合、いろんな意味で地獄絵図になりますが、対象物が店舗とか風景だと、全員似たり寄ったりになってしまうのが悩みどころ。ちなみにこの記事で使用している画像は、商用フリーのPAKUTASOです。
※PAKUTASO https://www.pakutaso.com/

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昨今気をつかうGDPR

そして、最も気を付けないといけないのは、一般人の映り込み。今はほんとに気を使います。特にインバウンド系の取材で、外国人観光客がいる場合は、GDPRという単語が頭をよぎります。とはいえ、やはり素材としての差別化で最もわかりやすいのは、モデルの適用というわけなんです。

しかし、FAMトリップで専属のモデルを連れてくるメディアとかあまり見ない(ゼロとはいわない)ので、その時その場で、取材対象になっている施設や店舗の従業員さんがモデルになってくれるケースが多いです。割とノリノリでポーズ取ってくれたり、リクエストに応じてくれるので、ひとりが交渉に成功すると、こぞって他のメディアも便乗します。

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編集中にかかってきた一本の電話

そんな施設がひとつふたつあると、記事映えもするので、見出し画像にも最適です。あるとき、帰社して入稿作業を進めていると一本の電話が。

「その節は・・ご取材いただいた〇〇ホテルです」

Σ(´◉ω◉` )あー、はい!お世話になりました!ちょうど画像選んでました。

「実はその件なんですけど・・スタッフのYをモデルに撮影なされていたと思うのですが・・」

(;´◉ω◉` )はい・・(嫌な予感)

「彼女が映っている画像は一切使わないでほしいのです」

という突然の申し出。本来ならPR会社を経由して連絡がくるのですが、名刺交換をしていたので直接電話がきました。だいたい、こういうケースの事情は“お察し”というか、わかってはいるのですが、ご想像のとおり、取材後にホテルを退職することになり、あまり円満退社というわけでもなく、ご本人から使用禁止を求められた、というあるあるなケース。

「彼女の存在を消してください。全部です」

( ; ・`ω・´)そこだけ聞かれたら通報されますよ・・

そんなケースも想定して、現場では即席の現地関係者素人モデル入りのパターン以外も撮っておくと、有事の際に慌てなくて済みます。
この時は、自社のYoutubeチャンネル用に動画も撮っていたメディアがいたので、あとから編集大変だったろうな・・と、同情した出来事でした。

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