見出し画像

孫に「おかあさん」と呼ばせる50代の女に、初めて会った。

ごくたまーにしか会わない。仮にAちゃんとしよう。
珍しく招かれていったら、早くに子供を産んだ娘の子。つまり孫が、
Aちゃんに向かって、

「おかあさーん!」

……え? なにこれ。恐る恐る、娘に聞く。
わたし「なんで……、祖母に当たるAちゃんを、おかあさんって呼ぶの?」
娘「だって、お父さんの方のおばあちゃんは、ばあばでしょ。お母さんの方は、ばば、でしょう?」

そう、子どもの曾祖母ちゃんが、それぞれまだ元気なのだ。

たしかに、もう「ば」のつく、いまどきの呼び方は残ってないが……。
ばあさま? ばさま? ばば殿……。やっぱり、おばあちゃん、じゃないの? と考えていたら、自称「おかあさん」のAちゃんが言う。

「ほら~、いつもうちでご飯食べるじゃない。みんな、わたしをおかあさんって呼ぶからさあ~」
そう、娘と孫は近くに住んでいて、夕食をAちゃんの家で一緒に取っている。ついでに、実家には娘の弟(成人)もいる。

「おかあさん」と呼ばせているのは、Aちゃん自身の希望ね。
偶然ではなく、故意ね。そう呼ばせているわね。

「だけど~、いいのそれで?」

そう聞こうとしたら、
「おばあちゃんなんて、呼ばせないわよ」

と、ポロッと言う。

いや、おばあちゃんでしょ? イヤなら別の呼び方でもいいけど、「おかあさん」は、まずいんじゃない?
と聞こうとしたが、面倒な展開になりそうなので、やめておいた。

とっとと帰る。で、ネットで検索する。
同じような人はいるようだ。幼稚園で、
「きょうはおかあさんの顔を描きましょう~」

と言われた子どもが、おばあちゃんの顔を描いちゃった、という、
本当なのかネタなのか、でも笑えないエピソードが出ていた。

来年か再来年、もう小学生では?

そのくらいの年齢のはずだ。
運動会とかでお弁当食べるとき、
「おかあさーん! こっちこっち~!」
なんて、でかい声で言われたら……。

それが当然! と言った感じで、
えびす顔のAちゃんがやってきたら、周りはザワつくわ。
子どもも、母親の娘も、クラスのママたちから変な目で見られる。
下手すりゃ親子でいじめに遭うかもよ?

ママの壁は小4? 小5?

かつて、ママと呼ばせていたママ友は、上小5、下小3くらいのときに、
一家を挙げて、
「パパ、ママって読んだら罰金!」
というルールを作り、
一生懸命にママの壁を超えさせようとしていた。

ああ、もうすぐ中学受験もあるしね。
そうよね、そろそろそういう時期よね、と思ってた。

しかし、孫に「おかあさん」と呼ばせるおばあちゃんがいたとは!
せめて、A子さん、じゃないのー。グランマでもいいけどー。

気持ち悪いけど、ほっとこ!

しょうがない。聞く耳持ってない人だから、ほっときましょう。
正しい日本語を使えていないというのが、とてもイヤなのだけど。

小学生になって、お友達の誰かが知ったら、
「え~おばあちゃんをおかあさんって呼ぶの~。ヘンなの!」
とか言われて、子どもば自分で呼び方を変えるだろう。たぶん。
子ども! いっそ、ばーさまとか呼んでやれ!

国語の教科書で、小1ですぐに「おかあさん」なんて単語、出てくるのよ?
子どもが混乱して、国語が嫌いになったらどうするのよ!
よその子だから、気にするなという意見もあるだろうけど、ホント子どもが気の毒よ。

関わらないように、でもどんな顛末になるか、そーっと見守っているわ。





この記事が参加している募集

よろしければ、サポートお願いします! いえ、充分、サポートされていると思うのですが。本当にありがとうございます!