見出し画像

イギリス留学の裏側:大学院生が語るリアルな日々

こんにちは、皆さん!今回はNote共同マガジン VACILANDO のリレー企画に参加しています。ぐっちー@ドイツのシステム屋 さんからバトンを引き継ぎ、「イギリスの大学院のここにツッコミたい!」をテーマに、私のイギリス大学院生活での「これはちょっと?!」な瞬間を皆さんにシェアしたいと思います。
*ぐっちーさんのバトン記事は「ドイツに来て一番困ったこと」をテーマにドイツでの驚きの鉄道トラブルを語ってます。ぐっちーさんの奮闘記はこちら。


短期集中型のマスターコース


イギリスの大学院は日本とは異なり、在学期間は1年間、凝縮されたカリキュラムが特徴です。1年で講義、修士論文、就職活動をこなすスピード感。加えて、12月はクリスマス休暇、4月はイースター休暇、7~8月は夏季の長期休暇があるので、実質的な授業時間は思っていたより少ない!
自主学習をいかにすすめるかがキモになるわけで、自分が調子よく「ノれる」場所や時間、起床してからのルーチンなど、真剣に考えるよい機会ではありました。

超少人数のクラスと。。。


私の専攻は「Social History of Art」ではクラスメイトはわずか5人!「大学の経営面で大丈夫か?」と心配になりましたが、どうやらコロナの影響でいつもより少なかった模様。メンバーの出身はイギリス、アイルランド、南アフリカ、韓国、日本(私)と多様な背景を持っていたのは良かったです。

3時間ぶっ続けのセミナー


授業形態はざっくりと分けると3種類あって、通常「レクチャー」(講師が学生に講義を行う)と「セミナー」(ディスカッション主体)と「グループワーク」(複数の学生で課題に取り組んで発表)の組み合わせで構成されることが多いです。しかし、私の専攻の必須科目「Social History of Art Core」は、セミナー形式の授業を3時間ぶっ続け!途中10分休憩があるものの、長丁場に耐えるスタミナが必要です。しかも、事前に読むべき文献の量が膨大で、ディスカッションのトピックは各人が読んだ内容から当日に決まるので、いつもハラハラしてしまいます。一方、各人の興味のある個所が異なるので、議論が深まるというより、拡散して終わることも。
そこで、担当教授に「事前準備を効率的に行うことと、当日の議論を深めるために、トピックを2・3点事前に共有してほしい」とリクエストしてみました。「理解した。しかし皆の自由な発想が制限されるのは避けたいので、毎回は行わない。」というのが回答。この私の提案はネイティブのクラスメイト達からも「事前にトピックが決まっていると助かる~」と感謝されたのですが、結局昨年度は1回しか実施されなかったのです。ちょっと残念。

イギリス人学生のだった


私の専攻のクラスは5人という少人数ながら、イギリスやアイルランド出身者がいましたが、他の選択科目の授業に参加したとき、クラスにイギリス人が少なく、中国人学生が多い傾向も驚き!他の大学の留学仲間に様子を聞いてみると、やはり同様で、イギリス人がクラスにほとんどいないことも珍しくないようです。留学の醍醐味は多国籍な友達ができることですが、ちょっとイギリス留学感は薄めかも?
イギリスでは大学は基本は国立大学で、留学生の学費はイギリス人学生の場合の約2倍の価格設定となっています。留学生のリクルートには力を入れている結果が、現在の留学生比率の多さに顕著洗われている気がします。

寮生活の日々


寮生活での水回りのトラブルはよく聞きます。排水パイプの漏れやシャワーヘッドから水が止まらなかったりの不具合など。何度か直してもらいにきても変わらず、諦めて放っておいたらそのうち自然治癒していた(?!)とか、シャワーのボイラーが壊れてお湯が一ヶ月半出ず、ケトルでお湯を沸かして浴びた、といった体験談も!日本の生活設備の質の高さとありがたみを感じます。また、あらゆるものが電子化しているので、ヒーターをつけるのも、ランドリーを使うのもアプリで行う寮も。しかし、けっこうな頻度でアプリの不具合が発生するので、電子化された寮の設備も便利なのか不便なのか。。。
(ちなみに、私の寮は比較的新しい建物だったせいか、水回りトラブルの遭遇は少なくすみました。ほっ。)

私の寮は比較的新しい建物で快適でした

ストライキの多さ


英国ではインダストリアル・アクションと呼ばれる、ストライキが頻繁に行われます。鉄道のストライキは頻発するので、旅行計画にも影響が出ます。そして、大学や医療機関もストライキが行われるのです。授業が休講になったり、採点拒否により成績証明書の発行が大幅に遅延したりという予想外の障害も。BBCニュースでも「学生の就活に影響が出ている」と報道されていました。
ストライキ中、大学講師陣は「出勤拒否」というアクションをとるのですが、休講にはせずリモートで講義を実施するケースも。講義は提供しているわけですし、ストライキの意思表示としての威力はどうなのかな?と疑問を感じつつも、「学生への不利益」と「労働者としての大学職員の意思表示」との狭間の苦肉の妥協案なのかと想像しました。

こんな感じでストライキの予定がサイトで公開されます

以上が、イギリスの大学院生活で私が体験した「これはちょっと!」という瞬間です。異国の地での勉強は、予想外のことが多く、ほろ苦い体験も多々ありますが、それもまた新鮮で、面白いものです。大人になってからの海外留学は味わい深く、なかなかよいとあらためて感じる今日この頃です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


好評のリレー記事、バトンはタンザニア在住のライター、ほりともさんにお渡しします。ほりともさんが出版されたアフリカ生活についてのキンドル本はこちら。

テーマは「タンザニアの音楽事情♪」でお願いします。タンザニアで人気の音楽、歌手やバンド、楽器、はたまた日本の演歌やアメリカのカントリーミュージックのようなユニークなジャンルがあるのか、など伺ってみたいです、ワクワク。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?