受け入れると丸くなる
自分の感情に「いい」や「よくない」を、ジャッジしてしまうときがよくあって。
「そんな風に思ってはダメ」とか、結構しんどいのに「もっとがんばらなくては」「これを克服しなくては」とか。
本当に感じている気持ちを、思考でコントロールして、蓋をしている。本音がどんどんお腹の奥に押し込まれていって、やがて動けなくなる。
ものすごく疲れて、自分がどんどんすり減っていく。自分を無視しているし、よく考えたら悲しい。
そういえば、ある日子供がぽつりと言った。
「アドバイスを聞きたいわけじゃない。ただ話を聞いてほしいだけ」って。
「そうだったんだね」「そっか」って、ただ受け止めればいいものを、下手にアドバイスしようとしたり、何か言ってあげなきゃとか思って余計なことを言ってしまったり。
的外れなことを投げてしまうと「やっぱり言わなきゃよかった。わかってくれない」ってなる。
わかってくれないを何度か感じさせてしまうと、少しずつ話してくれなくなる。たいていは。
「うん。そうなんだね」って聞くだけでいいんだ。
「どう思う?」って聞かれたときは答えるようにして。
実際、これを意識するようになってから、子供は前よりも「別に」「なんでもない」が少しずつ減っていって、些細なことでも話しかけてくれるようになった。
「ただキャッチしてもらうだけで救われるんだよなぁ」を、より強く思ったことがあって。
とあるミーティングでの最後に、主催者が「今日の会で、どんなところが自分にとってよかったですか?」という質問があった。
主催者が1人1人の感想を聞いて、リアクションはするけど、特になにも言わないんです。
ニコッと笑うだけだったり、微笑んで「うん」ってうなずくだけだったり。海外の方なんだけど、「わお」って言うだけだったり。
みんなの発言に対して、「これってこうだよ」「こうしたらいいよ」とか、何も言わない。
その話の聞き方を見て、すごく「いいな」と思った。ただキャッチしてるだけ。
家族や友達に対しても、そんなスタイルで話を聞きたいなと思った。
そして自分にも、何か感情が沸きあがってきたら、いいとか悪いとかジャッジしないで、「そっか」「うんうん」って、まずはただ受け止めてあげたい。否定しない。これが「受け入れる」ってことなんだなぁ。
受け入れると、ザラザラした、トゲトゲした気持ちが、角がとれて少し丸くなっていく。
自ら作り上げた理想の自分に変えようとしないで、まずは受け入れないと心が育たないし、次の世界は見えない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?