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あなたが産まれた日

あなたが産まれたとき

おぎゃーか ふぎゃーか
忘れちゃったけど、

小さな体から
とても大きな声で 叫ぶように泣いていた。


助産師さんが
分娩台で寝たままのわたしの隣に
産まれたばかりのあなたを

優しく 優しく 置いた。


しわくちゃな顔

しわしわな手


あなたはすぐに自分の親指を
ちゅーちゅーしゃぶった


え!お腹がすいてるの!?

わたしはびっくりした。

まだ誰もなんにも教えてないのに
おっぱいを「吸う」ことを知っている。

そうか、これがもともと備わっている能力か…

人間てすごいなと思った。


12345
12345

わたしはあなたの指の本数を数えた。

5本ずつある。

爪もちゃんとある。

すっごい小さいのに
ちゃあんと爪の形をしている


薄いピンク色の手

やわらかい手


「やっと会えたね」

わたしはずっと不思議だった。

お腹にあなたがいる10ヶ月間
わたしとあなたはいつも一緒。

寝てる時もご飯食べてるときも常に一緒にいる
何しててもどこにいても常に一緒。


それなのに、
わたしはまだこの目であなたを見たことがない。

声を聞いたこともない

この手で触ったこともない


いつも一緒にいるのに。


なんか不思議だなあ

と 時々思っていた。


だから
「やっと会えたね」

って、思ったんです。


お母さんです

よろしくね


産まれた日1--



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