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五味太郎さんの絵本を数冊読んだら景色が変わって見えた話し

本屋が好き。
子供が座って本を読めるように、小さな椅子やテーブルが置いてあるのを見ると気持ちがほんわかする。子供たちはここでどんな本と出会うんだろう。文字が読めなくても絵本は楽しめるものだから、絵本はいいなと思う。年齢も関係ない。

勉強のための本、知識いっぱいの本を読みたくないときがある。少し疲れてるときだ。何かを得るために読むのではなく、子供の頃のように、ただ絵本が見たくて絵本コーナーに行く。幼い頃は絵本を読んでたけど、小学生からは漫画へと変わった。

また絵本を見るようになったのは子供が産まれてから。大人になって「きんぎょがにげた」に再会したとき「これぞ、絵本ではないか…」と、絵本代表に出会った気がしてすぐに買った。
この本を見たことない人はあまりいないんじゃないかと思うくらい知られているのでは。8カ国で翻訳出版されているそう。



私は文が多い絵本より少ない方が好き。文が多いと、次のページをなかなかめくれないから、早く次の絵を見たくなってしまって落ち着いて読めない。その世界観に入りきれないというか。文より絵を読んでるからだと思う。

私が読んだ五味さんの絵本は文が短い。1ページに一言くらい。300冊以上も出版されてるから一部しか読めていないけれど。絵と文というか言葉が一体になってるかんじが心地よくてすき。


以前気持ちがふさいでるとき本屋に行った。真っ先に五味太郎さんのコーナーに向かった。癒しや発見を求めてたのかな。私は五味さんのファンで、きんぎょがにげたに再会してからすきになった。五味さんの絵本だけを数冊手にとり、子供用の椅子にどっしり座って読んだことがあった。

数冊続けて読んだあと、どこか旅行へ行ってきたような感覚になった。

どんよりした気分がすっ飛んでしまった。こんなことってあるんだ…と思った。すっかり絵本の世界に入ってしまったんだろう。驚いたし嬉しかった。

その時に読んだ絵本を紹介したい!

歯医者さんと、患者であるワニの心情がそれぞれ描かれている。歯医者さんがワニを怖いなと思っている表情とたたずまいがたまらない。歯磨きや歯医者が嫌いな子にも読んで欲しい。このユニークな視点を大人にも読んでほしい。
歯医者さんのヘアスタイルを、なぜこうしたのかなと気になる。


何かを忘れている…忘れ物をさがすがいこつさん。たんたんと進んでいく。全体的に雰囲気が涼しくてちょっと切ないかな。


2、3歳の子と一緒に読みたい。
「たべたのだあれ?」「これ!」と子供が指さすやりとりをしたくなる。1人で読んでも十分楽しい。
五味さんの絵本は配色や色のにじみ方がすき。カラーインクを使用しているそうで、わたしも試しに使ってみたけど、難しくて使えなかった。


こちらも子供と一緒に読みたくなる。本のサイズが小さくて、子供の小さなバックにも入りそう。お出かけのときに一緒に連れて行けるサイズ。
先ほどの「たべたのだあれ?」と同様、表紙のタイルがかわいいな。


しかけ絵本。めくるたびにワクワク楽しい本。
読んだあとに、五味さんは本に傷をつけるしかけ絵本に嫌悪感があったと知り、驚いた。


こちらもしかけ絵本。とうさんが迷子になって子供が探すという。とうさんが迷子?とタイトルから気になる。


こちらもしかけ絵本。クリスマスに娘にプレゼントしたことがあるけど、正直わたしも欲しいと思いながらプレゼントした。何度読み返したかわからない。大好き。しかけ絵本はこの3部作のみだそう。


音とリズムが楽しい。本だから音は鳴っていないのに、読んでると頭の中で音が鳴る。楽しくなってニヤニヤしてしまった。


各場所に「バスがきた」というだけの本。ただ移り変わる景色や人が、ページを開くごとに静かに流れて行く。いいんだよーこの世界がまた。バスの形がぷっくりしていてかわいい。五味さんの作品は絵だけでも癒される。


ゆる〜い本。絵もすごいかわいい。
色々な人物が登場して、質問をなげかけると「なんとなく」と返ってくる。

仕事どおしようなかと焦ってるときに読んだから、心がほぐれた。あぁ、こんなかんじでいいんだな、と思えた。
「なんとなく」は感覚だけど、こねくり回した思考より頼りになる気がする。


タイトルの五味太郎50%とあるように、半分しか絵が描かれていない。残りの50%は、あなたが自由に描いてねという本。大きくて分厚く、紙は再生紙。

文中に「絵を描くお散歩もいいですよ、どうですか?」というような事が書かれいて、絵を描くお散歩…   なんて素敵な表現と感動した。

娘が、絵がうまいだとか下手だとか周りの評価を気にしないでおもいっきり描いてるようなまだ小さいときに出会いたかったな。何を書いたんだろう。


これは衝撃だった。五味さんの本で一番衝撃だったかもしれない。そしてめっちゃ笑った。

フライパンなのか、虫なのか、おもちゃなのか、なんだかよくわからない物体(?)が「ならびました」「あつまりました」とページがすすんでいく。
なにこれ…と!衝撃だった。イメージや想像がぶわーっと広がる感覚になり、なんだか嬉しくなった。大きく息を吐いたのを覚えている。

正解や説明「これはこうです」というのが五味さんの絵本にはないからそこがすき。わたしは想像するとか、イメージがひらいていくもの、そういうのがすきなんだなと実感。


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たっぷりと絵本を楽しんだあと、どこか旅行へ行ってきたみたいに気分よく家に帰った。帰りの電車から見る景色が温かくすらかんじた。いつもと変わらないはずなのに。

この経験を出来たこと自体嬉しかったし、忘れられずに残っているからnoteに書いた。豊かな経験ができて感謝。

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