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コトバの葛籠

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日常で書き上げた詩たちの行き場。星屑のようにひとつひとつが小さく仄めいて、ひとつの星団みたいになれたらなぁ。
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2019年6月の記事一覧

絶望に浸る

己への絶望は
人生という創作への
純然たる渇望だ

ノータイトル

悔しい時は
目を閉じ

胸に手を当て
問うてみよ

何を我慢してるんだ
一体何をしたいんだと

そしてようやっと

お腹の底の重いものに気づく

内なる声が吹きすさぶ

己の光が見えてくる

不思議と力が湧いてくる

鶏が卵を産むように

ポロン ポロと
鶏が卵を産むように

産んだ卵が
目の前から消えようとも

決して執着はせずに

毎朝飽きもせずに
ポロポロと

しかし
何日も温め続けられる程の慈愛を持ち

ただ生きるための営みの一環として

ポロポロと鶏が卵を産むように

そうやって
私達も産み出して生きたい

何気ない通勤の朝に

たとえば 夜に
誰もいない車両に乗って
見知らぬ土地のトンネルをくぐるとき

たとえば よく通るけれど
誰も見向きもしない
ひっそりとした神社への奥まった参道を進むとき

たとえば 思い立って
誰一人として知る人のいない
異国の土地へ飛び立つとき

もしかしたら

トンネルを抜けたら
鳥居をくぐったら
飛行機を降り立ったら

その世界は
今までとはちがう

新しい世界

パラレルワールドかもしれな

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