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ジャニー喜多川と秋元康はやっぱり凄いと思う今日この頃

今でこそ、インフルエンサーという言葉が世間に浸透し、彼らに頼ったインフルエンサーマーケティングがビジネスシーンにおいても使われるようになっているが、多くのファンを持った人が広告塔になって経済活動を促進するという流れは、ずっと前から見られる。その本流を作り上げたのは、今は亡き芸能プロデューサーのジャニー喜多川だろう。私たちが知るところで言うならば、こちらも今では解散してしまったSMAPだろうか。SMAPが唯一無二と言われるのは、エンタメ業界において音楽・お笑い・演技など全てを繋ぐ架け橋となり、一芸能事務所を総合エンタメマーケティング会社へと発展させたからである。

その流れを踏襲し、時代の変化に合わせて、今なお“インフルエンサー”を輩出し続けているのが秋元康である。私が生まれる前から数々の芸能プロデュースを手がけてきた同氏は、秋葉原の小さな劇場からアジアを股にかける一大女性アイドル帝国を築き上げた。画期的であったのは、握手会という制度でかつては憧れの遠い存在であったアイドルを気軽に会える身近な存在へと変え、選抜総選挙という制度でパトロネージュの民主化を果たしたことである。これらが奏功して、CD不況の時代にも関わらずミリオンヒットが連発し、ここ数年の年間CD売上ランキングの上位ほとんどを彼女たちが占めている。

そして、彼ら彼女たちの人気にあやかるのが、今の日本企業に染み付いたマーケティング手法である。企業同士の歴史的な見えない癒着関係もあるのだろうが、それを無視しても、これほど手っ取り早く一定の効果が見込める広告塔は他になく、現にテレビや雑誌、映画さらにはSNSにおいても彼ら彼女たちを目にしない日はない。グループ単位の流行の波はあっても、全体として巨大な”インフルエンサー”で長年あり続けているのは、プロデューサーの先見の明があってこそ、だ。ジャニー喜多川と秋元康はやっぱり凄い。両者のプロデュースの軌跡を辿ることで学べることも大きいだろう。

とは言うものの、両帝国への依存が日本のエンタメ業界を硬直的でつまらなくしている面は否定できない。最近のインフルエンサーやYouTuberの台頭によってそれは少しずつ変わっている気はするが、嵐のYouTube公式チャンネル開設が物語るように、いつかはネットの世界までも飲み込まれるかもしれない。LDHといった新興勢力もある中で、HIKAKIN所属のYouTuber事務所UUUMあたりがどう絡んでくるのか。どうなるにせよ、広告塔がアイドル中心であった時代は終わりを迎えつつある。

そういえば、仮想通貨少女どこいった?


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