見出し画像

暗号資産・ブロックチェーンって何がすごいの?

業界外の友人と話していると、たまにこんな質問を投げかけられる。この時頭に思い浮かぶのは価値レイヤーの話やコードガバナンスの話、トークンエコノミーの話だったりするのだが、これらの話をして「なるほど、でも…」と議論が深まった試しはほとんどない。大抵ちんぷんかんぷんな顔をされて、この話題は身近な結婚話に置き換えられてしまう。確かに周りが次々と落ち着き始める中で、果たして自分は結婚できるのだろうか、なんて少し不安に思うわけだが、同時にこの年代でよくある酒場の会話=結婚の構図に疑問を覚える。

一体どうすれば業界のことが相手に伝わるだろうと考えた時に、この”当たり前”と思われる社会的構造を疑う感覚こそが、暗号資産・ブロックチェーンによって養われたものであることに気がついた。これは私個人だけでなく社会全体に言えることである。

SNSの発展やそれに伴うインフルエンサーの登場により、「組織から個人の時代へ」とはこれまでも言われてきたが、それが気づけば「組織からコミュニティの時代へ」と変化した。また、あらゆる方面でお金に関する議論が沸き起こり、本屋の売り出しコーナーには「お金とは」というようなタイトルの本ばかりが並ぶようになった。あまり表沙汰にはされてこなかった各国中央銀行によるデジタル通貨の研究も加速し、今にも中国が実際に発行しそうな勢いである。ガバナンスに目を向ければ、国や企業の在り方を見直す風潮も強まった。

このような社会の動きが顕著に見られるようになったのは、権威の象徴とも言える金融業界がビットコインの登場によって揺らぎ始めたからだろう。既存の金融システムを使わずとも”お金”を移動することができるようになった。さらに、スマートコントラクトの登場によって金融機関を介さず金融取引全般を行うことが理論上可能となった。この分散型金融(DeFi)の普及に向けてはまだまだ課題が残されているが、その流れを止めることはできず、今後米国を中心にますます発展していくに違いない。

業界の人に話を聞いて回ると、なんとなく時代の変わり目にある気がする、と口にする人は多い。それもそのはず、ある”感覚”が他業界の人以上に研ぎ澄まされているのだから。以前にも、よく似た”川”は細々と流れていただろう。それが暗号資産・ブロックチェーンの台頭によって今まさに時代の本流になろうとしている。

最後、改めて最初の質問に回答しよう。

暗号資産・ブロックチェーンのすごいところは時代の変化を強く社会に意識付けたことである。この先5年10年でP2P基盤のサービスが広まるのは自明であり、その頃には個人の国や企業への属し方も変わっているかもしれない。そのような時代を前に、今ある社会について考え、公私ともに準備することが大切なのではないか。

#暗号資産 #ブロックチェーン #ビットコイン #コラム #とは

この記事が参加している募集

#とは

57,875件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?