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4月と美術科非常勤講師

こんにちは。河口です。

もうすぐ年度始めですね。
忙しすぎる魔の4月がはじまります。
どこの会社も同じかもしれませんが、4月は準備することや考えることが多く、初年度、かなり苦しかったことを思い出します。

今日は、私が初めて講師を担当したときに苦しめられた、『年度始めの5つのこと』について書きます。
(なんと、驚くことにこのページ、2500字以上あります。適当に読んでください。)


1.学年購入物について

私が赴任した中学校では、1・2・3年生が1年間使うものを、年度が始まる前に先に注文していました。

私は、

・SAKURAポスターカラーデザインセット三原色入り(1年生)
・教科書と資料集(1年生は教科書と資料集、2年生が新教科書)
・ファイル(プリントを挟むA4サイズのもの)
・スケッチブック(全学年)

を頼みました。
今思えば、3年生はスケッチブックいらなかったかもしれない。
それに、全学年スケッチブックよりクロッキー帳のほうがよかったかも。
1年間授業で何をするのか考えて買ったほうがいいです。
私は反省がたくさん出たので……。

それから、教科書と資料集は色んな種類があるので慎重に選んでください。
最初は、前年度の先生が使っていたものをお願いするのがいいと思います。
(これ以外に、単元で使う材料は別途購入になります。それについては『3.学年予算と使い道』で書きます)


2.必要備品とその予算

私の赴任先、大阪は、「基本的に備品代は出ない」らしいのですが、
(ごめんなさい、私もどこまでなのか、よくわかっていません……)
学校によっては、備品予算でいくつかの備品を買うことができます。
私が個人的にあると助かるな、と思った美術の備品は以下の通りです。

・消しゴム
・鉛筆(2H・HB・2B・4B)
・電動鉛筆削り
・油性ペン
・定規(30cm)
・予備の絵具
・筆(平筆・彩色筆・面相筆・極細筆)
・筆洗(プラカップとかで代用)
・パレット
・スティックのり
・ボンド
・はさみ(右利きと左利き)
・カッター(右利きと左利き)
・デザインナイフ
・カッターマット
・コンパス
・セロテープ
・練り消し
・A4コピー用紙(ラフなど気軽に描く用)
・トレーシングペーパー
・カーボン紙
・画用紙(四つ切り・八つ切り・十六切り)
・粘土ヘラ
・粘土板
・ペンチ
・水性マーカー

私の学校が特別そうだったのかはわからないけれど、大阪の中学校の生徒は、よく忘れ物をしてきました。(絵の具とか、筆箱とか……)
美術は忘れ物があると授業が成り立たないことが多いので、忘れ物対策もかねて、これらを美術室に置いていました。(鉛筆、消しゴム、筆、絵の具、油性ペン)

あと、私は、生徒の制作で使う道具などは積極的に自分で買い揃えました。
(私は、授業で立体制作も行なったので数が多いですが、ここまで種類を買う必要はないと思います)

でも、生徒が制作に前向きなときに言う
「先生、この道具ない?」
に対応できると、生徒も一層積極的に制作してくれるなあ、と感じました。

なので、ある程度揃えて必須じゃない道具は工夫して使うのがお勧めです。
お金もかかるので……


3.学年予算と使い道

年度始めに、学年で生徒1人につき幾らかずつの徴収をします。
そのお金を使って、1年間、生徒が授業の制作で使う素材などを買います。
この予算は年度始めの4月に決定します。
これも、決めたあとで結構大変でした。


1年間の予算は、大体前年度の先生の金額を参考にしたらいいと思うのですが、私は前年度の先生が行なった授業と全然違う授業を行ったため、予算が足りなくなりました……。
私が初年度に徴収した金額は1人1500円だったのですが、1学年だけ結構オーバーしてしまいました。
(よくないことだけど、私は足りない分は自腹切って授業しました)

もし、「やることは決まってないけど、いろんなことはさせたいかも」
と思うなら、予算はすこし多めに組んだ方がいいかもしれません。
(余ったお金は、年度末、生徒に返却されます)

ただし、1つ注意したいのは、「お金がない家庭もある」ということです。
貧富の差は本当にいろいろとあります。
また、兄弟が同時に在学する子も多いです。
こちらとしては少し多めに予算は組みたいけれど、家計の負担になりすぎないかどうかも考えて決められたらなおいいかなと思いました。


4.年間授業計画

年度始め、3学年分の年間授業計画を提出させられます。
これは、
「1年間、何の単元を行うのか」
「その授業によって何の能力を伸ばすのか、学ぶのか」
などを書くものです。

基本は、前年度の先生が作られたものが残っていると思うのでそれを参考に作るといいと思います。
あとは、生徒をよく観察するのがお勧めです。
学年によって、授業の得手不得手が見えてくると思います。
「彼らのためになる授業づくりや進め方は何か」を感じとりながら作成できたらいいかな。
(私は、初年度、生徒に向かない授業を行ってしまい、失敗したので……)

これは、大体5月始めごろに提出します。


5.年度始めの授業

美術に限らず、造形する授業(家庭科・技術も)で必須なものが「作例」です。
これは、生徒に対して「今日からこういうものを作ります」と視覚で簡単に伝えられることができ、また、生徒の制作意欲も高められるので必要不可欠です。
(作例は、自分で作らなくても大丈夫ですが、見本は必要だと感じます)

4月は初めての単元からスタートなので、作例を3学年分用意しなければいけません。
私の赴任が確定したのは3月の後半だったので、作例の用意や、授業づくりなどで、4月頭は大分バタバタとしていました。

作例や授業題材設定ですが、まず1番は、
「生徒にとって、大変すぎないけど面白いこと」
を持ってくるといいかなと思います。

生徒がものを作るとき、『私たちの制作速度の2倍』時間がかかります。
そういった面も配慮しながら考えられたらいいなあ。

あとは、中学生って1学年ごとに少しずつ、複雑に成長をしていくので、
(年度始めの1年生はまだ小学生っぽい、2年生は多感で成長中、3年生は自己や器用さが育ってくる、など)
年齢層にあった題材(難易度・思考・手先の器用さ……)を考えてみて、題材と年齢層に、考えを行ったり来たりさせながら、試しつつ作ったらいいと思います。
私も、自分の授業づくりには、まだまだ改善・反省がいっぱいなので……
お互い、頑張りましょうね……
(詳しい授業づくりや題材設定については、また機会があれば書きます)


いろいろ、偉そうに書いたけど。
とはいっても、初めてだし。
1年の流れなんてしらないし。
大学でもそういうのは教えてくれないし。
そもそも、生徒に何が必要かなんて、わからないし。

初めての美術教員たちへ。
すこしでも参考になれば嬉しいです。

いただいたサポートは、造形教育や美術活動の費用にまわさせていただきます。 どうか、無理のない範囲でサポートいただければ嬉しいです。 私も、がんばります!