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自宅の収納率から、家におけるモノの量を知ろう(5)

前回までの記事で、
・家の広さと所有欲に相関関係はない
・都市部の家は地方に比べて驚くほど狭く、かつ年々狭小化が進んでいる
ことをお話してきました。「部屋に荷物を収めることが、片付けることだ」と思われがちですが、その難易度は、地域や所有欲によって大きく変動するのです。

あなたの部屋にはどのくらいのモノを収納することができるのでしょうか?

今回は、自宅の収納力を知る方法をお教えします。どの程度の量のモノを、どの程度の大きさの場所に、収納しようとしているのかを知ることは、収納を考える上で大切なステップです。

1.モノの数を知ろう

まず、自宅にあるモノの数を把握しましょう。人の所有するモノの総量としては、平均で「1人あたり1,500点」といわれます。

引越用の段ボールでいうと1人あたり平均15箱です。
あなたは今の自宅に引越する際、何個のダンボールで荷物を運んできたでしょうか?その後、どのくらいの量のモノを買い足ししたでしょうか?

私は一人暮らしですが、約1,800個という、平均よりやや多い点数です。(ちなみに、「トヨタ式おうち片付け」の著書、香村薫さんは、自書内で自宅のモノのアイテム数をカウントしています。4人暮らしで1,759個という、驚異的な数字でした!)

とはいっても、全てのモノを数えきるのは現実的ではないので、ざっと持ち物が段ボール箱何箱分なのかを数えます。一番手っ取り早いのは、引越の機会です。直近で引越をしていない方の場合は、1箱だけダンボールを用意して、本や季節外の洋服など、使っていないけれど部屋で散らばっているアイテムを詰めてみましょう。

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2.収納スペースの広さを知ろう

モノの数が把握できたら、自宅の収納の広さを把握しましょう。1都3県・都市部マンション在住の平均的な間取りはこちらです。

・ワンルーム :25平米 (14畳)
・1LDK      :40平米 (22畳)
・2LDK     :55平米 (30畳)
・3LDK     :70平米 (38畳)

※ワンルームで14畳というと広く感じるかと思いますが、バストイレ・キッチン・玄関・通路など全て含めての面積になり、実際の居住スペースは6〜7畳になります。

このうち、一般的なマンションの収納率は5〜7%と言われています。「収納率」とは、住宅の床面積に占める収納面積の比率のことで、法律上で定められている訳ではありませんが、住宅メーカー各社が目安として使っているものです。一戸建ての場合は収納率が13%になります。

例えばあなたがワンルームに住んでいたとします。そうすると収納できるアイテムは、約1畳分。これはMサイズ段ボール約10箱分です。

あなたは引越しの際、15箱分の荷物を持っているとします。クローゼットや押入れなど、収納スペースには10箱分しか収めることができません。残りの5箱分は居住スペースに置く他ないのです。

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例えば、毎月ちょこちょこモノが増えていて、3ヶ月に段ボール1個分ずつ増えるペースだったとします。あなたが今の家に引っ越して来たのが1年半前だったらとしたら、段ボールは6箱増えています。

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ここまでくると、人がくつろぐスペースよりも、モノを並べるスペースの方が多くなってきているのが分かります。

たとえ居住スペースにモノが沢山あっても、「見せる収納」という言葉もあり、上手く片付いていれば快適に暮らすことができます。

しかし、モノの量が増えれば増えるだけ、時間的にも精神的にも、メンテナンスの手間が増えるのです。

これがモノを愛する方が、片付けに頭を悩ませる要因です。モノを極限まで捨てるなんて、やりたくない。一方で、毎日散らからないようせっせと片付けをする時間もない。どちらもやらずにいると、部屋のモノはさらに増えていき、掃除は滞り、さらにメンテナンスコストが上がって悪循環になっていくのです。 

今回は自宅の収納率を知る方法を説明してきました。次回以降は、「自分にあった片付け方法を知ること」をテーマに書いていく予定です。


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