図表

「時間管理のマトリックス」から考える、片付けられない理由(21)

「片付けをすると、暮らしが良くなる」。
この1文に、異論を唱える人はほぼいないでしょう。前にお話した調査でも、約9割の方が「片付けは大切だ」と思っていました。

しかし、「いつか時間を見つけてやろう」と思った時、明日やる人と、先延ばしにしてしまう人がいます。

今回は、先延ばしにしないコツをお教えします。ずばり、スケジューリングです。
予定表に、3時間1セットで、片付け予定日を入れていくのです。そして自分で破らないよう環境を整備し、自分の予定を死守するのです。

ここで、7つの習慣で取り上げられている、「時間管理のマトリックス」にに当てはめて、お話ししていきます。

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これは、人の普段の生活における時間を、「重要性」「緊急性」2つの軸で、4つのグループに分類したものです。

第1領域は、「重要度も高いし、緊急度も高い」という状態で、誰もが最も優先順位高く、否が応でも取り組みます。

第2領域は、「重要度は高いのだけれど、緊急性が低い」ので、ついつい後回しにしてしまいがちですが、将来への自己投資のためには大事な時間です。「大切に思うけど、急ぐ訳ではない」ため、意識しないと後回しにされてしまいますが、その分やりきれた時の充実感が高いです。

第3領域は、「重要度は低いけれど、緊急性が高い」もので、時間の浪費とも称されます。よく言われるのが、第三領域を減らして、第二領域に割ける時間を作りましょう、ということです。例えば、無駄な飲み会を減らし、その分読書に時間を当てることで、時間をより有意義に使うことができます。

第4領域は、一言で言うと「無駄」です。仕事においては、無駄が一切ないことが望ましいですが、プライベートにおいては、やや切り分けが難しいところです。例えばテレビを見る時間も、気分転換になり明日への活力になるのであれば、第2領域に入れても良いかもしれません。

日常生活では、第2領域が、どんどん外に押しやられます。 そして、片付けは根本的に、第2領域にあります。

片付けが第一領域に昇格する例としては、「子供の家庭訪問」と「引っ越し」です。教師や引っ越し業者が家に来る日程が明確に決まっており、かつ、その日までに家を片付けなくてはならないという強いプレッシャーがあります。ただし、片付けは本気でやろうとすると、相当な時間がかかります。よくあるケースとしては、締め切り日が近づいてくるにつれ、「家全体を片付ける」という大きな目標から、「先生が通る場所だけとりあえずモノが見えないようにする」「段ボールにとにかく詰め終わる」という小さな目標にすり替わり、結果、イベントが終わった後数日すれば、家は元の通り散らかった状態に戻ってしまうのです。

他にも、毎日の生活で、以下のように緊急性の高い事項は、全て片付けよりも優先されているでしょう。

・明日までに終わらせなければならない仕事の準備
・家族の食事・弁当作り
・子供の学校の提出物への対応
・水漏れ
・週末の旅行の準備
・友人とチャット
・体調不良

ここに挙げたことだけでなく、日常は急な予定のオンパレード。締め切りがなく「できたら良いな」という事項は、どんどん優先順位が下がっていくのです。また、緊急度が高いタスクが続くと、人の判断軸は麻痺して、ふと手が空いた時も第2領域のことに着手できなくなっていきます。例えば嵐のような大忙しの1日に、ふと30分時間が空いたとして、あなたは片付けに取り組みますか?テレビや動画を見て、ぼうっとする方を選ぶでしょう。

次回は、第2象限に追いやられがちな、片付けの優先度をあげるスケジューリングのコツについて、お話ししていこうと思います。



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