これから輸血できずに亡くなる患者🆚100単位以上の輸血惜しまず投入された元総理

え、何? 100単位ってどういうこと?

本当は、「元総理が銃殺された悲しみ」とか、「日本で発砲テロがあった衝撃」とかが先行するべきなんだろう。

現実味が薄いのもあるかもしれない。

しかし、安倍晋三元総理が銃で撃たれてその場で心肺停止という見出しを見て、残念ながら助からないだろうと思ってしまった。

統計的に、成人が院外で心肺停止になった場合は救命率は12%。

院外で心肺停止という時点で、直ぐに心肺蘇生を開始し、AEDで心拍が再開しなければ、脳はある程度虚血になることが予想されるだろう。

仮に命が助かっても、脳に多かれ少なかれ後遺症は残るだろう。

ここで一度情報を整理してみよう。

撃たれた直後に心肺停止でCPR。
病院到着後も一度も心拍は再開していない。

もちろん、出血性ショックもあるだろう。しかし、心臓実質へのダメージが想像される。

そして、日本で銃槍に遭遇することがほぼ皆無。いかに優れた外科医も経験は乏しいだろう。

この危機的状況から回復するのは非常に困難、いや、ほぼ不可能に近い。

「100単位以上の輸血」…… すごいなぁ。
一般の患者だと、月に数回でも医療費の無駄とか、散々嫌味やら言われて渋られるのに……

赤血球輸血だけで100単位なら、単純に考えると50〜100人分の輸血量。

一般的に定期受診している患者の非緊急時の輸血は1〜2単位程度。

出血があれば輸血量が増えることが相当される。

赤血球1単位でヘモグロビン1g相当とされ、成人男性ならば平時の血中ヘモグロビンは12gから14g。

潰瘍性大腸炎がある安倍晋三元総理なら、おそらく12gを少し下回るくらいだったのではないだろうか? 考え易いように、10gくらいと考えておこう。

すると、赤血球100単位ならば、単純に考えれば10回全血液量を入れ替えたくらいの赤血球輸血量に相当する。

これがもし一般人だったとしたら、病院に到着した時に心肺停止時間がどれくらいか確認し、30分経過していたら「死亡確認」されるだろう。

病院に到着し、オペ室に入る前に死亡とされていた可能性は高いのではないだろうか?

若ければ、もう少しネバるか?

原因にもよるかもしれない。

実際、100単位以上の輸血を注ぎ込み、関西に限らず日本全国で血液不足になっているだろう。即ち、輸血できない一般患者が増加するだろう。

その中には、血小板輸血ができずに出血系の合併症で亡くなる方もいれば、脳卒中により後遺症が残る方もいるだろう。

輸血が必要だけれどもできないということは、貧血で苦しいだけではなく、貧血で酸素が運べずに脳梗塞や心筋梗塞のリスクが増えるということ。

血小板が足りなければ、出血するリスクが増す。そして出血部位が悪ければ、それが致命打になるか、一生後遺症が残るということ。

安倍晋三元総理の蘇生を試みた過程で使用された血液の分だけ、全国の患者さんがそれだけ輸血から遠のくということ。

命には値札が付いている......

こう思うべきではない。

でも……

いや、だから、この犯人は一人ではなくものずっと多い人数の命を奪っているのかもしれない。

医師の使命は目の前の患者を全力で救命すること。奈良医大の医師らは各々の使命に基づき最大限のことをやった。

それを咎めるのは間違っている。

しかし、それでも患者は甚大な影響を受ける事実は変わらない。

それは一人でも多くの方に知ってもらいたい。

そして、新型コロナ禍に血液不足は深刻な事態。献血にご協力してくださる皆様に感謝するとともに、普段献血していない方にも是非献血をお願いさせてください。

どうぞよろしくお願いします。

あなたの血液が多くの生命を救います。

ぜひサポートよろしくお願いします。 ・治療費 ・学費 等 に使用し、より良い未来の構築に全力で取り組みます。