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日本橋に現れた春の雪

画塾展が近いので、ゴールデンウィーク中は展示用の作品を描いていました。モチーフは、日本橋さくら通りの桜並木。たまたま仕事で通りがかった時の写真です。

モチーフ写真
「高島屋の赤いテントとレトロなランプは絵のアクセントになりそうだなぁ。」
「桜はもっとボリュームを出して…」などと妄想しながらパシャリ。


緊張感のある案件を終えた帰り道でしたが、桜並木を目にした瞬間、なんだか張りつめた気持ちが、ふわっとほどけていきました。

周りの人も、みんな足を止めて眺めたり、写真に納めたり。見ず知らずの人ばかりでしたが、その瞬間だけ、春の歓びを分かち合っているような、不思議な感覚でした。

立ち止まって写真を撮る人たち。
つい記念に残したくなっちゃうよね。
それにしても、夕方の桜もなかなか味がある。


そんな小さな春のひと時を絵にしました。完成した作品がこちらです。

完成版:日本橋に現れた春の雪(2024年5月)


レッスンで描くものと違って、オリジナルは試行錯誤の連続と言いますか。今回は3枚ほど描いたんですが、1作目(適当に描いた下書き)が一番良かったのでは?!という気がしてなりません。

1作目:裏紙に描いた練習台(ファーストウォッシュ)

ファーストウォッシュですが、なんかオシャレ(笑)このままでもよかったのではないか、とNoteを書きながら思う。

1作目:裏紙に描いた練習台(完成版)

ツッコミどころ満載ですが、お気に入りポイントも多かったんです。
・オレンジがかった温かみのある路面
・手前の人物のフォルムとぼかし
・車のライト
・街灯の優しい黄色い光

が、あまりにも適当な裏紙だったので、泣く泣く練習台としました。
次からが本番です。

2作目:F6サイズ

2作目では、桜を浮きたたせるために、画面右側の建物を暗くしました。夕暮れ(というか夜)の雰囲気は出ているけれど、肝心の空は明るい。いったい何時なんだ・・!桜のエッジ(きわ)も強すぎたので、こちらはボツ。

3作目:F6サイズ

3作目は両側の建物を薄くして、桜と建物の境界線をなくしてみました。ただ、桜の背景が明るいと、夕暮れのムードがなかなか出ないんです。

画面右下にサインを入れている通り、一度は完成版にしようと思いましたが、GoodだけどGreatではない、ということで控え選手に降格しました。悪くないけれど、初見で「わぁ」という驚きが、どうしても感じられなかったのが一番の理由です。

最終的には3作目を採用しました。人間のフォルムは気になるところですが、一目見たときに気分があがるかな、と感じられたのが決め手でした。

3作目:最終的にはこちらを採用

それにしても、練習台だった1作目が忘れられない・・!結局、1作目が一番良かったりするものなのでしょうか?皆さんはそんな経験、ありますか?

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