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m_hyugaji
2021年5月21日 14:52
プロローグ 閉塞感の漂う時代、たくさんのヒトミさんたちが、片目を瞑って生きています。 先人たちの言うように、両目を開いて伴侶を探し、片目を瞑って伴侶と暮らし、なんとかなると思っていたはずなのに、なぜだか心が壊れてゆくのです。 先人たちに、可哀想だと思える間は我慢しろと教わって、同情は愛情と同義語なのかと考えたり、いつかは変わるのではないかと期待したり、優しいところもあるからと思い直したり、自
2021年6月21日 21:01
「たまには人に甘えなさい」 こじんまりとしたアットホームなレストランで、きれいに糊の効いた白いテーブルクロスのかかった席に案内されて、「ワイン飲める?」と篠田さんが聞く。 ヒトミさんがハイと答えると、篠田さんは白ワインを二つ頼んでから、「本日のランチでいいわよね」と言い、ヒトミさんはまたハイと答える。 篠田さんは、テーブルへ水を持って来た感じのいい女性スタッフに「ランチ二つね」と言ってから、