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2022/1/23「はたらくとは?」について考える対話レポ

今回は、20代からアラ還(還暦60才前後)の方まで幅広い年代の方、7名にご参加いただきました。

テーマは「はたらくとは?」
ここ数年私の中でモヤモヤしているお題目です。

まずは、受付後、みなさんが考えた「問い」をホワイトボードに書いていただきました。

・お金がたくさんあってもはたらくのか?
・子どもに自分のはたらき方をすすめるか?
・はたらくとはどういうことか?
・お金がたくさんもらえる仕事は、よりよい仕事なのか?
・格差とはたらくことへの価値観
・“お客様”へどこまでサービスするのか?

1.23タカテツ 問い

この中から挙手の多数決でテーマを2つに絞り、
対話1は「お金がたくさんあってもはたらくのか?」
対話2は「お金がたくさんもらえる仕事は、よりよい仕事なのか?」
について対話をすることになりました。


対話1「お金がたくさんあっても、はたらくのか?」


・まず、この問いが出るのは、お金のために働く、というのが前提にある。はたらくことをネガティブに捉えているからではないか?
→(問出しした人)はい、そうです。私にとってはたらくとは、労働であり、義務であると捉えています。だからこのような問いが出てきます。はたらくことが楽しい人はこの問いは出てこないと思います。
→自分は好きなことを仕事にしている。最近流行りのFIRE(早期リタイヤFinancial Independence,Ritire Early)という考え方は同意できない。
→仕事は、辛いこともあるが、評価されることでやりがいもある。
→いま、病院で働いているが、業種により収入格差が大きいし、同じ業種の中でも最終学歴によって格差がある。地方から出てきた若い人は学習機会が少なく、仕事が選べないのではないか。やりたくない仕事が残っていくのではないか。お金がたくさんあることは、自己決定できる機会が増えること。それと、はたらくことは別の次元の問題なのではないか。
→お金があれば、はたらき方変えることができる。選択肢が増える。
→私はFIREに賛成です。早期にお金がたまれば選択肢が増えて、自分のやりたいことができると思う。
→仕事はお金を得るためだけにしているのではない、自己実現できる。経験や人間関係も構築できる。
・企業の中で、自分をどのように活かせるかを考えている。
→環境に合わせて適応することが大事。組織の中でも、心持ち次第で主体的に動くことができる。
→しかし、組織の中では、自分はひとつの駒でしかないし、裁量権もほとんどなく、自分ができることは限られている。
→私は組織の中ではないが、自分のやりたい提案をしたところ、受け入れてもらえた。自ら声をあげることも大事だと思う。そうすることでやりたいことができていく。
→はたらくことは生活の一部であるから、ひとつながりに一緒に捉えることがよい。


対話2「お金がたくさんもらえる仕事は、よりよい仕事なのか?」


・お金がたくさんもらえるということは、人より優れているということ。だからよい仕事であると言える。
→しかし、人より優れた技術があっても仕事がない場合もある。何のために苦労して資格を取ったのかわからない場合もある。
→熟練度ではなく、世の中のニーズで、時代によって変わっていく。ニーズがあれば収入は高くなる。いまのIT業界のように。
・そもそも、よりよい仕事、とは何なのか?自分によってよりよいのか、社会から見てよりよいのか。
→仕事をすることで幸福につながる。よりよい仕事は自分で決める。
→以前、自分は介護の仕事をしていたが、そこでは介護の仕事にやりがいをもってはたらき、ボランティアでもいいからやりたいというような人もいた。やりがい詐欺のような。そのような人がボランティアでやってしまうと、仕事としての介護が成り立たなくなり、報酬が低くてもいいのか、と思われてしまう。社会として必要な仕事には相応の報酬をつけるべき。
→学生などは、インターンシップできつい仕事を任されたり、低賃金で塾講師をしている人もいる。人件費の削減が激しい。
→他の人に仕事を任せるのは大変なこと。よりよい仕事は自分で作っていく。
→中学校の部活などでも、部活に生きがいを感じている教員に、周りが合わせるとなると大変。少ない手当で土日も部活を見なければならなくなる。社会の構造的問題がある。
・子どもの時に、生活していくためのお金と給与のバランスについて疑問に思っていた。生活費などのお金のことを学ぶ機会がなかった。介護の仕事は、主婦がパートとして始める場合が多かったので今でも賃金が低い。
→女性の多い職場として、保育士なども非正規が多く、賃金が低い。日本という社会の構造的問題が大きいと思う。

皆様からの感想


・多様な年代の皆さんと話せて、新鮮でした。
・どこまでも「自分は自分」と思いました。
・それぞれが生きてきた時代や生活により、それぞれの哲学があると思いました。
・特に後半は、あっという間に時間が過ぎたように思いました。充実した時間でした。
・社会の中で、まったく関わらないであろう人たちと意見を出し合い、考えを言える場所は大切だと思いました。
・現実は厳しいが、AIなど未来に期待したい。

対話の中から得た、わたしの気づき


・お金がたくさんあることと、はたらくことは別の次元の話である。
という発言は、私にとって違和感があり、ひっかかりがありました。
お金がたくさんあるということは、選択肢が増えることだから、はたらかない、という選択もできるということ。だから、私にとって、はたらくこととお金の量は関係しています。はたらくことについては人それぞれの見方があって、義務として捉えている人にとっては、辛いことを乗り越えた報酬としてのお金がある。一方、はたらくことは自己実現や自己成長であり、お金はあまり関係ないという考え方もあるので、後者の考え方をすれば、「お金がたくさんあることと、はたらくことは別の次元の話」なのかもしれません。

・自分がやりたいことだから、私は報酬はいりません。という行動は市場価格の崩落を招くため、よくない。
というのも、今日大変勉強になりました。本人は無報酬で自己満足でいいかもしれませんが、社会が必要としていることなら価格設定は必要なんだ、という当たり前のことですが、気づかせていただきました。

リアルな対話は久しぶりでした。もう少しゆっくり進行した方が、各自が考える時間があってよかったかなと反省しています。オンラインでやるよりも沈黙の時間が長く感じられ、つい進行してしまったので、次回は沈黙を恐れずやりたいと思います。
ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました!

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