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【Zwift】ゴールスプリント研究~第2の戦略/速度を落とさない編~

ゴールスプリント研究の記事を書いたのがもう半年以上も前

その後も研究は続き、だいぶ考え方に変化がありました。
基本編で書いたのは、

”なるべく前の方で位置取りをして、ファーストアタックに素早く反応、ドラフティングを利用してゴール前で先頭に出る”

これを第1の戦略とするならば、今は別の第2の戦略で戦う事の方が多いです。

1.第2の戦略とは

”速度をなるべく落とさないように走る”ことを主眼に置いた戦略です。

どういう事かと言うと、別記事でも書きましたが、

例え先頭付近にいたとしても、ポジションを下げている状態=集団に対して自分の速度が遅い状態でアタックがかかった場合、まず速度を追いついてそっから加速となるので、その間に差を付けられてしまい圧倒的に不利です。見た目のポジションよりも速度差が大事で、例え後方にいても自分の速度が早い状態の時は、そのままポジションを上げていけるので、見た目以上に有利な状態と言えます。

最終局面で集団がどう動くかは完全には読めません。ポジションを前目に取った場合、先頭で牽制が入ると急に速度が緩み、慌ててこちらも速度を緩めるいわゆる”前が詰まっておっとっと”状態によくおちいります。第2の戦略ではこれをもっとも悪とする考え方です。ここで速度を落とした時に後ろからアタックがかかると完全に出遅れてしまいます。

ではどうするかと言うと、基本的には後ろ目のポジション取りになります。
 前方の速度変化に集中して早め早めに速度調整をして、前が詰まらないように注意しながらポジションを上げていきます。

イメージとしては、残り1000mの段階で集団内先頭から10m後方につけていたとして、

1000m 先頭から10m後方
  900m 先頭から9m後方
  800m 先頭から8m後方
      ︙
  400m 先頭から4m後方
  300m 先頭から3m後方

上記のように進めれば、常に集団の速度に対して自分の速度が高い状態を維持しながらスプリントに望む事ができます。

2.実例1~追い込み編~

この戦略が効果を発揮するのは、下り基調ゴールの場合です。

動画は Volcano Flatコースのゴールスプリント。残り900mから500mにかけて10m下ります。(※Figure 8も同じゴールです)

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残り500m下りきった時点で速度が68km/h出ています。先頭が68km維持するには、約1000W必要なので先頭がこの速度を維持するのはまず不可能です。その為先頭から速度が落ちていく”前が詰まる”現象が発生します。先頭付近に位置していた場合、先頭に出たくなかったらここで出力を落として急減速しなくてはなりません。

 この時はそれを見越して、下りきった時点で後ろめに位置しています。そして下りの勢いをできるだけ保ちながらスプリントを開始。最後先頭に出てぎりぎり逃げ切ることができました。

3.実例2~逃げ切り編~

”速度をなるべく落とさないように走る”。この戦略のメリットが出るのは、スプリント開始してから少し早めに先頭に追いついてしまった時。
 ここで先頭に出てしまって最後まで逃げきれるのか??と迷いが生じ、出力を緩めおっとっと”としてしまい後ろから刺される・・・こんな経験ありませんか?
 こういった消極的なスプリントで負けてしまうと”やっちまった”と後悔が残ります。
”速度をなるべく落とさないように走る”戦略で前が詰まった場合、速度を落としたくないので、当然”そのまま前に出る”一択になります。

■Seaside Sprint

コースはSeaside Sprint。このコースも残り600mから300mにかけて一気に下ります。その為、今回も少し先頭とは距離を空けて下っていきます。下りきる直前で先頭は”牽制”が入って速度が緩んでいます。後ろから急速に距離が縮まって、追いついた時点で速度差もかなりあるので、そのままアタック。逃げ切りに成功しました。

■The Bell Lap

このコースも残り1100m~900mの間で約8m下ります。下り切った所で速度が56km/hまで出ています。ゴールまで900mと長いですが、この速度を保ちながら走るのがポイントになります。比較的前が積極的に走っているので、そこそこ踏みながら進みます。残り300m地点で前方に追いついたので、今回もそのままアタック。速度差を使って距離差を一旦13mまで離して、ぎりぎり逃げ切りに成功しています。

下の表はこのレースのスプリント1分~5秒の出力表で一番上が私になります。

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最後逃げたにも関わらず、出力順位としてはどれも3番手以下。かなり上手く走ったスプリントと言えます。

今回は早めに先頭に出ることになりましたが、残り150mで先頭に出る展開でも、残り50mで先頭に出る展開でも、”速度をなるべく落とさないように走る”戦略では同じように走るだけなので、あまり展開に左右されません。
※その中でも微妙なアクセルの踏み方調整が肝になります。

■The Bell Lap2 似た展開ですが別動画です

上の方で先頭で68km/h出すには1000W以上必要と書きましたが、この動画ではエアロブースト使ったものの残り100mで先頭に出るまで時速69km/hまで出ています。平坦で出す速度としてはかなりです。速度を保ちながら走る=ドラフティング内で長い時間加速し続ける、の結果上手く速度を載せる事ができています。

4.この戦略が向いているタイプ

■”速度をなるべく落とさないように走る”スプリントが向いているのは
・後ろにポジション取りすると長めのスプリントになる事が多いので、15秒よりも30秒~1分出力の方が得意。

・追い込み戦略で、集団を抜いていかなくてはならないのである程度スプリント出力が上位である事

下記事でも書きましたが、格上戦の場合は前へ前へ行った方が良いと思います。

とは言え、この戦略はハマった時は一発があるのが魅力です。
速度に乗って前へ出ているタイミングとスプリント開始のタイミングがピタッと合えば出力順以上に上位にいけるチャンスがあります。※その分下位に沈む可能性もあります。後ろから一発勝負をかけるのも良いかと思います。

5.おまけ・ZWIFTのスプリントが強くなる方法

高出力の出し方はさて置き、Zwift的スプリントが強くなる(要は戦略面で)ためには、"レース画面を録画する”ことをお勧めします。
最後のスプリントで必死に漕いでいる時は、周りの状況が分かりにくいものですが、録画すたスプリントを見返すといろいろな事が見えてきます。

前でアタックがかかっていたのに踏み始めるのが遅かった、後ろでアタックがかかっていたのに気がついてなかった、等々・・・落ち着いて見直すとよく分かります。レースが終わった後のクールダウン時に見直すとちょうど良いです。

詳しい録画の仕方は他のネット記事に譲るとして、Windowsの場合は、”Windows+G”を押せば、Xbox game barが立ち上がって録画する事ができます。

9月にPCを買い替えてから、毎レース録画するようになりスプリントが上手くなったような気がしています。そして、今回記事に初めて動画を載せる事もできました。



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