【Zwift】ゴールスプリント研究~ファーストアタック編~
ゴールスプリントで最初にアタックをして、そのまま逃げ切って勝つ。最も強い勝ち方で、限られた剛脚のみに許された戦略かというと案外そうでもありません。
今回はファーストアタックを成功させるコツについて書いていきます。
1.ファーストアタックが決まり易い条件
ファーストアタックにも大きく分けて2種類あります。
■ショートスプリントのファーストアタック
残り500m以下の距離だと、周りもスプリントのタイミングを伺っているので、間違いなく反応されます。その反応までに先行したアドバンテージを守り抜いて逃げ切りを狙う作戦です。
⇨この場合は、残り距離が短くなる程有利になります。後ほど動画で補足します。
■ロングスプリントのファーストアタック
例えば残り800m以上の距離だと、追いかける側に迷いが生じます。仮に自分が最初に追いかけた場合、その他のライダーに後ろに付かれて、追いついても差されてしまう。そういった使われたくないという一瞬の躊躇でお見合いをしてしまう事が良くあります。そのスキにリードを広げて逃げ切りを狙う作戦です。
⇨この場合は、1分出力が強くて独走力に優れたライダーが有利になります。平坦で有利なのは体重が重くて、その割に身長が低めのライダー。
※↓参照
日本人にはあまりいませんが、180cm90kgといったライダーは有利になります。
1-1.ペースが緩んでいる。牽制が入っている
アタックをして飛び出した瞬間に、いかに速度差をつけて引き離すかが重要になります。平坦で時速40km以下の場合は、加速するのに必要なエネルギーもまだ少なく、先頭に出た際の空気抵抗もまだ小さいので、一気に加速することができます。
これが時速50km出ている時にアタックすると、加速も鈍く先頭に出た瞬間に大きな空気抵抗を受けます。その為すぐに後ろに付かれて失敗する可能性が増えます。
1-2.少人数スプリント
2人でのマッチアップになった場合は、最初に仕掛けてドラフティングゾーンから引き離してしまえば、あとは自力の勝負になり先行している分前有利になります。先行が不利なのは集団効果で後ろの方が速度を上げて追いかけやすいからです。5人以下の少人数スプリントの場合は、逃げ切りの可能性も上がります。逆に大集団スプリントで最初に飛び出すのはあまり得策ではありません。
1-3.登り基調ゴール
先頭が不利なのは、先頭が大きな空気抵抗を受けるからです。
極端は話、激坂登ってゴールの場合は、速度が遅く空気抵抗も小さい⇨ドラフティングの効果も小さいので後ろに付くメリットが減ります。登ってゴールの場合は先に仕掛けた方が先行分のメリットを活かし易くなります。
1-4.エアロブーストを持っている
エアロブーストはどのスプリントの展開でも有効ですが、先頭で使うとドラフティング並の空気抵抗削減があるので有効です。番手に付けた選手と同じ程度の空気抵抗になると思います。※番手の選手がエアロブーストを使った場合は番手の選手方が有利にはなりますが・・・
1-5.なんとなく消極的な集団
そこまでのレースですべてのアタックに着いていく、前もガンガン引くといった強くて積極的なライダーがいる場合は、アタックが見逃してもらえる可能性は低くなります。
今日はあまり積極的な人はいないな、アタックしたら決まるかも・・・といった感じでレース中に観察します。
2.基本のファーストアタック・距離を空けてこっそり加速する
まず、タイミングを見ながら後ろに下がって先頭との距離を空けます。距離を取れば取るほど、勢いをつけて先頭に出た時点で速度差を付けることができます。しかし、そのスキにアタックがかかって遅れるリスクもありますがその時はあきらめましょう。
仕掛けのタイミングで出力を上げて前方に上がっていきます。この時アタックに気が付かれないように
・8倍以上にはしない
⇨8倍以上にすると表示が赤くなるのでアタックがばれます。
・FTPの2倍以上にはしない
⇨FTPの2倍以上にすると立ち漕ぎをし出すのでアタックがばれます。
”少し遅れてしまったので踏み直したらうっかり前に出すぎてしまいました”感を装うのがポイントになります。そして前に出てしまったら一気に出力を上げて加速します。あとはひたすら全力です。イメージとしてはアタック直後の出力のピークを持ってきた方が、一気に加速してゴールまでの平均時速を上げれるので良いと思います。
3.残り距離が短くなる程ファーストアタック側が有利
この時は残り250mまでアタックがかかりませんでした。
残り距離は少なくなる程、逃げ有利となります。この場合はアタック開始からゴールまで17秒でした。そこから3秒以上遅れて他のライダーが反応しているので14秒のスプリントで追いつかなくてはならない事になります。
ゴールまでの時間が短くなる程、出遅れ分を取り戻すのが困難になる。
⇨残り距離が短くなる程ファーストアタック側が有利となります。
イメージとして、300mを切ってもアタックがかからない場合はファーストアタックを狙っていきたいと考えています。
4.アタックポイントが決まっているコース
Volcano Circuit CCWのコースがゴール前800mに登り坂があります。
ここまで集団できた場合は、ここが勝負所になることが決まっています。その為、この坂の前で一旦下がって登り口からアタックを仕掛けています。もし誰も着いてこなかったら、そのまま全力逃げを狙います。今回は同じように坂で仕掛けたライダーがついてきたので、一旦前に出てもらってゴール前で再び勝負しています。
ちなみに、この勝負坂の登り口からゴールまでは、全力逃げでちょうど1分になります。これまでの1分出力ベストはすべてこの区間で出ています。1分ベスト更新を狙うのであれば、このコースで全力逃げがお勧めです。
5.相手の意表を付く
Duchy Estateのレース。このレースはいつもと違う場所にゴールが設けられていて、-7%の下りを下りきってからすぐ200mでゴールという変わった設定でした。リアルレースだったら危険なので怒られる設定です。
レースしながら下りで仕掛けたら意表を付けるのではないかと考えていました。下りでもフルにドラフティングを使って前に出てくと勢いがついてドーンと前に出れるので、それを狙っていきました。結果はきれいに決まって、恐らく相手は追うのを諦めて後ろの中での勝負に切り替えたと思います。
6.積極に仕掛けた時のラッキースプリント
最初にアタックしようという積極性が良い方向に転ぶ事があります。
これはメゾンメゾンというイベントのラストスプリント。
これはミートアップイベントだったので、ゴール距離と残り距離が一致しないと事前の情報で予習していました。小人数スプリントで、残り300m付近まできて誰も仕掛けないので、ひょっとしてゴール位置を勘違いしている??と思い、最初にアタックするつもりで踏み込んだら、別のライダが直前にスプリント開始。運良くピッタリ番手につけて最後差すことができました。
積極的に仕掛けて行った場合は、ちょうどタイミングが合うラッキースプリントになることもあります。※当然逆もありえますが。
※↓メゾンメゾンについてはこちらを御覧ください。
7.ファーストアタックを仕掛けるべきレースは
ファーストアタックはこのレースは絶対アタックしたやるぞと決めていくよりも、今回の記事のような事を念頭にいれながら、決まり易いシチュエーションになった時に仕掛けていくのが良いと思います。
その為に、常にいつかやってやるぞと備えておくのが大切です。
↓その他のゴールスプリント研究結果はこちら
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